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有機ハロゲン化合物を含有する固体の無害化方法及び有機ハロゲン化合物無害化剤 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P120008185
整理番号 PUH093
掲載日 2012年11月1日
出願番号 特願2010-279188
公開番号 特開2011-161218
登録番号 特許第5278834号
出願日 平成22年12月15日(2010.12.15)
公開日 平成23年8月25日(2011.8.25)
登録日 平成25年5月31日(2013.5.31)
優先権データ
  • 特願2010-006074 (2010.1.14) JP
発明者
  • 三苫 好治
  • 宮田 秀明
出願人
  • 公立大学法人県立広島大学
発明の名称 有機ハロゲン化合物を含有する固体の無害化方法及び有機ハロゲン化合物無害化剤 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】温和な操作条件で少ないエネルギー消費量ながら処理効率に優れる有機ハロゲン化合物を含有する固体の無害化方法を提供する。
【解決手段】有機ハロゲン化合物を含有する固体と電子供与体である金属粒子とを接触させ前記有機ハロゲン化合物を還元し無害化する。このとき前記金属粒子の少なくとも一部はナノサイズの粒子を使用する。ナノサイズの粒子を含む金属粒子は、固形状の金属と水吸脱着剤及び/又は多孔質無機材との混合物を、固形状の金属の少なくとも一部がナノサイズとなるまで粉砕し得られる、金属粒子を水吸脱着剤及び/又は多孔質無機材中に分散させた金属分散体とすることで高い活性を維持することができる。
【選択図】図2

従来技術、競合技術の概要


ダイオキシン類、PCBなど残留性有機汚染物質(POPs:Persistent Organic Pollutants)及び/又は揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)に汚染された土壌を無害化する処理方法として、化学的あるいは生物学的手法による処理方法が多く研究開発されている。化学的手法によるPOPsの分解については、これまでラボレベルで多くの脱塩素化法が開発されているが、残念ながらそれを直接フィールドに利用できない場合が多い。理由の1つは、土壌などのヘテロな固相中に吸着されたPOPsと分解剤の効率的接触が困難であり、かつ共存する物質、例えば水分等の影響を受けて分解剤が失活するからである。



実用化された技術に目を向けると、間接加熱酸化分解法、ジオスチーム工法、溶剤抽出法、バイオレメディエーション法などがよく知られている。しかし間接加熱酸化分解法やジオスチーム工法は、加熱を伴うために単位処理量当たりに投入するエネルギー量が莫大で高コストとなる。他方、処理温度を抑えた溶剤抽出法は、抽出効率を上げるため高沸点の炭化水素系溶剤を加えるために対象物からの溶剤の完全分離が困難となる。バイオレメディエーション法では、分解に時間が掛かること、最適分解条件の制御に手間が掛かること、さらには分解可能な対象物に制限があるために他法と組み合わせる必要がある。VOCによって汚染された土壌に水と接触し発熱する生石灰などからなるホットソイル(登録商標)を添加、混合し、発生する水和熱によってVOCを揮発、分離させて汚染土壌を浄化させるホットソイル法は、POPsの分解を行うことはできない。



この他、メカノケミカル法では、遊星ボールミルの衝撃波により固相中のPOPsをほぼ常温で無害化可能であるが、分解補助剤の酸化カルシウムの添加量が被処理物の数~数十倍に達し、低濃度になるほどミル処理効率が低下する(例えば非特許文献1参照)。また実質、酸化カルシウムを還元剤としたメカノケミカル法は、最終的な廃棄物の量が多くなり実用的とは言い難い。



これらに対して本発明者は、金属カルシウムを利用する新規なPOPs分解技術を見出し99%以上の高い処理効率を達成した(例えば非特許文献2参照)。この方法は、アルコール共存下で金属カルシウムを電子源として活用する湿式反応である(例えば特許文献1参照)。この処理方法は有用な方法であるが、可燃性の低級アルコールを使用するため、より安全で低コストな処理方法が求められた。このためアルコールを使用することなく遊星ボールミルを用い、外部から脱塩素反応に必要なエネルギーをミルを通じて供給する方法を開発した。この方法を用い、常温下でダイオキシン含有焼却灰を処理し、3000~5000pgTEQ/gの初期濃度を検出下限界値(0.1pgTEQ/g)まで無害化することに成功した(例えば非特許文献3参照)。

