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生分解性多孔質中空微粒子、その製造方法および用途 コモンズ

国内特許コード P120008369
掲載日 2012年11月29日
出願番号 特願2011-502817
登録番号 特許第5574445号
出願日 平成22年3月5日(2010.3.5)
登録日 平成26年7月11日(2014.7.11)
国際出願番号 JP2010053626
国際公開番号 WO2010101240
国際出願日 平成22年3月5日(2010.3.5)
国際公開日 平成22年9月10日(2010.9.10)
優先権データ
  • 特願2009-053149 (2009.3.6) JP
発明者
  • 小野 努
  • 木村 幸敬
  • 村中 誠
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 生分解性多孔質中空微粒子、その製造方法および用途 コモンズ
発明の概要 本発明は、孔径等の性状を制御しやすく、中空部を有する新規な形態の多孔質微粒子を製造することができる方法を提供する。すなわち、本発明は、所定の脂肪族ポリエステル樹脂(ポリ乳酸等)由来の部位と親水性高分子(ポリエチレングリコール等)由来の部位とからなるジブロック共重合体と有機溶媒と水とを乳化ないし混合する工程を含む、上記ジブロック共重合体により形成された多孔質微粒子の製造方法を提供する。上記水の量を上記有機溶媒に対する飽和溶解量以下とすることにより、中空部を有する多孔質微粒子が得られる。上記ジブロック共重合体中の親水性高分子由来の部位の長さを比較的長くする(HLB値を大きくする)ことにより、多孔質微粒子の細孔径を比較的大きくすることができる。また、上記ジブロック共重合体は、少なくとも2種(たとえば油溶性ジブロック共重合と水溶性ジブロック共重合体)を含有する混合物であってもよい。
従来技術、競合技術の概要



多孔質微粒子は、その多孔性および微小性により、たとえば徐放性を有する医薬製剤や農薬の基材として、あるいは酵素や触媒を固定化する担体などとして利用されている。特に、ポリ乳酸に代表される脂肪族ポリエステル系樹脂は、生分解性を有し、また生体親和性に優れることから、上記の用途において好適な素材といえる。





このような脂肪族ポリエステル系樹脂を用いて多孔質微粒子を製造する方法はいくつか知られている。

たとえば、非特許文献1には、ポリ乳酸、乳酸・グリコール酸共重合体、および乳酸・グリコール酸共重合体とポリエチレングリコールの混合物を用い、様々な条件下でW/O/Wエマルションを形成する、多孔質微粒子の調製法が記載されている。





非特許文献2には、ポリカプロラクトン、ポリエチレンオキシド、およびポリラクチドからなるトリブロックコポリマーを用いた多孔質微粒子の調製法が記載されている。

非特許文献3には、乳酸・グリコール酸共重合体を用いた化学的発泡による多孔質微粒子の調製法が記載されている。





しかしながら、いずれの方法によって得られた多孔質微粒子も、中空部分を多孔質のカプセル膜が覆っているような構造にはなっていない。また、脂肪族ポリエステル樹脂ブロックと親水性高分子ブロックとからなるジブロック共重合体により形成された多孔質微粒子もこれまでに知られていない。

産業上の利用分野



本発明は、脂肪族ポリエステル系樹脂(生分解性樹脂)により形成された多孔質微粒子およびその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(1) 構成成分のヒドロキシカルボン酸またはジカルボン酸の炭素原子数が2~6である脂肪族ポリエステル樹脂(A)由来のブロックと親水性高分子(B)由来のブロックとからなるジブロック共重合体(C)を、飽和溶解量以下の水を含んでいてもよい有機溶媒と混合する工程、および
(2)上記工程(1)の調製物と、水と、さらなるジブロック共重合体(C)との混合物を乳化することによりエマルションを形成させる工程
により調製される、上記ジブロック共重合体(C)により形成された中空部を有する多孔質中空微粒子の製造用のエマルションであって、
前記ジブロック共重合体(C)のGPCで測定した数平均分子量Mnが500~200,000の範囲にあり、重量平均分子量Mwが500~200,000の範囲にあり、かつ分子量分布Mw/Mnが1.00~2.00の範囲にあり、
前記工程(1)における前記ジブロック共重合体(C)として、HLB値が0.4以上12以下である油溶性ジブロック共重合体(C1)が用いられ、前記工程(2)における前記ジブロック共重合体(C)として、HLB値が8以上20未満でありかつ前記油溶性ジブロック共重合体(C1)よりもHLB値が少なくとも2大きい値を有する水溶性ジブロック共重合体(C2)が用いられる、上記エマルション。

