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高分子多相系材料の製造方法および高分子多相系材料

国内特許コード P120008263
掲載日 2012年11月19日
出願番号 特願2006-013172
公開番号 特開2007-191648
登録番号 特許第5114703号
出願日 平成18年1月20日(2006.1.20)
公開日 平成19年8月2日(2007.8.2)
登録日 平成24年10月26日(2012.10.26)
発明者
  • 宮田 貴章
  • 中西 英行
  • 佐藤 雅浩
出願人
  • 国立大学法人京都工芸繊維大学
発明の名称 高分子多相系材料の製造方法および高分子多相系材料
発明の概要

【課題】光を用いて反応と相分離とを独立に制御することにより、階層構造を有する高分子多相系材料を製造する方法および階層構造を有する高分子多相系材料を提供する。
【解決手段】モノマーおよび/またはポリマーからなる群から選ばれる二種類以上の化合物に対して光を照射して、上記化合物を反応および相分離させることにより、第一の相分離材料を得る第一工程と、上記光を遮断して、上記反応を停止させるとともに第一の相分離材料の相分離をさらに進行させることにより、第二の相分離材料を得る第二工程と、上記第二の相分離材料に対して光を照射して、上記第二の相分離材料を反応および相分離させることにより、高分子多相系材料を得る第三工程と、を備える。その結果、階層構造を有する高分子多相系材料を得ることができた。
【選択図】図4

従来技術、競合技術の概要


相互侵入高分子網目(Interpenetrating Polymer Network;以下「IPN」という)とは、2個以上の網目(高度に分岐し、多数の閉じた経路(ループ)を持つ高分子)が少なくとも分子スケールで部分的に織り混ざっており、互いに共有結合でつながっているわけではないが、化学結合を切ることなしに分けることのできないポリマーをいう。IPNは、通常、熱反応によるモノマーの重合・架橋によって合成され、反応の途中で反応系の相分離が引き起こされる。その後、誘発された相分離は反応とともに進行し、最終的なIPNのモルフォロジーは反応と相分離との競合によって決定される。



反応系の相分離が起こると、通常、熱反応の進行とともにIPNの構造は粗大化していくが、まれに相分離が不均一に起こり、階層構造が形成されることがある(非特許文献1)。階層構造とは、相分離によって形成された相の中にさらに別の相が形成された構造をいう。例えば、生物の軟骨はコラーゲンやプロテオグリカンなどの高分子物質の三次元の階層構造から成っており、複数の物質が複雑に相互作用することによって、多面性のある生物らしい仕組みや構造を形作っていることが知られている。

【非特許文献1】Xiaolin Tang, Linxia Zhang, Tao Wang, Yingfeng Yu, Wenjun Gan, Shanjun Li., Macromolecular rapid communications, 25, 1419-1424、2004

産業上の利用分野


本発明は、高分子多相系材料の製造方法および高分子多相系材料に関するものであり、特に、光を用いて反応と相分離とを独立に制御することにより、階層構造を有する高分子多相系材料を製造する方法および階層構造を有する高分子多相系材料に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
モノマーおよび/またはポリマーからなる群から選ばれる二種類以上の化合物に対して光を照射して、上記化合物を重合および/または架橋させ、かつ、上記重合および/または架橋した化合物を相分離させることにより、第一の相分離材料を得る第一工程と、
昇降温によって反応系の温度を変化させることなく、上記光を遮断して、上記重合および架橋を停止させ、かつ、第一の相分離材料の相分離をさらに進行させることにより、第二の相分離材料を得る第二工程と、
昇降温によって反応系の温度を変化させることなく、上記第二の相分離材料に対して光を照射して、上記第二の相分離材料を重合および/または架橋させ、かつ、上記重合および/または架橋した第二の相分離材料をさらに相分離させることにより、高分子多相系材料を得る第三工程と、を備えることにより、階層構造を有する高分子多相系材料を得ることを特徴とする、階層構造を有する高分子多相系材料の製造方法。

【請求項2】
上記二種類以上の化合物が、スチレンおよびメチルメタクリレートもしくはポリメチルメタクリレート、または、ポリスチレンおよびメチルメタクリレートもしくはポリメチルメタクリレートであることを特徴とする請求項1に記載の階層構造を有する高分子多相系材料の製造方法。

【請求項3】
上記第一工程における光の強度と、上記第三工程における光の強度とが等しいことを特徴とする請求項1または2に記載の階層構造を有する高分子多相系材料の製造方法。

【請求項4】
上記光の強度が0.01mW/cm以上0.5mW/cm以下であることを特徴とする請求項3に記載の階層構造を有する高分子多相系材料の製造方法。

【請求項5】
上記第三工程における光の強度が、上記第一工程における光の強度より強いことを特徴とする請求項1または2に記載の階層構造を有する高分子多相系材料の製造方法。

【請求項6】
上記第一工程における光の強度が0.01mW/cm以上0.5mW/cm以下であり、上記第三工程における光の強度が0.5mW/cmより大きく10mW/cm以下であることを特徴とする請求項5に記載の階層構造を有する高分子多相系材料の製造方法。

【請求項7】
上記第二工程における光の遮断時間が、上記重合および/または架橋した化合物の相分離が開始した時から、第一の相分離材料の相分離速度が減少し始めた時までの時間であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の階層構造を有する高分子多相系材料の製造方法。

【請求項8】
モノマーおよび/またはポリマーからなる群から選ばれる二種類以上の化合物を、光を用いて重合および/または架橋させてなり、かつ、上記重合および/または架橋した化合物が相分離した構造を備え、
上記相分離した構造が、さらに階層構造を備えていることを特徴とする高分子多相系材料。

【請求項9】
上記二種類以上の化合物が、スチレンおよびメチルメタクリレートもしくはポリメチルメタクリレート、または、ポリスチレンおよびメチルメタクリレートもしくはポリメチルメタクリレートであることを特徴とする請求項8に記載の高分子多相系材料。

【請求項10】
さらに共連続構造を備えることを特徴とする請求項8または9に記載の高分子多相系材料。
産業区分
  • 高分子化合物
  • 省エネルギー
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006013172thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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