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青枯病抵抗性誘導剤及び青枯病防除方法

国内特許コード P120008436
掲載日 2012年12月27日
出願番号 特願2012-049434
公開番号 特開2012-211124
登録番号 特許第6007360号
出願日 平成24年3月6日(2012.3.6)
公開日 平成24年11月1日(2012.11.1)
登録日 平成28年9月23日(2016.9.23)
優先権データ
  • 特願2011-066530 (2011.3.24) JP
発明者
  • 中保 一浩
  • 瀬尾 茂美
  • 光原 一朗
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 青枯病抵抗性誘導剤及び青枯病防除方法
発明の概要 【課題】青枯病に対する抵抗性誘導活性を示す化合物を有効成分として含有してなる青枯病抵抗性誘導剤及び該化合物を利用した青枯病防除方法を提供する。
【解決手段】L体のアミノ酸を有効成分として含有する青枯病抵抗性誘導剤。L体のアミノ酸を、トマトなどの対象植物に吸収させることによって、青枯病を防除することができる。特にL体のアミノ酸が、L-ヒスチジン、L-アルギニン、L-リシン、L-アスパラギン酸、L-グリシン、L-システイン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-アラニン、L-グルタミン及びL-メチオニンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【選択図】図6
従来技術、競合技術の概要


土壌細菌である青枯病菌(Ralstonia solanacearum)は植物の根や茎等の組織から侵入し、主に導管内で増殖する植物病原菌である。本菌に感染した植物では、導管内における菌増殖により全身への水分等の供給が阻害される結果、植物体は萎れてしまうとともに、菌が放出する毒素等により植物細胞が死んでしまい、最終的に、感染植物は枯死する。青枯病菌はトマトやナスなどのナス科植物を初めとする200種以上の植物に感染する宿主範囲の広い病原菌であり、農作物に甚大な被害をもたらす。青枯病菌によって引き起こされる青枯病の被害は世界規模で起こり、その経済的損失は1年あたり数千億円(国内では数百億円)と極めて大きい。青枯病は、その原因菌である青枯病菌が地中深くでも長期間生生存可能であること、適当な宿主植物が植えられると再び発生することから、いったん青枯病が発生した土地では、根絶することが難しい難防除病害である。



一方、水耕栽培においては、土壌を用いないことから青枯病が発病することはないと一般に思われがちであるが、青枯病菌の系統によっては水中でもその病原性を長期間維持する能力を示すことがあるため、人為的な持ち込みによって栽培システムに混入すると水耕栽培液が汚染してしまい、結果として栽培中の植物が感染するケースがある。実際、トマトの水耕栽培において、青枯病の発病は問題となっている。水耕栽培の場合、水耕液が常に循環・還流しているために、栽培システムの作物全体への菌の蔓延は土壌栽培に比べると極めて早く起きてしまい、土壌栽培での防除以上に防除が困難となる。



青枯病を防除する試みとして、臭化メチル等による土壌薫蒸、シュードモナス菌等を用いた生物的防除、抵抗性品種の利用、抗生物質であるバリダマイシンAを有効成分とするバリダシン液剤5の利用などあるが、いずれの方法も防除効果やコスト、環境に与える影響などの面で解消すべき問題が多く残されているのが現状である。このような背景の下、環境への影響が少なく効果的な防除法の開発が求められている。



そのような環境低負荷・保全型防除法の開発の試みのひとつとして、アミノ酸による作物の病害防除方法の研究が行われている。
例えば、特許文献1には、メチオニンやシステイン等の含硫アミノ酸とD-グルコースの混合物がイネいもち病、ジャガイモ疫病、キュウリ苗立枯病等の複数の病害に効果を示すことが開示されている。そして、同文献では、D-グルコースとの混合に用いるアミノ酸は、D体及びL体の構造の違いに関係なく防除効果を示すこと、アミノ酸単独ではほとんど防除効果がないことが記載されている。なお、青枯病菌(Ralstonia solanacearum)によって引き起こされる青枯病に対する防除効果についてはなんら記載されていない。



また、アミノ酸と青枯病防除との関係について、特許文献2には、D-セリン、D-システイン、D-アラニンが土壌中の青枯病菌(Ralstonia solanacearum)に対する増殖抑制効果を示すことが開示されている。なお、同文献においては、上記D体のアミノ酸は青枯病菌の増殖抑制効果を示すことが記載されており、また、その増殖抑制効果はL体のアミノ酸では認められないことが記載されている。



一方、環境保全型防除法の資材のひとつとして近年注目を集めているのが、病害抵抗性誘導剤である。病害抵抗性誘導剤は、植物活性剤とも呼ばれ、植物が本来有する病気に対する抵抗力を高めて耐病性を誘導して、病害防除効果を示す薬剤であり、環境負荷も小さい特徴を有する。また、病原体を直接殺す作用はないことから、殺菌剤使用の際に問題となる耐性菌出現のリスクが低いメリットがある。このように、病害抵抗性誘導剤は環境保全型病害防除の有望素材として近年着目されている。



青枯病に対する抵抗性誘導剤としては、例えば、酵母抽出液を原料とする植物活力剤アグリボEX((株)アグリボ)が開示されている(非特許文献1参照)。一方で、非特許文献1で開示された青枯病抵抗性誘導剤における青枯病防除活性の有効成分は特定されていない。

産業上の利用分野


本発明は、青枯病防除作用を有する化合物を有効成分として含有してなる青枯病抵抗性誘導剤及び該化合物を利用した青枯病防除方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
L体のアミノ酸を有効成分として含有し、前記L体のアミノ酸が、L-ヒスチジン、L-アルギニン、L-リシン、L-アスパラギン酸、L-グリシン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-アラニン、及びL-グルタミンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする青枯病抵抗性誘導剤(但し、対象植物からウリ科を除く)

【請求項2】
対象植物が、ナス科及びアブラナ科である請求項1に記載の青枯病抵抗性誘導剤。

【請求項3】
対象植物(但し、ウリ科を除く)にL体のアミノ酸を吸収させる青枯病防除方法であって、
前記L体のアミノ酸が、L-ヒスチジン、L-アルギニン、L-リシン、L-アスパラギン酸、L-グリシン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-アラニン及び、L-グルタミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である青枯病防除方法。

【請求項4】
対象植物が、ナス科及びアブラナ科である請求項3に記載の青枯病防除方法。

【請求項5】
L体のアミノ酸を有効成分として含有し、前記L体のアミノ酸が、L-ヒスチジン、L-アルギニン、L-リシン、L-アスパラギン酸、L-グリシン、L-フェニルアラニン及びL-アラニンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする青枯病抵抗性誘導剤。

【請求項6】
対象植物にL体のアミノ酸を吸収させる青枯病防除方法であって、前記L体のアミノ酸が、L-ヒスチジン、L-アルギニン、L-リシン、L-アスパラギン酸、L-グリシン、L-フェニルアラニン及びL-アラニンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする青枯病防除方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012049434thum.jpg
出願権利状態 登録


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