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基板粒子または集積体、並びにこれらの製造方法

国内特許コード P120008415
整理番号 S2011-0388
掲載日 2012年12月19日
出願番号 特願2011-109811
公開番号 特開2012-240860
登録番号 特許第5779803号
出願日 平成23年5月16日(2011.5.16)
公開日 平成24年12月10日(2012.12.10)
登録日 平成27年7月24日(2015.7.24)
発明者
  • 和田 智志
出願人
  • 国立大学法人山梨大学
発明の名称 基板粒子または集積体、並びにこれらの製造方法
発明の概要 【課題】新規な集積体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の集積体は、基板粒子を集積した集積体である。また、前記基板粒子が単結晶からなり、前記集積体がヘテロエピタキシャル層を有する。ここで、単結晶およびヘテロエピタキシャル層の材質は、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム、チタン酸鉛、チタン酸ビスマス、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸ストロンチウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛、ジルコン酸ビスマス、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸リチウム、鉄酸ビスマス、酸化チタン、または酸化亜鉛から選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の混合物であることが好ましい。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


近年、人工構造を持った物質が高い圧電および誘電特性を発現することが報告されている。構造の異なる2つの物質がエピタキシャルな界面を持つとき、その界面には構造傾斜領域と呼ばれる領域があると考えられている。その構造傾斜領域は、2つの格子構造の間の整合性を保つような歪んだ構造を持ち、これが高い物性を発現する要因となっていると考えられている。



代表的なペロブスカイト型構造の圧電材料であるPZTセラミックスは、圧電特性や誘電特性が最大値を示す組成は、室温で正方晶構造と菱面体晶構造との組成層境界(MPB)領域である。このMPB領域において、低温における単斜晶構造の存在が発見されて以来(非特許文献1参照)、さらに研究が進められ、2相間の界面で正方晶構造から菱面体晶構造へ徐々に構造が変化する構造傾斜領域が存在することが明らかとなった(非特許文献2~4参照)。この構造傾斜領域おいて、分極回転機構がその概念として提案されており(非特許文献5,6参照)、構造傾斜領域の存在が圧電特性や誘電特性の増大の起源であると考えられる。



さらに、高い誘電特性がT. HarigaiらやD.G. Schlomらにより代表的な強誘電体のチタン酸バリウム(BaTiO3, BT)と常誘電体のチタン酸ストロンチウム(SrTiO3, ST)を用いた人工超格子薄膜において報告されている(非特許文献7~10参照)。この人工超格子構造は、江崎玲於奈氏によって提案された物質で、異なる物質を交互に積層させたものである。



近年の薄膜作製技術の進歩によって、薄膜の構造を原子層オーダーで制御することができるようになり、人工超格子が実際に作製されるようになった。分子線エピタキシー(MBE)法により作製されたこのBT/ST人工超格子薄膜ではBTおよびSTを10層積層させた薄膜で33,000もの巨大な非誘電率を示した(非特許文献9参照)。この異常なほど高い誘電特性は構造傾斜層が要因として考えられている。



また、STとジルコン酸ストロンチウムを用いた人工超格子薄膜も同様に10層積層したものが作製されたが、常誘電体どうしの積層であるにもかかわらず、強誘電体のようなヒステリシスループを描くことが明らかとなった(非特許文献7参照)。これらの現象も2つの物質間の界面に存在する構造傾斜層によるものと考えられている。



このように、PZTの2相が共存するMPB領域における分極回転機構や、BT/ST人工超格子薄膜における格子歪みはどちらも界面が、それぞれ物性向上の鍵となっていることは明らかである。したがって、ヘテロエピタキシャルな界面をもつ物質の作製により、構造傾斜領域を人工的に物質に加えることで、この人工超格子薄膜のように巨大な物性値だけでなく新しい物性を得ることも可能であると考えられる。



一方、人工超格子誘電体ナノ粒子およびその製造方法が開示されている(特許文献1参照)。この人工超格子誘電体ナノ粒子は、2種類以上の化学組成の異なる酸化物を溶液中で、化学組成の異なる粒子上にエピタキシャルに成長させることにより、球状の核の同心円上に化学組成の異なる酸化物の2種類以上を交互に積層し、球状とした人工超格子ナノ粒子であり、前記酸化物はチタン酸バリウムまたはチタン酸ストロンチウムを含み、前記酸化物のチタン源として、ジイソプロポキシドジアセチルアセトナート(Ti(i-PrO)2(acac)2,TPA)を用いている。



なお、発明者は、本発明に関連する技術内容を開示している(非特許文献11~13参照)。これらは、特許法第30条第1項を適用できるものと考えられる。

産業上の利用分野


本発明は、新規な基板粒子に関する。
また、本発明は、新規な基板粒子の製造方法に関する。
また、本発明は、新規な集積体に関する。
また、本発明は、新規な集積体の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
単結晶を作製する単結晶作製工程と、
前記単結晶にヘテロエピタキシャル層を形成するヘテロエピタキシャル層形成工程を備え、
前記単結晶作製工程は、第1の元素の水酸化物と第2の元素の酸化物を原料とし、有機溶媒を使用するソルボサーマル法を用い、
前記ヘテロエピタキシャル層形成工程は、第3の元素の水酸化物と第4の元素の錯体を原料とし、溶媒を使用するソルボサーマル法を用い、
前記単結晶作製工程において、チタン酸ストロンチウムの単結晶を作製し、
前記ヘテロエピタキシャル層形成工程において、チタン酸バリウムのヘテロエピタキシャル層を形成することを特徴とする
基板粒子の製造方法。

