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含酸素化合物の製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P120008365
掲載日 2012年11月29日
出願番号 特願2011-500638
登録番号 特許第5683451号
出願日 平成22年2月17日(2010.2.17)
登録日 平成27年1月23日(2015.1.23)
国際出願番号 JP2010052385
国際公開番号 WO2010095669
国際出願日 平成22年2月17日(2010.2.17)
国際公開日 平成22年8月26日(2010.8.26)
優先権データ
  • 特願2009-034633 (2009.2.17) JP
発明者
  • 葭田 真昭
出願人
  • 国立大学法人宇都宮大学
発明の名称 含酸素化合物の製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】目的外の過酸化物が生成しにくく、オゾン化の熱交換が効率よくできる、安全で反応効率の高い含酸素化合物の製造方法を提供すること。
【解決手段】酸素含有量が10%未満のオゾンを高圧二酸化炭素に溶解した状態で、有機化合物と共に細管状のオゾン化反応部に連続供給し、前記オゾンの熱分解による酸素の発生が抑制される条件で、前記オゾンと前記有機化合物を反応させてオゾニドを連続生成するオゾン化反応工程と、前記オゾン化反応工程に連続して設けられ、前記オゾン化反応工程で生成したオゾニドを細管状の分解反応部に連続供給して含酸素化合物を連続生成する分解反応工程とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


酸化反応は化学工業において、バルクケミカルからファインケミカルに至るまで最も多く利用される反応であり、数多く研究されている。



酸化反応に用いられる酸化剤は、最も安価な酸素から、硝酸、過酸化水素、金属酸化物と次第に高価な原料となって、種々の有用化合物製造に供せられている。



例えば、ナイロン66の原料であるアジピン酸は、シクロヘキサノール単独又はシクロヘキサノールとシクロヘキサノンとの混合物(KAオイル)を硝酸で酸化する方法により現在製造されている。これらの硝酸酸化では、温暖化係数が二酸化炭素の300倍以上と言われる亜酸化窒素(NO)やNOxが副生するため、それらを処理するために、高価な排ガス処理施設が必要となる。



これに対して、KAオイルはシクロヘキサンの触媒的酸素酸化を経て得られている点に着目し、この触媒反応を検討してシクロヘキサンから直接アジピン酸を得る方法が開発されている。このように最も安価な分子状酸素あるいは空気を用いることが工業的には理想的であるが、転化率、選択率が不十分であり未だ工業化には至っていない。



シクロヘキセンから過酸化水素水を用いて直接アジピン酸に酸化することも検討されている。収率もよく、過酸化水素は硝酸酸化の時のような有害な副生成物を排出しないものの、過酸化水素は硝酸よりもはるかに高価であり、未だ工業化には至っていない。



一方、シクロヘキセンをオゾン化した後、過酸化水素で処理することでアジピン酸が得られることが報告されている(非特許文献1)。オゾンは酸素に無声放電などを施すことにより得られ、またオゾンは反応性が非常に高くオゾン化反応は無触媒で行える。オゾニドの過酸化水素処理の代わりに、酸素酸化などでもカルボン酸に誘導できるので、シクロヘキセンのオゾン酸化によるアジピン酸製造をはじめとして、オゾン酸化は工業的酸化反応として、資源や廃棄物の点で非常に優れているものと考えられる。



しかし、有機化合物のオゾン酸化では「有機過酸化物が生じるので、常に爆発の危険性を念頭に置かなければならない」とされ(非特許文献2)、工業的な規模での反応はほとんど行われなかった。実験室での小規模の反応でも、オゾン化で生成するオゾニドを単離精製することは危険であるとされてきた。



そこで、オゾン酸化を安全に扱うために多くの検討がなされてきた。オゾン化の際に原料のオレフィンに脂肪酸を加え、不安定な目的外の過酸化物の生成速度を制御し、その過酸化物の生成割合をNMRでモニターすることで、オゾン化に続く酸素酸化分解の安全性を確保する方法(特許文献1)、オゾン化反応あるいはオゾニドを白金/水素を用いて還元処理した後に水蒸気蒸留して精製する方法(特許文献2)、マイクロリアクター中でオゾンと接触させることにより、オゾン化の反応熱を効率よく除去する方法(特許文献3)などが提案されている。



これら多くのオゾン化に用いられてきたオゾンガスは、酸素を原料としてオゾン発生機から得られる、オゾン含量が3%程度で残り97%は酸素の混合ガスである。二重結合へのオゾン化反応では、オゾンは二重結合に付加反応をして、モルオゾニドが生成した後、炭素-炭素結合の切断を含む組み換えが起こり、いわゆるオゾニドが生成すると考えられている(非特許文献3)。このモルオゾニドの組み換えが起こるときに、オゾンより過剰にある酸素がラジカルとなり不安定な目的外の過酸化物を生成し、反応を危険でかつ複雑なものにしていると考えられる。実際Stilleらは、オゾナイザーから出たオゾン酸素混合ガスをシリカゲルに通じてオゾンを選択的に吸着してオゾンを濃縮し、その後窒素ガスで脱着することで、酸素含有量が比較的少ないオゾンを用いた反応を行うことによって、副反応を劇的に減少させている(非特許文献4)。また、酸素を用いず二酸化炭素気流下にコロナ放電してオゾンを発生させ、酸素の影響を少なくしたオゾン酸化が提案されている(特許文献4)。

