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pH応答性リポソーム 新技術説明会

国内特許コード P120008391
整理番号 S2011-0722-N0
掲載日 2012年12月5日
出願番号 特願2011-103692
公開番号 特開2012-232949
登録番号 特許第5866724号
出願日 平成23年5月6日(2011.5.6)
公開日 平成24年11月29日(2012.11.29)
登録日 平成28年1月15日(2016.1.15)
発明者
  • 弓場 英司
  • 田島 直樹
  • 河野 健司
出願人
  • 公立大学法人大阪府立大学
発明の名称 pH応答性リポソーム 新技術説明会
発明の概要 【課題】pHに応答して内容物を放出でき、ひいては細胞の細胞質へ目的物質を効率的に送達できるリポソームを提供することを課題とする。
【解決手段】少なくとも1つのカルボキシル基を有するカルボキシル基含有多糖由来部分と疎水性部分とを有するpH応答性物質をリポソーム膜に保持してなることを特徴とするpH応答性リポソームにより、上記の課題を解決する。
【選択図】図12
従来技術、競合技術の概要


樹状細胞(Dendritic Cell: DC)は免疫系の司令細胞であり、取り込んだ外来物質(抗原)を他の免疫系の細胞に伝え、獲得免疫反応を起動させる役割(抗原提示)を果たしている。
近年、このDCを利用した免疫療法が注目を集めている。DCは、次の2種類の免疫を誘導できる。内在性抗原がプロセシングを受け、MHC(主要組織適合複合体)クラスI上に提示されて誘導される細胞性免疫と、外来性抗原がエンドソーム系でプロセシングを受け、MHCクラスII上に提示されて誘導される液性免疫である。
免疫療法の成功のためには細胞性免疫を誘導することが必要であるが、多くの場合、抗原タンパク質をDCに導入してもMHCクラスII上に提示されてしまう。
したがって、細胞性免疫を誘導するために、DCの細胞質へ抗原タンパク質を送達できる方法の開発が望まれている。



DCの細胞質へタンパク質を効率的に送達する方法として、pH応答性リポソームを用いることが知られている。この原理は、次のとおりである。細胞へのリポソームの取り込み経路がエンドサイトーシスであることが知られている。よって、細胞にリポソームが取り込まれると、リポソームはエンドソーム(エンドサイトーシスにより形成されるリソソームへの運搬小胞)に捕捉される。エンドソーム内は穏やかな酸性環境であるので、酸性条件下で膜融合性となり得るpH応答性リポソームを用いれば、リポソームがエンドソーム及びリソソームを不安定化するか及び/又はエンドソーム及びリソソームと融合して、リポソーム内容物を放出できる。



本発明者らは、以前に、サクシニル化ポリグリシドール(SucPG)、及びより疎水性の高い側鎖構造を有する3-メチルグルタリル化ポリグリシドール(MGluPG)などを有する修飾リポソームによる内包物の細胞内導入について検討を行ってきた(非特許文献1及び2)。SucPG及びMGluPGは、弱酸性条件下において側鎖カルボキシル基がプロトン化されることで疎水化し、膜融合性となるため、SucPG又はMGluPGで修飾したリポソームは、細胞内のエンドソームにおいて膜融合した。
実際に、モデルタンパク質としてオブアルブミン(OVA)を封入したMGluPGリポソームは、マウス樹状細胞由来株DC2.4細胞の細胞質にOVAを効率良く導入し、さらにMGluPGリポソームを用いて経粘膜免疫を行ったマウスからは、極めて高い細胞性免疫が誘導された(非特許文献3)。



しかし、ポリグリシドールは合成高分子であり、生体への応用を考えた場合に、好ましくない場合がある。

産業上の利用分野


本発明は、中性以上のpH条件下では安定であるが、穏やかな酸性条件下で膜融合性となって内包物を放出できるpH応答性リポソームに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
少なくとも1つのカルボキシル基を有するカルボキシル基含有多糖由来部分と疎水性部分とを有するpH応答性物質をリポソーム膜に保持してなり、
カルボキシル基含有多糖由来部分が、生体由来多糖とジカルボン酸とから得られるカルボキシル基含有半合成多糖に由来し、
生体由来多糖が、マンナン、デキストラン、ヒアルロン酸とカードランからなる群より選択され、
ジカルボン酸が、2-若しくは3-メチルグルタル酸及び1,2-、1,3-若しくは1,4-シクロヘキサンジカルボン酸からなる群より選択され、
カルボキシル基含有半合成多糖が、生体由来多糖が有するヒドロキシ基にエステル結合によりカルボキシル基を導入したものである、
pH応答性リポソーム。

【請求項2】
疎水性部分が、主鎖の炭素数が6~22で直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族基、及び環状部分の炭素数が合計で19~29の脂環式基(これらの脂肪族基及び脂環式基は、窒素原子、酸素原子などのヘテロ原子を有してもよく、不飽和結合を含有していてもよい)及びリン脂質に由来する基からなる群より選択される請求項1に記載のリポソーム。

【請求項3】
リポソームの膜を構成する脂質とpH応答性物質との重量比が、1:0.01~10である請求項1又は2に記載のリポソーム。

【請求項4】
請求項1~のいずれか1項に記載のリポソームと、薬剤とからなるpH応答性薬剤放出システム。

【請求項5】
薬剤が、抗原である請求項に記載のpH応答性薬剤放出システム。
産業区分
  • 高分子化合物
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011103692thum.jpg
出願権利状態 登録
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