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超高分子量ポリエチレン製フィルムの製造方法 新技術説明会

国内特許コード P120008367
掲載日 2012年11月29日
出願番号 特願2011-502798
登録番号 特許第5614746号
出願日 平成22年3月4日(2010.3.4)
登録日 平成26年9月19日(2014.9.19)
国際出願番号 JP2010053543
国際公開番号 WO2010101214
国際出願日 平成22年3月4日(2010.3.4)
国際公開日 平成22年9月10日(2010.9.10)
優先権データ
  • 特願2009-053163 (2009.3.6) JP
発明者
  • 上原 宏樹
  • 山延 健
  • 田村 拓也
出願人
  • 国立大学法人群馬大学
発明の名称 超高分子量ポリエチレン製フィルムの製造方法 新技術説明会
発明の概要 超高分子量ポリエチレン原料を用いてフィルムを成形する工程、前記工程で得られたフィルムを該超高分子量ポリエチレン原料の融点以上の温度でx軸およびy軸方向に二軸延伸処理する工程、および該x軸およびy軸の少なくとも一方の軸に沿って収縮処理する工程を含む、超高分子量ポリエチレン製フィルムの製造方法。これにより、引張り破断強度および引き裂き強度が高く、均一性に優れた超高分子量ポリエチレン製フィルムを、安価かつ効率的に製造することが可能である。
従来技術、競合技術の概要



超高分子量ポリエチレンはエンジニアリング・プラスチックの一種として分類されており、汎用プラスチックである高密度ポリエチレンに比べ分子量(粘度平均分子量:Mv)が100万以上ときわめて高い為に優れた機械物性を示すことが知られている。しかしながら、超高分子量ポリエチレンは溶融粘度が極めて高く、混練すること自体が難しい為、混練を伴う方法での成形は非常に困難である。





非特許文献1によれば、高分子材料の場合、一般的には高分子鎖の方向を揃える処理(配向処理)によって、力学物性を初めとする諸性質を向上させることができる。配向処理は成形物の形状によって様々なものがあるが、フィルムやシート状の場合、最も効果的なものは引張延伸であるといわれている。一般的に使用されている高密度ポリエチレンは、固相状態でも分子鎖の絡み合いがとき解れる為、比較的簡単に分子配向を付与することができるが、超高分子量ポリエチレンの場合、分子鎖の長さに起因して分子鎖絡み合い密度が高くなり、配向処理を施して物性を向上させることは難しい。

したがって、超高分子量ポリエチレンの場合は、物性向上のために分子量を更に上げることにより、逆に成形性は劣る傾向を示す為、超高分子量ポリエチレンの更なる高分子化による究極の物性発現には至っていない。





近年、超高分子量ポリエチレンを用いたインフレーション成形技術に関する研究成果が特許文献1により報告されている。この方法により得られるフィルムの物性は、超高分子量ポリエチレンの代表的な成形手法である圧縮成形からフィルムを削り出すスカイブ法に比べ高強度なフィルムが得られることが確認されている。これまで成形が難しく成形品としての物性が得られにくいとされていた超高分子量ポリエチレンも、加工技術により成形が向上することができるようになり、これまで見出せなかった非常に高い物性を発現する可能性が見出されてきている。

しかしながら、上記のインフレーションフィルムにおいては、粘度平均分子量のレベルも100万程度である為、これ以上の粘度平均分子量の超高分子量ポリエチレンを同じように成型加工しようとした場合に、モータ負荷が掛かりすぎて押出せないか、あるいは強制的に押出すと溶融混練時に分子鎖切断による劣化が起こり、分子量の低下により本来の物性を発現することが出来なくなる為、100万以上の超高分子量ポリエチレンの成形にはまだ問題を残すところが多い。

また、スカイブ法で得られた超高分子量ポリエチレンフィルムの厚さは最も薄いものでも100μm程度であり、リチウムイオン電池セパレーター等に用いるには厚すぎるため、より薄く、かつ、引張り強度や引き裂き強度に優れるフィルムおよびその製造方法が望まれていた。





高配向化によって高物性の超高分子量ポリエチレン材料を得る為には、分子鎖絡み合いを減少させて超延伸させる方法がある。この方法として表面成長繊維延伸法、単結晶マット延伸法、ゲル延伸法、重合粉末延伸法などが挙げられる。

一方、逆に分子鎖の絡み合いを利用して溶融状態で延伸する溶融延伸法がある。これは超高分子量ポリエチレンのような分子鎖の絡み合いが多く、溶融状態でもゴム弾性を示す特徴を利用した延伸方法である。この場合、絡み合い点が延伸応力を伝達する為、分子鎖が配向することが可能となる。超高分子量ポリエチレンが融点以上の温度において高倍率まで延伸できる理由は、溶融延伸過程で一部の分子鎖絡み合いが解きほぐれる為と考えられている。しかしながら、超高分子量ポリエチレンの分子量が高くなるにつれて分子鎖の絡み合いがさらに多くなり、均一なシート状成形体を作成することが困難であった。





特許文献2には、超高分子量ポリエチレン重合体粉末から該ポリエチレン重合体粉末の融点を超える温度でポリエチレン製フィルムを直接成形した後、得られたポリエチレン製フィルムをその融点以上の温度で延伸成形し、引張り弾性率(24℃)が25GPa以上のポリエチレン製成形体を得ることを特徴とする超高分子量ポリエチレン製成形体の製造方法が提案されている。しかしながら、ここでは一軸延伸しか開示されておらず、得られる超高分子量ポリエチレン製フィルムの物性については強度や均一性の点で改善の余地があった。

産業上の利用分野



本発明は、引張り破断強度および引き裂き強度が高く、均一性に優れた超高分子量ポリエチレン製フィルムを、安価かつ効率的に製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
超高分子量ポリエチレンを用いてフィルムを成形する工程、前記工程で得られたフィルムを136~165℃でx軸およびy軸方向に二軸延伸処理する工程、および該x軸およびy軸の少なくとも一方の軸に沿って136~165℃で収縮処理する工程を含む、超高分子量ポリエチレン製フィルムの製造方法。

【請求項2】
超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量が100万~1200万である、請求項1に記載の超高分子量ポリエチレン製フィルムの製造方法。

【請求項3】
二軸延伸処理が145~155℃で行われる、請求項1または2に記載の超高分子量ポリエチレン製フィルムの製造方法。

【請求項4】
収縮処理が140~155℃で行われる、請求項1~3のいずれか一項に記載の超高分子量ポリエチレン製フィルムの製造方法。

【請求項5】
収縮処理をx軸およびy軸の二軸に沿って行う、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。

【請求項6】
収縮処理後にフィルムを熱処理する工程をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。

【請求項7】
収縮処理後あるいは前記熱処理後にx軸およびy軸の少なくとも一方の軸に沿って再延伸を行う工程をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。

【請求項8】
さらに、収縮処理、熱処理、および/または再延伸処理を繰り返す、請求項7に記載の方法。

【請求項9】
さらに開孔処理を行う工程を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の超高分子量ポリエチレン製フィルムの製造方法。

【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法により得られる超高分子量ポリエチレン製フ
ィルム。

【請求項11】
超高分子量ポリエチレン製フィルムの引張り破断強度および引き裂き強度の少なくとも一方を高める方法であって、超高分子量ポリエチレンを用いて成形されたフィルムを136~165℃でx軸およびy軸方向に二軸延伸処理する工程、および該x軸およびy軸の少なくとも一方の軸に沿って136~165℃で収縮処理を行う工程を含む方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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