【請求項2】
前記単結晶作製工程における前記第1の元素の水酸化物がSr(OH)2であり、
前記第2の元素の酸化物がTiO2であり、前記有機溶媒がエタノールと2-メトキシエタノールの混合溶媒であること特徴とする
請求項1に記載の基板粒子の製造方法。

【請求項3】
前記ヘテロエピタキシャル層形成工程における前記第3の元素の水酸化物がBa(OH)2であり、前記第4の元素の錯体がチタンのキレート錯体であり、前記溶媒が水とエタノールの混合溶媒であることを特徴とする
請求項1から2のいずれかに記載の基板粒子の製造方法。

【請求項4】
前記チタンのキレート錯体がジ-i-プロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン(Ti(i-PrO)2(acac)2)であることを特徴とする
請求項3記載の基板粒子の製造方法。

【請求項5】
単結晶を集積した集積体と、
前記集積体に形成されたヘテロエピタキシャル層を備え、
前記単結晶は、チタン酸ストロンチウムであり、
前記集積体は、圧粉体ペレットであり、
前記ヘテロエピタキシャル層は、チタン酸バリウムあること特徴とする
ヘテロエピタキシャル層を有する集積体。

【請求項6】
単結晶を集積した集積体と、
前記集積体に形成されたヘテロエピタキシャル層を備え、
前記単結晶は、チタン酸ストロンチウムであり、
前記集積体は、圧粉体ペレットであり、
前記ヘテロエピタキシャル層は、チタン酸バリウムあり、
前記ヘテロエピタキシャル層は、水酸化物と錯体を原料とし、水と有機溶媒の混合溶媒を使用するソルボサーマル法を用いて形成すること特徴とする
ヘテロエピタキシャル層を有する集積体。

【請求項7】
単結晶を集積した集積体と、
前記集積体に形成されたヘテロエピタキシャル層を備え、
前記単結晶は、チタン酸ストロンチウムであり、
前記集積体は、圧粉体ペレットであり、
前記ヘテロエピタキシャル層は、チタン酸バリウムあり、
前記ヘテロエピタキシャル層は、Ba(OH)2とチタンキレート錯体を原料とし、水と有機溶媒の混合溶媒を使用するソルボサーマル法を用いて形成すること特徴とする
ヘテロエピタキシャル層を有する集積体。

【請求項8】
単結晶を集積した集積体と、
前記集積体に形成されたヘテロエピタキシャル層を備え、
前記単結晶は、チタン酸ストロンチウムであり、
前記集積体は、圧粉体ペレットであり、
前記ヘテロエピタキシャル層は、チタン酸バリウムあり、
前記ヘテロエピタキシャル層は、Ba(OH)2とTi(i-PrO)2(acac)2を原料とし、水とエタノールの混合溶媒を使用するソルボサーマル法を用いて形成すること特徴とする
ヘテロエピタキシャル層を有する集積体。

【請求項9】
単結晶を作製する単結晶作製工程と、
前記単結晶が集積された集積体を作製する集積体作製工程と、
前記集積体にヘテロエピタキシャル層を形成するヘテロエピタキシャル層形成工程を備え、前記単結晶作製工程は、第1の元素の水酸化物と第2の元素の酸化物を原料とし、有機溶媒を使用するソルボサーマル法を用い、
前記集積体作製工程は、前記単結晶にバインダーを加えて混合し、乾燥後に粉砕し、プレスによってペレット状に成形して作製し、
前記ヘテロエピタキシャル層形成工程は、第3の元素の水酸化物と第4の元素の錯体を原料とし、溶媒を使用するソルボサーマル法を用い、
前記単結晶作製工程において、チタン酸ストロンチウムの単結晶を作製し、
前記ヘテロエピタキシャル層形成工程において、チタン酸バリウムのヘテロエピタキシャル層を形成することを特徴とする
ヘテロエピタキシャル層を有する集積体の製造方法。

【請求項10】
前記単結晶作製工程における前記第1の元素の水酸化物がSr(OH)2であり、
前記第2の元素の酸化物がTiO2であり、前記有機溶媒がエタノールと2-メトキシエタノールの混合溶媒であること特徴とする
請求項9に記載のヘテロエピタキシャル層を有する集積体の製造方法。

【請求項11】
前記ヘテロエピタキシャル層形成工程における前記第3の元素の水酸化物がBa(OH)2であり、前記第4の元素の錯体がチタンのキレート錯体であり、前記溶媒が水とエタノールの混合溶媒であることを特徴とする
請求項9または10のいずれかに記載のヘテロエピタキシャル層を有する集積体の製造方法。

【請求項12】
前記ヘテロエピタキシャル層形成工程におけるソルボサーマル法の反応温度は150℃から250℃の範囲にあることを特徴とする
請求項9から11のいずれかに記載のヘテロエピタキシャル層を有する集積体の製造方法。

【請求項13】
前記ヘテロエピタキシャル層形成工程におけるBa(OH)2とチタンのキレート錯体の量比は、Ba/Tiの元素比が1から10の範囲内にあるように構成されていることを特徴とする
請求項11から12のいずれかに記載のヘテロエピタキシャル層を有する集積体の製造方法。

【請求項14】
前記ヘテロエピタキシャル層形成工程におけるソルボサーマル法において、溶液中のTi濃度は0.01~1mol/L(リットル)の範囲であることを特徴とする
請求項11から13のいずれかに記載のヘテロエピタキシャル層を有する集積体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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