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NaV2チャネル遺伝子欠損非ヒト動物 外国出願あり

国内特許コード P120008252
掲載日 2012年11月19日
出願番号 特願2010-177792
公開番号 特開2010-284169
登録番号 特許第4883656号
出願日 平成22年8月6日(2010.8.6)
公開日 平成22年12月24日(2010.12.24)
登録日 平成23年12月16日(2011.12.16)
優先権データ
  • 特願2000-237320 (2000.8.4) JP
  • 特願2000-241637 (2000.8.9) JP
発明者
  • 野田 昌晴
  • 渡辺 英治
出願人
  • 大学共同利用機関法人自然科学研究機構
発明の名称 NaV2チャネル遺伝子欠損非ヒト動物 外国出願あり
発明の概要

【課題】塩分過剰摂取実験モデル動物として有用な、水分充足条件下では野生型と同様な食塩の摂取挙動を示し、水分飢餓条件下では野生型に比べ多量の高張塩分の摂取挙動を示すヌル変異非ヒト動物、例えばNaV2チャネル遺伝子欠損非ヒト動物を提供すること。
【解決手段】ラットNaGcDNAをプローブとして、マウスのゲノムDNAライブラリーをスクリーニングし、ゲノムDNAのNaV2遺伝子を単離し、NaV2のエキソン部分に、ネオ遺伝子等マーカー遺伝子を挿入してターゲットベクターを作製し、作製されたターゲットベクターをES細胞に導入し、相同的組換えを起こしたES細胞を選択し、このES細胞系を用いて生殖系列のキメラマウスを作製し、野生型マウスと交配させることによって得られるヘテロ接合体マウス同士を交配させることによってNaV2ノックアウトマウスを作製する。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


電位依存性ナトリウムチャネルは、電位依存性カリウムチャネルとともに、神経細胞、筋肉細胞等の興奮性細胞において活動電位の発生と伝播に中心的役割を担うイオンチャネルとして知られている。ナトリウムチャネルタンパク質は、電位検出系をもつイオン選択的チャネルを構成し、270kDaの糖タンパク質からなるα-サブユニットと、1つ又は2つのより小さいβ-サブユニットから構成されている。電位依存性ナトリウムチャネルは、細胞膜が静止電位(通常-70~-90mV)にある時は閉じているが、細胞膜が脱分極するとチャネルが開き、1msec程度の後にチャネルが閉じることから、ナトリウムチャネルタンパク質分子は、膜電位を感受する電位センサーとそれに連動して動く活性化依存性、ナトリウムイオンを選択的に透過するための選択性フィルター、及び不活性化依存性を構成しているといわれている。



本発明者等による脳のナトリウムチャネルタンパク質α-サブユニットcDNAタイプI、II及びIIIの同定(非特許文献1、2)以来、多くの構造的に関連するα-サブユニットのアイソフォームが各種の組織からクローニングされており、これらは多重遺伝子族を形成している。最近になって興奮性細胞のほかにも、グリア細胞もまた電位感受性ナトリウム電流を発現することが見出され(非特許文献3)、in situハイブリダイゼーション、RT-PCR、ノーザンブロット及び免疫細胞化学などの手法によって、グリア細胞における脳-タイプI、II、III、H1、NaS、NaCH6等の存在が報告されている(非特許文献4)。しかし、いわゆる電気的に非興奮性の細胞における電位依存性ナトリウムチャネルの機能は解明されていない。



数年前、電位依存性ナトリウムチャネルα-サブユニットと相同性のある部分cDNAがラット星状膠細胞に由来するcDNAライブラリーからクローニングされNaGと命名された(非特許文献5)。これに引き続き同様なα-サブユニットアイソフォームが各種の動物種から独立にクローニングされている。例えば、ヒトの心臓からのNaV2.1(非特許文献6)、マウスの動脈腫瘍細胞株からのNaV2.3(非特許文献7)及びNaGのスプライシングヴァリアントに相当するラットの脊髄神経節由来のSCL11が報告されている(非特許文献8)。これらは配列の相同性から、異なる種における対応する遺伝子(species ortholouges)とも考えられ、電位依存性ナトリウムチャネル(NaCh)α-サブユニットファミリーの中で異なるサブファミリーすなわちサブファミリー2NaCh(NaV2)に分類することができる。それらの全アミノ酸配列は、先にクローニングされた電位依存性ナトリウムチャネル群に比べ相同性が50%以下と低く、イオン選択性や電位依存性の活性化・不活性化に関連する領域においてすらもその配列は特異的である。それらの領域は他の全てのサブファミリーメンバーにおいては完全に保存されていることから、NaV2は特別なチャネル特性をもっていると考えられるが、機能的NaV2チャネルをアフリカツメガエル卵母細胞、CHO細胞、HEK293細胞などを用いる異種発現系で発現させる試みはこれまで成功しておらず、生体内におけるNaV2チャネルの機能については全くわかっていなかった。



NaG/SCL11は、星状膠細胞からクローンニングされたので、星状膠細胞で発現される電位依存性ナトリウムチャネル(NaCh)の1つと考えられてきたが、その後のin situハイブリダイゼーションによりNaV2は生体内では星状膠細胞に発現しておらずシュワン(Schwann)細胞及び脊髄感覚ニューロンにおいて発現していることが明らかにされた(非特許文献9)。NaGのmRNAは神経系以外、特に肺や心臓に比較的高レベルで検出され、さらに、NaGのmRNAが中枢神経系に存在することがRNaseプロテクション及びノーザンブロット法で示されたが、非同位体プローブを用いるin situハイブリダイゼーションによってはNaGのmRNAは中脳核V(mesencephalic nucleus V)以外において検出できないことが報告されている(非特許文献10)。このことから、NaGのmRNAは中枢神経系全体に低レベルで発現するか又は中枢神経系の特定の領域で限定的に発現しているであろうと考えられる。NaGチャネルがこのように幅広い組織、電気的に非興奮性の細胞を含む幅広い細胞種に分布していることから、NaGチャネルは活動電位の発生と伝播以外の機能があると考えられる。

産業上の利用分野


本発明は、水分充足条件下では野生型と同様な食塩の摂取挙動を示し、水分飢餓条件下では野生型に比べ多量の高張塩分の摂取挙動を示す、NaV2チャネル遺伝子機能が染色体上で欠損した非ヒト動物や、脳脊髄液及び血中の浸透圧をモニターする脳内神経細胞においてNaイオンレベルのセンサーとして作用するタンパク質や、それをコードする遺伝子等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(a)~(c)のいずれかのタンパク質の、細胞外Naイオンレベルのセンサーとしての使用:
(a)配列番号3に示されるアミノ酸配列からなり、かつ、脳脊髄液及び血中の浸透圧をモニターする脳内神経細胞においてNaイオンレベルのセンサーとして作用するタンパク質:
(b)配列番号3に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、脳脊髄液及び血中の浸透圧をモニターする脳内神経細胞においてNaイオンレベルのセンサーとして作用するタンパク質:(c)65℃でのハイブリダイゼーション、及び0.1×SSC,0.1%のSDSを含む緩衝液による65℃での洗浄処理を含むストリンジェントな条件下で、配列番号2に示される塩基配列の相補的配列からなるDNAとハイブリダイズするDNAによってコードされ、かつ、脳脊髄液及び血中の浸透圧をモニターする脳内神経細胞においてNaイオンレベルのセンサーとして作用するタンパク質。
産業区分
  • 畜産
  • 微生物工業
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中


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