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ウイロイドPSTVd及びTCDVdの同時検出方法

国内特許コード P120008442
掲載日 2012年12月27日
出願番号 特願2010-546754
登録番号 特許第5278919号
出願日 平成22年5月26日(2010.5.26)
登録日 平成25年5月31日(2013.5.31)
国際出願番号 JP2010058894
国際公開番号 WO2010140518
国際出願日 平成22年5月26日(2010.5.26)
国際公開日 平成22年12月9日(2010.12.9)
優先権データ
  • 特願2009-133144 (2009.6.2) JP
発明者
  • 松下 陽介
  • 津田 新哉
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 ウイロイドPSTVd及びTCDVdの同時検出方法
発明の概要

被験植物試料由来のRNAを鋳型として、(i) PSTVdゲノムに対応するDNA塩基配列(PSTVdゲノム対応配列)の塩基位置18番目から114番目の塩基配列に対する相補配列中の16~30塩基長の配列からなるリバースプライマーと、(ii) そのPSTVdゲノム対応配列の塩基位置127番目から147番目の領域内に3'末端が位置するように当該ゲノム対応配列上に設計した16~30塩基長の1種以上のPSTVd検出用フォワードプライマーと、(iii) そのPSTVdゲノム対応配列の塩基位置210番目から224番目の領域内に3'末端が位置するように当該ゲノム対応配列上に設計した16~30塩基長の1種以上のTCDVd検出用フォワードプライマーとを含むプライマーセットを用いた核酸増幅を行い、前記リバースプライマーとPSTVd検出用フォワードプライマーによる核酸増幅及び前記リバースプライマーとTCDVd検出用フォワードプライマーによる核酸増幅の有無を判定することにより、被験植物中のウイロイドPSTVd及びTCDVdを区別して検出することを含む、ウイロイドの検出方法に関する。

従来技術、競合技術の概要


トマト黄化萎縮ウイロイド(Tomato chlorotic dwarf viroid; TCDVd)及びポテトスピンドルチューバーウイロイド(Potato spindle tuber viroid; PSTVd)は、ナス科植物(例えば、ジャガイモ、トマト、ペチュニア等)を中心として様々な宿主植物に感染し、ジャガイモでの痩せ芋症状やトマトでの黄化・葉巻症状等の病徴を引き起こす重要植物病害である。TCDVdは最近まで日本国内での発生が確認されていなかったが、2007年に広島県でトマトでの感染が確認された。一方、PSTVdは日本国内で未発生のウイロイドであり日本では植物防疫上侵入警戒を要する病原体として認識されている。



ウイロイドは、ウイルスに似た性質を有する低分子の核酸病原体であり、植物に寄生して矮小化や奇形の症状を引き起こすことが知られている。ウイロイドは、分子量が3万~81万程度の一本鎖の環状RNAからなり、構造タンパク質を欠いている。ウイロイドはウイルスの10分の1~100分の1程度の大きさしかなく電子顕微鏡で視認することは容易ではないことや、構造タンパク質を欠くため抗原性を有さないことから、微生物やウイルスの一般的検出方法での検出が困難である。そこで植物がウイロイドに感染しているか否かの診断は、その病徴で判定する生物検定により行うことが多いが、この方法には病徴が現れるまで長い時間を要する場合があること、また環境条件や品種により病徴に差が生じる場合があることなどの問題がある。近年では、分子生物学的検出技術に基づく遺伝子診断法がウイロイド検出に用いられるようになってきている(例えば、特許文献1)。



ウイロイドPSTVd及びTCDVdはいずれもトマト等のナス科植物に感染するため、それらを区別して検出する技術が必要とされている。しかし、PSTVdとTCDVdは同じポスピウイロイド属に属する近縁種であり、PSTVdとTCDVdの全ゲノム配列は相互に85%以上の相同性(配列同一性)を有するため、従来の方法の多くはその両者を識別することができない。一方、ウイロイドPSTVd及びTCDVdが属するポスピウイロイド属を検出するためのRT-PCRアッセイやウイロイドPSTVdとTCDVdを別々に検出するためのRT-PCRアッセイは知られているが(非特許文献1)、これらの方法には同一反応液中でPSTVdとTCDVdを区別して陽性検出することができないという問題がある。1つの反応混合液中で複数の標的核酸を増幅する手法としてマルチプレックスPCR法が知られているが、相同性の高い近縁種の核酸に対してはプライマーの非特異的結合が生じやすいことなどから、マルチプレックスPCRを近縁種間の識別に適用することは非常に困難を伴うのが一般的である。

産業上の利用分野


本発明は、ウイロイドの検出方法及びウイロイド検出用プライマーセットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被験植物試料由来のRNAを鋳型として、下記(a)又は(b)のプライマーセットを用いた核酸増幅を行い、リバースプライマーとPSTVd検出用フォワードプライマーによる核酸増幅及びリバースプライマーとTCDVd検出用フォワードプライマーによる核酸増幅の有無を判定することにより、被験植物中のウイロイドPSTVd及びTCDVdを区別して検出することを含む、ウイロイドの検出方法
(a) リバースプライマーである配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー;PSTVd検出用フォワードプライマーである、配列番号15の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー、配列番号16の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号17の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーからなる群より選択される少なくとも1つのプライマー;並びにTCDVd検出用フォワードプライマーである配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーを含む、プライマーセット、
(b) リバースプライマーである配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー;PSTVd検出用フォワードプライマーである配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー;及びTCDVd検出用フォワードプライマーである配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーを含む、プライマーセット

【請求項2】
前記プライマーセットを1つの反応液中で用いる、請求項に記載の方法。

【請求項3】
被験植物がナス科植物である、請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
核酸増幅が逆転写工程とマルチプレックスPCR工程とを含むRT-PCRである、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。

【請求項5】
逆転写工程では前記リバースプライマーが核酸増幅に使用され、かつマルチプレックスPCR工程では前記リバースプライマー、PSTVd検出用フォワードプライマー、及びTCDVd検出用フォワードプライマーが核酸増幅に使用される、請求項に記載の方法。

【請求項6】
前記リバースプライマー、PSTVd検出用フォワードプライマー及びTCDVd検出用フォワードプライマーのうち少なくとも1つが標識プライマーである、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。

【請求項7】
下記(a)又は(b)のウイロイドPSTVd及びTCDVd検出用プライマーセット
(a) リバースプライマーである配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー;PSTVd検出用フォワードプライマーである、配列番号15の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー、配列番号16の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号17の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーからなる群より選択される少なくとも1つのプライマー;並びにTCDVd検出用フォワードプライマーである配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーを含む、プライマーセット、
(b) リバースプライマーである配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー;PSTVd検出用フォワードプライマーである配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー;及びTCDVd検出用フォワードプライマーである配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーを含む、プライマーセット

【請求項8】
前記リバースプライマー、PSTVd検出用フォワードプライマー及びTCDVd検出用フォワードプライマーのうち少なくとも1つが標識プライマーである、請求項に記載のプライマーセット。

【請求項9】
請求項7又は8に記載のプライマーセットを含む、ウイロイド検出用キット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010546754thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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