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豚の飼育方法および低濃度フェニルアラニン飼料

国内特許コード P130008498
整理番号 S2011-0363
掲載日 2013年1月23日
出願番号 特願2011-145757
公開番号 特開2013-009643
登録番号 特許第5757520号
出願日 平成23年6月30日(2011.6.30)
公開日 平成25年1月17日(2013.1.17)
登録日 平成27年6月12日(2015.6.12)
発明者
  • 上野 俊治
出願人
  • 学校法人北里研究所
発明の名称 豚の飼育方法および低濃度フェニルアラニン飼料
発明の概要 【課題】肉中の遊離フェニルアラニン濃度が低減した豚の飼育方法および飼料を提供する

【解決手段】本発明は、豚の飼育方法であって、出荷前の2~7日間に低濃度フェニルア
ラニン飼料を給与して飼育することを特徴とする、肉中遊離フェニルアラニン濃度が低減
した豚の飼育方法である。本発明によれば、熟成後の豚肉中の遊離フェニルアラニン濃度
が低減した豚肉を生産することができ、加熱調理によって豚肉中に発生するPhIP量を
低減することができ、PhIPが一因とされる癌の発生を抑制しうる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


肉を加熱調理するとフェニルアラニンとクレアチン(およびクレアチニン)とが反応し
てヘテロサイクリックアミンの一種であるPhIPを発生し、加熱調理した肉の摂取によ
って、女性に乳癌の発生率が上昇することが知られている。PhIPは、乳癌の他に、大
腸癌、前立腺癌を引き起こすとされ、例えば、ラットにDMH(1,2-dimethy
lhydrazine)を20mg/kg体重で週1回、計4回皮下投与して遺伝子に損
傷を与えた後、市販の飼料(基礎飼料)にPhIPを200ppm混合して32週自由摂
取させると、PhIPを与えていない群では発症率25%で大腸腫瘍が発生したのに対し
、PhIP投与群では発症率95%で大腸腫瘍が発生したとの報告もある(非特許文献1
)。



体内に摂取されたPhIPを代謝する経路としては複数が知られ、例えば、直接硫酸化
またはグルクロン酸抱合され、それぞれPhIP-4’-サルフェートやPhIP-N2
-グルクロナイドとなるか、または、チトクロームP450により変異原活性を持つ中間
体、N2-ヒドロキシ-PhIPとなった後にグルクロン酸抱合され、N2-ヒドロキシ
-PhIP-N2-グルクロナイドやN2-ヒドロキシ-PhIP-N3-グルクロナイ
ドとなって解毒される経路がある。これらの反応に関わる酵素の体内での分布や個人によ
る活性の違いがPhIPの解毒率と反応の種類、最終的には突然変異/癌の標的組織の決
定およびリスクの個人差に関わるといわれている(非特許文献2)。PhIP摂取量を低
減させることが何人にも望まれる。



PhIPは、フェニルアラニンとクレアチン(およびクレアチニン)との加熱反応によ
って生成するため、理論的には、加熱なしに肉を摂取すればPhIPの体内取り込み量を
低減しうる。このため、魚類や牛肉を摂取する際に加熱調理を控えることで、PhIP量
の発生を低減することは可能である。しかしながら、豚肉は、豚ヘルペスウィルスやトキ
ソプラズマ等を保有する可能性があり、生食により豚自体が保有している上記豚ヘルペス
ウィルスやトキソプラズマ、E型肝炎などの感染症にかかる恐れがある。更に、と畜流通
段階においては、カンピロバクター、リステリアほかの食中毒原因菌による汚染の可能性
もある。このため、SPF(Specific Pathogen Free:指定され
た病原体をもっていないという意味で「特定疾患不在豚」と訳される)豚肉といえども、
流通過程で非SPF豚と同じ経路で食肉処理されるため加熱調理が必要である。



このような現状に対応し、畜肉製品の調理加熱時に生成するヘテロサイクリックアミン
の生成を抑制する畜肉製品として、茶を添加してヘテロサイクリックアミン類の生成を抑
制した畜肉製品がある(特許文献1)。PhIPの摂取防止は事実上不可能であることに
鑑み、(+)-カテキンを含有する茶またはその成分を含有させると、無添加品に対しヘ
テロサイクリックアミンの生成量が5~100%抑制される、という。



また、畜肉の加熱加工食品中のヘテロサイクリックアミン類の生成を抑制するため、畜
肉の加熱食品を調製する際に、フェノール性抗酸化剤を使用してヘテロサイクリックアミ
ン類の生成を抑制する方法もある(特許文献2)。

産業上の利用分野


本発明は、肉中の遊離フェニルアラニン濃度が低減した豚の飼育方法に関し、より詳細
には、加熱調理の際にクレアチン(およびクレアチニン)と化学反応して生成されるPh
IP(2-amino-1-methyl-6-phenyl-imidazo[4,5
-b]pyridine)の発生を抑制しうる、遊離フェニルアラニンの濃度が低減した
豚の飼育方法、および当該飼育方法に好適な低濃度フェニルアラニン飼料に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
豚の飼育方法であって、出荷前の2~7日間に、フェニルアラニン濃度が2~0g/kgの低濃度フェニルアラニン飼料を給与して飼育することを特徴とする、肉中遊離フェニルアラニン濃度が低減した豚の飼育方法。

【請求項2】
請求項記載の豚の飼育方法に使用する、低濃度フェニルアラニン飼料。
産業区分
  • 畜産
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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