TOP > 国内特許検索 > ウエストナイルウイルス構造蛋白質特異的モノクローナル抗体、および該モノクローナル抗体を用いたウエストナイルウイルス感染の判定方法

ウエストナイルウイルス構造蛋白質特異的モノクローナル抗体、および該モノクローナル抗体を用いたウエストナイルウイルス感染の判定方法 新技術説明会

国内特許コード P120008321
掲載日 2012年11月26日
出願番号 特願2011-066253
公開番号 特開2012-200172
登録番号 特許第5737687号
出願日 平成23年3月24日(2011.3.24)
公開日 平成24年10月22日(2012.10.22)
登録日 平成27年5月1日(2015.5.1)
発明者
  • 清水 眞也
  • 広田 次郎
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 ウエストナイルウイルス構造蛋白質特異的モノクローナル抗体、および該モノクローナル抗体を用いたウエストナイルウイルス感染の判定方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】ウエストナイルウイルス(WNV)感染を迅速かつ高精度に判定できる方法を提供すること。
【解決手段】ウエストナイルウイルス(WNV)の構造蛋白質であるエンベロープ蛋白質(E)またはプレメンブレン蛋白質(PrM)を特異的に認識するモノクローナル抗体、および該モノクローナル抗体と被験血清を同時に固相に加える競合ELISAによるWNV感染の判定方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


ウエストナイルウイルス(WNV)感染症は、人獣共通感染症として世界的に蔓延している感染症である。WNVは日本脳炎ウイルス(JEV)血清型群に属するウイルスであり、同群のウイルス間では高い共通抗原性を有することが知られている。このため、JEV血清型群ウイルス感染血清は、血清診断においてJEV血清型群に属する異なったウイルス種間で高頻度に交差反応が生じうる。北米ではセントルイス脳炎ウイルス(SLEV)、オセアニアではマレーバレー脳炎ウイルス(MVEV)とJEV、そして日本を含む東アジアにはJEVが蔓延しており、WNVが日本において発生した場合には、交差反応により正確な診断が難しいため、両者を区別する判定法の開発が期待されている。また、個体からウイルスを分離できる期間が通常1週間以内と短く、さらに抗体が上昇し始めた個体ではウイルスは検出されないことから、ウイルス分離法やPCRによる遺伝子増幅法は適用時期が限られてしまうため、そのような制約のない血清診断法への期待がより高まっている。



現在WNV感染症の血清診断法としては、中和法、赤血球凝集阻害反応法、IgG indirect ELISA、Epitope Blocking ELISA、IgM antibody capture ELISAなどが用いられている(非特許文献1)。これらの中で、中和法、赤血球凝集阻害反応法、IgG indirect ELISAは近縁のフラビウイルスに感染した動物の血清では広範な交差反応が生ずることが知られており(非特許文献1~5)、複数のフラビウイルス感染症が蔓延している地域では正確な血清診断が難しい。



これに対し、IgM antibody capture ELISAおよびEpitope Blocking ELISAは特異的な診断が可能である。IgM antibody capture ELISAは血清中の、感染後早期に産生されるウイルス特異的IgM抗体を検出する手法である。IgM antibody capture ELISAは比較的交差反応性が低いが、複数のウイルスに感染した際には、幅広いウイルスに反応するIgM抗体が産生されるため特異的な診断が困難である。また、JEVワクチンを接種されたウマでは、WNVに感染してもWNV特異的IgM抗体の産生が短期間で終わるか、産生されない例が報告されており(非特許文献6)、IgM antibody capture ELISAによる検出には限界がある。また、Epitope Blocking ELISAはモノクローナル抗体と検体中のウイルス特異的抗体のエピトープ競合を利用した診断法であり、WNVのNon-structure protein 1(NS1)に対するモノクローナル抗体を用いたWNV特異的Epitope Blocking ELISAが開発されている(非特許文献7、8;特許文献1)。しかしながら、この方法は、通常不活化ワクチンには含まれないNS1がターゲット抗原となるので、ワクチン接種後の抗体価検査等には使用できない。また、現在使用されているモノクロ-ナル抗体は、現在問題となっているWNV NY99株ではなく、WNV Kunjin株抗原から作製されているため、異なる株での感度の低下が起こりうる。