産業上の利用分野


本発明は、ダイオキシン類に代表される有機ハロゲン化合物を含有する土壌、焼却灰、焼却飛灰、汚泥などの固体を無害化する有機ハロゲン化合物を含有する固体の無害化方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
有機ハロゲン化合物を含有する固体と薬剤とを接触させ、前記薬剤により前記有機ハロゲン化合物を還元し無害化する、メカノケミカル処理によらない有機ハロゲン化合物を含有する固体の無害化方法であって、
前記薬剤が、少なくとも一部はナノサイズの金属カルシウムを水分調整機能を有し水素源として作用する水を吸着する酸化カルシウム中に分散させた金属分散体であり、前記金属カルシウムが電子供与体として作用することを特徴とする有機ハロゲン化合物を含有する固体の無害化方法。

【請求項2】
前記金属分散体は、固形状の金属カルシウム酸化カルシウムとの混合物を、固形状の金属カルシウムの少なくとも一部がナノサイズとなるまで粉砕し得られることを特徴とする請求項1に記載の有機ハロゲン化合物を含有する固体の無害化方法。

【請求項3】
前記金属分散体は、ナノサイズの金属カルシウムの表面を前記酸化カルシウムがコーティングし、酸化カルシウムが、ナノサイズの金属カルシウムの大部分が酸素、二酸化炭素又は水と直接接触することを阻止することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機ハロゲン化合物を含有する固体の無害化方法。

【請求項4】
さらに水素源であるアルコール及び/又は有機酸等を共存させ、前記有機ハロゲン化合物を還元し無害化することを特徴とする請求項1からのいずれか1に記載の有機ハロゲン化合物を含有する固体の無害化方法。

【請求項5】
前記有機ハロゲン化合物を含有する固体は、土壌、焼却灰、焼却飛灰、汚泥又はこれらの混合物であり、
前記アルコール及び/又は有機酸等は、土壌、焼却灰、焼却飛灰、汚泥又はこれらの混合物に含まれているアルコール及び/又は有機酸等であることを特徴とする請求項に記載の有機ハロゲン化合物を含有する固体の無害化方法。

【請求項6】
前記有機ハロゲン化合物を含有する固体に含まれる水分量が所定の値を越えるときは、前記有機ハロゲン化合物の無害化の処理に先立ち、該固体に水分調整剤を加え、該固体に含まれる水分量を所定の値以下とする水分調整を行うことを特徴とする請求項1からのいずれか1に記載の有機ハロゲン化合物を含有する固体の無害化方法。

【請求項7】
前記有機ハロゲン化合物が、残留性有機汚染物質及び/又は揮発性有機化合物であることを特徴とする請求項1からのいずれか1に記載の有機ハロゲン化合物を含有する固体の無害化方法。

【請求項8】
さらに前記有機ハロゲン化合物を無害化するときに発生する揮発性有機化合物の蒸気を吸着材に吸着させ、
該吸着材と電子供与体である金属粒子とをメカノケミカル処理し、又は該吸着材とプロトン性溶媒に少なくとも一部は溶解し電子移動による還元力を有する金属とプロトン性溶媒とを混合し、揮発性有機化合物を無害化する工程を含むことを特徴とする請求項に記載の有機ハロゲン化合物を含有する固体の無害化方法。

【請求項9】
有機ハロゲン化合物を含有する固体と接触させ前記有機ハロゲン化合物を還元し無害化させる、少なくとも一部はナノサイズの金属カルシウムを水分調整機能を有し水素源として作用する水を吸着する酸化カルシウム中に分散させた金属分散体からなる有機ハロゲン化合物無害化剤。
産業区分
  • その他衛生
  • 処理操作
  • 衛生設備
  • 廃棄物処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010279188thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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