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リン回収剤及びそれを用いた排水の浄化方法

国内特許コード P130008463
整理番号 2010-015
掲載日 2013年1月9日
出願番号 特願2010-174259
公開番号 特開2012-030210
登録番号 特許第5618064号
出願日 平成22年8月3日(2010.8.3)
公開日 平成24年2月16日(2012.2.16)
登録日 平成26年9月26日(2014.9.26)
発明者
  • 福士 圭介
  • 八木 新大朗
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
発明の名称 リン回収剤及びそれを用いた排水の浄化方法
発明の概要 【課題】排水中から効果的にリンの回収ができ、酸性土壌下でのリン酸肥料として再利用可能なリン回収剤及びそれを用いた排水の浄化方法の提供を目的とする。
【解決手段】Mg2+イオンとCa2+イオンとがMg/Ca=0.3以上の割合で含有する水溶液に、可溶性炭酸塩又は炭酸塩の水溶液を混合することで沈殿生成したモノハイドロカルサイトであることを特徴とする。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要



リン(リン酸)は富栄養化を引き起こす原因物質の1つであり、排水からの除去が必要である。

その一方で近年、リン資源の枯渇が懸念されており、リンは生物にとって必須栄養素であることからリン酸肥料の必要性も増大している。

これまでに、リン酸はAl酸化物やゲーサイト(α-FeOOH)等のFe酸化物の表面に吸着されることが報告されている(非特許文献1)。

また、カルシウム炭酸塩鉱物であるアラゴナイト、カルサイトを吸着剤として用いるリン酸の除去方法も報告されている(非特許文献2)。

カルシウム炭酸塩には、前記のカルサイト(CaCO)とアラゴナイト(CaCO)とが存在する。

カルサイトは、日本語名が方解石あるいは石灰石と称され、アラゴナイトは日本語名が霰石と称され、これらカルサイトとアラゴナイトは結晶構造が異なるため鉱物としては区分されている。

一方、水和カルシウム炭酸塩としては、モノハイドロカルサイト(CaCO・HO),イカイト(CaCO・6HO)及びアモルファスカルサイトの3つの形態が知られている。

モノハイドロカルサイトは、本願発明者のこれまでの研究により、準閉塞湖であり、人為的な撹乱が少ないモンゴルのフブスグル湖の20万年前堆積物コア(2004年,Hovsgol Drilling Project)に存在していることを明らかにし(発表文献:Fukushi K. Fukumoto H. Munemoto T. Ochiai S and Kashiwaya K.「Records of water quality in Lake Hovsgol printed in carbonate minerals in the sediments」 Abstract volume 6th international symposium on terrestrial environmental changes in East Eurasia and Adjacent Areas, (2007) 24-25)、実験室においてモノハイドロカルサイトを合成し、その変質挙動を研究した(発表文献: Munemoto T. and Fukushi K. 「Transformation kinetics of monohydrocalcite to aragonite in aqueous solutions」 Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 103, (2008) 345-349)。

また、モノハイドロカルサイトは海水に炭酸ナトリウムを添加することで得られることも知られる。

Kinsmannらはやや低温条件(16℃)でろ過したニュージャージー州の海水に炭酸ナトリウムを8mMとなるように添加することでモノハイドロカルサイトの単一相が海水から沈殿することを示している(非特許文献:Kinsman J. J. David., and Holland H.D. 「The co-precipitation of cations with CaCO3. The co-precipitation of Sr2+ with aragonite between 16℃ and 96℃」v, Geochimica et Cosmochimica Acta 33 (1969) 1-17)。

モノハイドロカルサイト(Monohydrocalcite:CaCO・HO)は、結晶構造がTrigonal,a=10.5547Å,c=7.5644Åであり、液中のMg/Ca=0.3以上で、過飽和CO下で沈殿生成し、乾燥状態では安定であるが、水中において一度溶解し、その後アラゴナイト又はカルサイトに再結晶する。

従って、相対的に準安定相であるモノハイドロカルサイトの方が、カルサイトやアラゴナイトのような安定相よりも比表面積が大きく反応性が高いことが想定され、リンの取り込み能力を実験検討した結果、本発明に至った。

産業上の利用分野



本発明は排水中からリンを回収し、リン酸肥料として再利用できるリン回収剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
Mg2+イオンとCa2+イオンとがMg/Ca=0.3以上の割合で含有する水溶液に、可溶性炭酸塩又は炭酸塩の水溶液を混合することで沈殿生成したモノハイドロカルサイトを当該モノハイドロカルサイト中のMg含有量が0.4mmol/g以下に洗浄して得られたものであることを特徴とするリン回収剤の製造方法。

【請求項2】
請求項1記載の製造方法にて得られたリン回収剤を初期のリン酸濃度20μmol/l以上の排水と接触させることを特徴とするリン酸肥料の製造方法。

【請求項3】
請求項1記載の製造方法にて得られたリン回収剤をリン含有排水に接触させることで排水中のリンを吸着又は/及びリン酸カルシウムとして取り込むことを特徴とする排水の浄化方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
(有)金沢大学ティ・エル・オーは、金沢大学の研究者の出願特許を産業界へ技術移転することを主目的として、金沢大学の教官の出資により設立された技術移転機関です。
ご興味のある方は、下記「問合せ先」へ整理番号と共にご連絡願います。
なお、既に活用のお申し込み・お打合わせ等の段階に入っている場合もございますので、予めご承知おきください。


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