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泥質干潟の改善方法

国内特許コード P120008165
整理番号 10070
掲載日 2012年11月1日
出願番号 特願2010-282824
公開番号 特開2012-130830
出願日 平成22年12月20日(2010.12.20)
公開日 平成24年7月12日(2012.7.12)
発明者
  • 山本 民次
  • 浅岡 聡
出願人
  • 国立大学法人広島大学
発明の名称 泥質干潟の改善方法
発明の概要

【課題】干潟の泥中の硫化水素を除去し得る泥質干潟の改善方法を提供する。
【解決手段】泥質干潟の改善方法は、熱風乾燥しタンパク質を消失させて多孔質状にしたカキ殻を干潟の泥に鋤き込み、泥中の硫化水素をカキ殻に吸着させて除去する。また、少なくとも表面の一部が酸化カルシウムに変性したカキ殻を用い、吸着させた硫化水素を分解させて除去する。底生生物に対して毒性の高い硫化水素が除去されるので、底生生物の生育が促進され、食物連鎖のバランスが改善されることにより、干潟本来の水質浄化作用の発揮にもつながる。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


干潟には微生物から大型動物、更には渡り鳥が訪れるなど、多様な生物が生息し、それらの食物連鎖により物質が循環することで水質浄化作用を果たすことが知られている。



干潟は人間の生活域の下流部に位置するため、常に有機物の負荷がかかっている。有機物負荷量が多いと、有機物の分解のために酸素が消費されて嫌気条件になり、嫌気性菌である硫酸還元菌によって生産される硫化水素が蓄積する。特に、基底の粒径が小さいシルトから構成される泥質の干潟では、通水性が低く酸素が循環し難いことからその傾向は顕著となる。



硫化水素は生物に対する毒性が強く、硫化水素の蓄積により生物生息数が減少し、ほぼ無生物になった干潟さえある。このような干潟では上述の食物連鎖のバランスが崩れるとともに、干潟の水質浄化作用の喪失にもつながる。



これまで有機物含量が多い干潟では、覆砂や耕耘による干潟の泥質改善が行われてきた。覆砂では、シルト質の原地盤にやや粒径の大きい砂を被せることで底泥中の物質の溶出を抑制する物理的効果のみであり、砂の下の底泥そのものの改善につながらず、逆に通水性を悪化させてしまうおそれがある。また、耕耘は労力及びコストがかかる上、効果の持続性が乏しい。



更には、干潟に撒布して泥質を改善する水質改善材等が知られている(例えば、特許文献1乃至3)。



特許文献1では、黄土粉末、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化第2鉄、カーボン、カキ殻等の貝殻粉末を含有する水質改善材について開示されている。この水質改善材を汚水に撒布することで、水質改善材に含まれる成分と汚水の無機燐をアルミニウム結合燐、鉄結合燐の形で沈殿させ、汚水中の燐を減らし、汚水中の酸素溶存度を高めて、窒素や硫化水素を除去し、富栄養化を抑えて水質を改善する。



また、非特許文献1では、カキ殻粉末を干潟に撒布し、底生生物相に及ぼす影響について検証されている。



また、非特許文献2には、熱風乾燥処理を施したカキ殻と硫化水素を含む水溶液とを混合すれば、カキ殻に硫化水素が吸着し、水溶液中の硫化水素濃度が低下することが報告されている。

産業上の利用分野


本発明は、泥質干潟の改善方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
熱風乾燥しタンパク質を消失させて多孔質状にしたカキ殻を干潟の泥に鋤き込み、
泥中の硫化水素を前記カキ殻に吸着させて除去する、
ことを特徴とする泥質干潟の改善方法。

【請求項2】
少なくとも表面の一部が酸化カルシウムに変性した前記カキ殻を用い、吸着させた硫化水素を分解させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の泥質干潟の改善方法。

【請求項3】
200℃以上750℃以下の温度で熱風乾燥した前記カキ殻を用いる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の泥質干潟の改善方法。

【請求項4】
略平板状の最小寸法長さが5mm以上20mm以下の前記カキ殻を用いる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の泥質干潟の改善方法。

【請求項5】
泥に対し前記カキ殻を10体積%以上50体積%以下の比率で鋤き混む、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の泥質干潟の改善方法。
産業区分
  • 衛生設備
  • 処理操作
  • その他無機化学
  • 土工
  • 廃棄物処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 審査請求前


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