【請求項2】
前記脂肪族ポリエステル樹脂(A)のGPCで測定した数平均分子量Mnが100~200,000の範囲にあり、重量平均分子量Mwが100~200,000の範囲にあり、分子量分布Mw/Mnが1.00~2.00の範囲にある、請求項に記載の多孔質中空微粒子製造用のエマルション。

【請求項3】
前記親水性高分子(B)のGPCで測定した数平均分子量Mnが100~200,000の範囲にあり、重量平均分子量Mwが100~200,000の範囲にあり、分子量分布Mw/Mnが1.00~2.00の範囲にある、親水性高分子(B)に由来するものである、請求項1または2のいずれかに記載の多孔質中空微粒子製造用のエマルション。

【請求項4】
前記脂肪族ポリエステル系樹脂(A)が、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロン酸およびポリブチレンサクシネートからなる群より選ばれる少なくとも1種の脂肪族ポリエステル樹脂である、請求項1~3のいずれかに記載の多孔質中空微粒子製造用のエマルション。

【請求項5】
前記親水性高分子(B)が、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル共重合体の部分加水分解物、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアスパラギン酸、多糖類、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムおよびそれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種の親水性高分子である、請求項1~4のいずれかに記載の多孔質中空微粒子製造用のエマルション。

【請求項6】
前記ジブロック共重合体(C)の構成比率が、前記脂肪族ポリエステル樹脂(A)由来のブロックの重合度100部に対して親水性高分子(B)由来のブロックの重合度が0.1~100,000部となる範囲である請求項1~5のいずれかに記載の多孔質中空微粒子製造用のエマルション。

【請求項7】
前記油溶性ジブロック共重合体(C1)100重量部に対して、前記水溶性ジブロック共重合体(C2)を100~1,000,000重量部の割合で用いる、請求項1~6のいずれかに記載の多孔質中空微粒子製造用のエマルション。

【請求項8】
(1)構成成分のヒドロキシカルボン酸またはジカルボン酸の炭素原子数が2~6である脂肪族ポリエステル樹脂(A)由来のブロックおよび親水性高分子(B)由来のブロックからなるジブロック共重合体(C)を、飽和溶解量以下の水を含んでいてもよい有機溶媒と混合する工程、
(2)上記工程(1)の調製物と、水と、さらなるジブロック共重合体(C)との混合物を乳化することによりエマルションを形成させ、請求項1~7のいずれかに記載のエマルションを調製する工程、および
(3)上記工程(2)により得られたエマルションから有機溶媒を留去することにより多孔質微粒子を形成させる工程を含む、上記ジブロック共重合体(C)により形成された中空部を有する多孔質中空微粒子の製造法であって、
前記ジブロック共重合体(C)のGPCで測定した数平均分子量Mnが500~200,000の範囲にあり、重量平均分子量Mwが500~200,000の範囲にあり、かつ分子量分布Mw/Mnが1.00~2.00の範囲にあり、
前記工程(1)における前記ジブロック共重合体(C)として、HLB値が0.4以上12以下である油溶性ジブロック共重合体(C1)が用いられ、前記工程(2)における前記ジブロック共重合体(C)として、HLB値が8以上20未満でありかつ前記油溶性ジブロック共重合体(C1)よりもHLB値が少なくとも2大きい値を有する水溶性ジブロック共重合体(C2)が用いられる、上記製造法。

【請求項9】
前記有機溶媒が、油溶性ジブロック共重合体(C1)を溶解し、エステル、エーテル、ケトン、芳香族化合物およびアルコールからなる群から選ばれた少なくとも1種の有機溶媒である、請求項に記載の多孔質中空微粒子の製造法。

【請求項10】
請求項もしくはに記載の製造方法により得られる中空部を有する多孔質中空微粒子であって、
前記中空部を有する多孔質中空微粒子の平均外径が10~100μmであり、その微粒子全体に存在する平均細孔径が0.1~1μmであり、かつ中空部の平均径が1~80μmである、多孔質中空微粒子。

【請求項11】
請求項10に記載の多孔質中空微粒子を用いた、除放性医薬用、除放性農薬用、固定化酵素・固定化微生物用、触媒用、動物細胞培養用または分離材料用の多孔質カプセル。
産業区分
  • その他無機化学
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011502817thum.jpg
出願権利状態 登録
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