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酸化薄片化黒鉛及びその製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P130008467
整理番号 S2012-0607-N0
掲載日 2013年1月9日
出願番号 特願2012-083453
公開番号 特開2013-212948
登録番号 特許第5098064号
出願日 平成24年4月2日(2012.4.2)
公開日 平成25年10月17日(2013.10.17)
登録日 平成24年10月5日(2012.10.5)
発明者
  • 仁科 勇太
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 酸化薄片化黒鉛及びその製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要


【課題】低コストで酸化グラフェンを提供可能とすべく、製造時間が短くまた少ない硫酸で作製可能な酸化薄片化黒鉛及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の酸化薄片化黒鉛の製造方法は、六角形の格子状に並んだ炭素原子で構成された炭素シートの積層体である黒鉛に、硫酸と、硝酸ナトリウムと、過マンガン酸カリウムを加えて酸化させることにより、黒鉛から炭素シートの剥離を生じさせて、黒鉛から剥離した1層または複数層の炭素シートから成る酸化薄片化黒鉛を製造するものであって、黒鉛を酸化させる前に、黒鉛にマイクロ波を照射する工程を有するものとする。また、この方法で作成された酸化薄片化黒鉛とする。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


従来、黒鉛から酸化グラフェンを製造する方法として、Hummers-Offeman法が多用されている。



黒鉛は、六角形の格子状に並んだ炭素原子で構成された炭素シートの積層体となっており、Hummers-Offeman法によって黒鉛を酸化させることにより各炭素シートを酸化させ、酸化にともなって嵩高となることを利用して各炭素シートを個々に分離させ、酸化グラフェンとしている。



なお、「酸化グラフェン」は、酸化された1層の炭素シートに対する呼称して使用するものであり、黒鉛を酸化させた場合に、必ずしも1層の炭素シートとなるとは限らず、複数の炭素シートが重なった状態となることもあり、このような酸化された炭素シートが1層または複数層となっている状態を、本発明では「酸化薄片化黒鉛」と呼ぶこととする。



Hummers-Offeman法では、一般的に、硝酸ナトリウムと、硫酸と、過マンガン酸カリウムとからなる混合液に粉末状の黒鉛を投入することにより黒鉛を酸化させ、酸化薄片化黒鉛を生じさせている。



具体的には、以下の工程となっている。
<第1工程>
硝酸ナトリウムと、硫酸と、過マンガン酸カリウムとからなる混合液に粉末状の黒鉛を投入して一次液を作製し、この一次液を約20℃として、7日間緩やかに撹拌する。
<第2工程>
5質量%硫酸水溶液に、一次液を約1時間かけて撹拌しながら投入し、さらに2時間撹拌して、一次液を薄めた二次液を作製する。
<第3工程>
二次液に30質量%水溶液の過酸化水素を加えて2時間撹拌し、遠心分離を行って上澄みを除去し、水を加えて液量を調整した三次液を作製する。この三次液は、酸化薄片化黒鉛の分散液となっている。
<第4工程>
三次液に対して、3質量%硫酸と0.5質量%過酸化水素の混合水溶液を用いた遠心分離を行い、さらに水を用いた遠心分離を繰り返し行って、上澄みの導電率が300μS/cmなるまで精製して、酸化グラフェンの分散液としている(例えば、特許文献1参照。)。



このように、Hummers-Offeman法では、第1工程だけでも7日以上の日数を要することとなっており、実用性が極めて低い製造方法となっていた。



そこで、より短時間で酸化グラフェンを得る製造方法として、黒鉛に前処理を施して炭素シートに分離させやすくした製造方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。



具体的には、まず、前処理として、以下の処理を行っている。
<前処理1>
粉末状の黒鉛に硫酸と過硫酸塩(K2S2O8)を加えて80℃に昇温した前処理一次液を作製する。
<前処理2>
前処理一次液にリン酸(P2O5)を少しずつ加え、80℃で3時間撹拌して前処理二次液を作製する。
<前処理3>
発熱に注意しながら、前処理二次液を水に注いで前処理三次液を作製する。
<前処理4>
前処理三次液の濾過及び洗浄を行って乾燥させ、粉末状の酸化処理した黒鉛を作製している。説明の便宜上、上記の前処理によって得られた黒鉛を、「酸化処理済み黒鉛」と呼ぶ。



次いで、本処理として、以下の処理を行っている。
<本処理1>
酸化処理済み黒鉛をビーカーに入れ、さらに硫酸を加えて4℃に冷却して、本処理一次液を作製する。
<本処理2>
本処理一次液に硝酸ナトリウム(NaNO3)を少しずつ加えて本処理二次液を作製する。
<本処理3>
本処理二次液に過マンガン酸カリウム(KMnO4)を加えて、10分間撹拌して、本処理三次液を作製する。
<本処理4>
本処理三次液の温度を35℃とし、その温度を維持しながら2時間撹拌し、その後、ビーカーを水で冷却して、本処理三次液を撹拌しながら水を1滴ずつ所定量加えて、本処理四次液を作製する。
<本処理5>
本処理四次液を30分間撹拌し、所定量の水を加え、さらに過酸化水素(H2O2)を少しずつ加えて本処理五次液を作製する。
<本処理6>
本処理五次液を90℃として30分間撹拌し、所定量の水を加えて希釈しながら、遠心分離を繰り返し行って、上澄みが中性になったところで終了する。



上記の本処理によって、酸化グラフェンの分散液を作製することができ、酸化グラフェンの作製に要する時間の大幅な削減が可能となっている。

産業上の利用分野


本発明は、黒鉛を酸化させて製造する酸化薄片化黒鉛及びその製造方法に関するものであり、いわゆる酸化グラフェン及びその製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
六角形の格子状に並んだ炭素原子で構成された炭素シートの積層体である黒鉛に、硫酸と、硝酸ナトリウムと、過マンガン酸カリウムを加えて酸化させことにより、前記黒鉛から剥離させた1層または複数層の炭素シートから成る酸化薄片化黒鉛において、
酸化させる前の黒鉛にマイクロ波を照射している酸化薄片化黒鉛。

【請求項2】
六角形の格子状に並んだ炭素原子で構成された炭素シートの積層体である黒鉛に、硫酸と、硝酸ナトリウムと、過マンガン酸カリウムを加えて酸化させることにより、前記黒鉛から前記炭素シートの剥離を生じさせて、前記黒鉛から剥離した1層または複数層の炭素シートから成る酸化薄片化黒鉛を製造する製造方法において、
硫酸と、硝酸ナトリウムと、過マンガン酸カリウムとで酸化させる前に、前記黒鉛にマイクロ波を照射する工程を有する酸化薄片化黒鉛の製造方法。

【請求項3】
前記のマイクロ波を照射する工程では、1回のマイクロ波の照射時間を20秒以内として、1回、または複数回照射する請求項2に記載の酸化薄片化黒鉛の製造方法。
産業区分
  • 無機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
特許内容に関しての問い合せ窓口は岡山大学連携機構知的財産部門です。

技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


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