産業上の利用分野


本発明は、含酸素化合物の製造方法に関し、詳しくは、オゾンを用いた安全且つ効率のよい含酸素化合物の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
酸素含有量が10%未満の純度90%以上のオゾンを高圧二酸化炭素に溶解した状態で、有機化合物と共に細管状のオゾン化反応部に連続供給し、前記オゾンの熱分解による酸素の発生が抑制される条件で、前記オゾンと前記有機化合物を反応させてオゾニドを連続生成するオゾン化反応工程と、
前記オゾン化反応工程に連続して設けられ、前記オゾン化反応工程で生成したオゾニドを細管状の分解反応部に連続供給して含酸素化合物を連続生成する分解反応工程とを有することを特徴とする含酸素化合物の製造方法。

【請求項2】
前記細管状のオゾン化反応部は、曲線形状を含んでもよい管径1.0mm~30mmの範囲の細管で形成されることを特徴とする請求項1記載の含酸素化合物の製造方法。

【請求項3】
前記オゾンの熱分解による酸素の発生が抑制される条件は、前記オゾン化反応部に供給される前記オゾン、前記有機化合物及び前記高圧二酸化炭素からなる流体の流量を0.5mL/min~10.0mL/minの範囲に調整することであることを特徴とする請求項2記載の含酸素化合物の製造方法。

【請求項4】
前記オゾンの熱分解による酸素の発生が抑制される条件は、前記オゾン化反応部における前記オゾンの濃度を0.01M~0.5Mの範囲に調整することであることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の含酸素化合物の製造方法。

【請求項5】
高圧二酸化炭素中の各温度におけるオゾンの熱分解の経時変化の相関図において、各温度におけるオゾンの残存率が90%以上となる温度及び時間を、オゾン化反応部の温度及び反応時間として設定することを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の含酸素化合物の製造方法。

【請求項6】
前記有機化合物が末端オレフィン、環状オレフィン又は内部オレフィンであることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の含酸素化合物の製造方法。

【請求項7】
前記末端オレフィンが、一般式(1)で表されることを特徴とする請求項6記載の含酸素化合物の製造方法。
一般式(1)
【化3】



(式中、R,Rは同一または相異なり、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルデヒド基、炭素数1~30のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、炭素数2~5のアシル基、シクロアルキル基、アリール基を示し、これらのアルキル鎖は炭素数1~4のアルコキシ基、炭素数5~7のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルデヒド基、炭素数2~5のアシル基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。また、R,Rが一緒になって形成する5~7員環のシクロアルキル基あるいは複素環を示し、それらのシクロアルキル基あるいは複素環に別の3~7員環のシクロアルキルあるいは複素環が縮環してもよく、これらのアルキル鎖は独立に炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、炭素数5~7のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルデヒド基、炭素数2~5のアシル基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)

【請求項8】
前記環状オレフィンが、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項6記載の含酸素化合物の製造方法。
一般式(2)
【化4】



(式中、nは0~3の整数を示し、R,R,R,R,Rは同一または相異なり、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルデヒド基、イミド基、炭素数1~4のアルキル基またはアルケニル基、炭素数1~4のアルコキシ基、炭素数2~5のアシル基、または、隣接するもの同士が一緒になって形成する3~7員環のシクロアルキル基または複素環、アリール基、酸無水物、あるいは、RとR、RとR、又はRとRが炭素数1~3の炭素鎖で架橋されたものを示し、これらのアルキル鎖は独立に炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、炭素数5~7のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルデヒド基、炭素数2~5のアシル基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。)

【請求項9】
前記内部オレフィンが、シトロネロール又はフィトールからなる不飽和アルコール、シトロネラールからなる不飽和アルデヒド、オレイン酸又は菊酸からなる不飽和カルボン酸あるいはそのエステル、または天然ゴムあるいはポリイソプレンであることを特徴とする請求項6記載の含酸素化合物の製造方法。

【請求項10】
前記有機化合物が、β-ピネンであり、前記含酸素化合物が、ノピノンであることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の含酸素化合物の製造方法。

【請求項11】
前記有機化合物が、3-メチレン-4H-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フランであり、前記含酸素化合物が、4H-ヘキサヒドロフロ[2,3-b]フラン-3-オンであることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の含酸素化合物の製造方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • 処理操作
  • その他無機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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