産業上の利用分野


本発明は、ウエストナイルウイルス(以下、「WNV」と称することもある)の構造蛋白質であるエンベロープ蛋白質(E)またはプレメンブレン蛋白質(PrM)を特異的に認識するモノクローナル抗体、および該モノクローナル抗体を用いたウエストナイルウイルス感染の判定方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ハイブリドーマSHW-23H11株(FERM BP-11308)によって産生される、ウエストナイルウイルス(WNV)のエンベロープ蛋白質(E)を特異的に認識し、他のフラビウイルスとの交差反応性が低いモノクローナル抗体。

【請求項2】
ハイブリドーマSHW-29C2株(FERM BP-11309)またはハイブリドーマSHW-31B2株(FERM BP-11310)によって産生される、ウエストナイルウイルス(WNV)のプレメンブレン蛋白質(PrM)を特異的に認識し、他のフラビウイルスとの交差反応性が低いモノクローナル抗体。

【請求項3】
ウエストナイルウイルス(WNV)が、WNV NY99株、WNV Kunjin株、WNV g2266 株、またはWNV Eg101株である、請求項1または2に記載のモノクローナル抗体。

【請求項4】
他のフラビウイルスが、日本脳炎ウイルス(JEV)、マレーバレー脳炎ウイルス(MVEV)
、セントルイス脳炎ウイルス(SLEV)である、請求項1または2に記載のモノクローナル抗
体。

【請求項5】
ハイブリドーマSHW-23H11株(FERM BP-11308)。

【請求項6】
ハイブリドーマSHW-29C2株(FERM BP-11309)。

【請求項7】
ハイブリドーマSHW-31B2株(FERM BP-11310)。

【請求項8】
被験血清と請求項1~のいずれかに記載のモノクローナル抗体とをWNV抗原に競合反応させるステップを少なくとも含む、ウエストナイルウイルス(WNV)感染の判定方法。

【請求項9】
ウエストナイルウイルス(WNV)感染の判定方法であって、以下のステップ:
(a) WNV抗原を固相に固定化させるステップ;
(b) 被験血清と請求項1~のいずれかに記載のモノクローナル抗体とを前記固相に添加し、固定化したWNV抗原に競合反応させるステップ;
(c) 前記モノクローナル抗体と反応する酵素標識抗マウスイムノグロブリン抗体を前記
固相に添加するステップ;
(d) 前記標識酵素の基質液を前記固相に添加するステップ;
(e) 前記基質液の発色の程度によって、被験血清に含まれる抗WNV抗体の有無を判定し
、それによって被験血清のWNV感染の有無を判定するステップ;
を含む上記方法。

【請求項10】
発色の程度を吸光度変化により測定する、請求項に記載の方法。

【請求項11】
被験血清に含まれる抗WNV抗体によって、前記モノクローナル抗体と固定化したWNV抗原との結合が阻害される割合(抗体結合阻害%)を算出するステップをさらに含む、請求項または10に記載の方法。

【請求項12】
抗体結合阻害%が下記式:
抗体結合阻害(%)=100-(被験血清の吸光度値/陰性血清の吸光度値)×100
で算出される、請求項11に記載の方法。

【請求項13】
請求項1~のいずれかに記載のモノクローナル抗体を用いて免疫学的測定法により、試料中のウエストナイルウイルス(WNV)を検出することを特徴とする、ウエストナイルウイルス(WNV)の検出方法。

【請求項14】
請求項1~のいずれかに記載のモノクローナル抗体を含む、ウエストナイルウイルス(WNV)感染判定用またはウエストナイルウイルス(WNV)検出用キット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close