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リン酸塩被覆材料、アパタイト被覆材料、およびこれらの製造方法

国内特許コード P130008511
整理番号 QP100071
掲載日 2013年2月6日
出願番号 特願2010-244278
公開番号 特開2012-095735
登録番号 特許第5757605号
出願日 平成22年10月29日(2010.10.29)
公開日 平成24年5月24日(2012.5.24)
登録日 平成27年6月12日(2015.6.12)
発明者
  • 石川 邦夫
出願人
  • 国立大学法人九州大学
発明の名称 リン酸塩被覆材料、アパタイト被覆材料、およびこれらの製造方法
発明の概要 【解決課題】耐腐食性の高い基材の上に、安定であって好ましくは組織親和性に優れるリン酸塩被膜を有する被覆材料またはアパタイト被膜を有する被覆材料を提供する。
【解決手段】(A)セラミックス、高分子化合物、炭素材料、リン酸塩を含みpHが5未満である酸性水溶液ISO 10271により測定される不動態破壊電位が、同条件において測定される304ステンレス鋼の不動態破壊電位以上の不動態破壊電位を有する金属、およびこれらの複合材料からなる群より選択される基材と、(B)リン酸塩を含みpHが5未満である酸性水溶液とを、1気圧より高い圧力下、100℃より高い温度に加熱して反応させる水熱処理工程を含む、リン酸塩被膜材料の製造方法;または、セラミックス、高分子化合物、炭素材料、金属、およびこれらの複合材料からなる群より選択される基材、前記基材の上に設けられたアパタイト以外のリン酸塩からなるリン酸塩被膜、および前記リン酸塩被膜の上に設けられたアパタイト被膜を有するアパタイト被覆材料。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


材料に種々の機能を付与するために、材料の表面に被膜を形成することが検討されてきた。例えば、医療用野においては、力学的性質および耐腐食性に優れたチタンやステンレス鋼などの金属材料にさらなる機能を付与するため、これらの金属材料をアパタイトで被覆することが知られている。アパタイトは骨組織に隣接してインプラントした場合、既存骨から形成された新生骨と結合する骨伝導性と呼ばれる極めて重要な機能性を有する。例えば、従来、プラズマスプレーなどの方法でチタン基材などの表面をアパタイト被覆したアパタイト被覆チタンが提案されている。しかしながら、プラズマスプレー装置は高価であるという問題があった。また、プラズマスプレーを用いる場合、材料が約10000℃という超高温に曝される。このようにして得られる材料は、超高温においてアパタイトが熱分解するので生体組織への親和性(組織親和性)に欠けたり、熱分解物の溶解度が高いために生体内で溶解し、長期的にはアパタイト膜が剥離したりするという問題があった。さらに、このようにして得られる材料は、生体骨と著しく異なる高い結晶性のために組織親和性が十分でないという問題があった。さらにまた、製造時の冷却に伴う収縮によって基材と被膜の間に残留応力が発生するという問題があった。以上から、医療分野においては、1)比較的安価に製造できる、2)10000℃以上の超高温を必要とせずに製造できる、3)長期にわたり安定した被膜を有する、4)組織親和性に優れる、などの特性を有する材料が求められていた。



また、一般工業分野においても、腐食防止や塗膜との密着性の向上などの観点から材料の表面に被膜を形成することが検討されてきた。当該分野においては組織親和性を高くするという要求はないものの、前記1)~3)の特性を有する材料が求められていた。



材料を被覆する方法として、腐食性金属の表面にリン酸塩被膜を形成するパーカー法が知られている。パーカー法は、軟鉄、鋼鉄や亜鉛の腐食防止技術として多用されている。しかしながら、パーカー法で基材の上にリン酸塩被膜を形成するためには基材から鉄イオン等のイオンが遊離することが必要と考えられてきたために、耐腐食性の高い材料や腐食性がないセラミックスやポリマーなどへパーカー法を適用することは不可能であるというのが当業者の常識であった。さらに、パーカー法においては、基材の腐食防止が主目的であるため安価であることが重要視され、長期にわたり安定した被膜を形成することへの要求はほとんどなかった。



耐腐食性の高い材料をリン酸塩で被覆する方法として、導電性基材をpH6~8の電解液に浸漬し、水熱条件下で電圧を印加して該基体表面に電気化学的にリン酸カルシウムを析出させる方法が提案されている(特許文献1)。しかし、当該方法は導電性の基材にしか適用できないこと、電圧を印加する手段が必要であり装置が煩雑になる等の問題があった。



また、チタンをアパタイトで被覆する方法として、カルシウムイオンを含有する水溶液およびリン酸イオンを含有する水溶液に、交互にチタンを浸漬することによりアパタイト被膜を形成する手法が提案されている(特許文献2)。しかしながら、このアパタイト被覆材料は、アパタイトと基板との接着力が十分ではなかった。

産業上の利用分野


本発明は、リン酸塩被覆材料、アパタイト被覆材料、およびこれらの製造方法に関する。本発明は、特に、生体組織親和性に優れる医療用材料や塗膜に対する密着性等に優れるリン酸塩被覆材料、アパタイト被覆材料、およびこれらの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(A)セラミックス、リン酸塩を含みpHが5未満である酸性水溶液中にてISO 10271により測定される不動態破壊電位が、同条件において測定される304ステンレス鋼の不動態破壊電位以上である金属、およびこれらの複合材料からなる群より選択される基材と、
(B)カルシウムまたは亜鉛を含有するリン酸塩を含みpHが2以下である酸性水溶液とを接触させ、
1気圧より高い圧力下で100℃より高い温度に加熱する水熱処理工程を含む、リン酸塩被膜材料の製造方法。

【請求項2】
前記リン酸塩が、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸亜鉛カルシウム、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
前記金属が、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、またはコバルトクロム合金である、請求項1記載の製造方法。

【請求項4】
前記セラミックスが、アルミナまたはジルコニアである、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。

【請求項5】
前記水熱処理工程の前に、前記基材表面に水酸基を導入する水酸基導入工程をさらに含む請求項1~のいずれかに記載の製造方法。

【請求項6】
前記水酸基導入工程が、前記基材をオゾンに暴露することを含む、請求項に記載の製造方法。

【請求項7】
前記金属がステンレス鋼であり、前記水熱処理工程の前に、ステンレス鋼を加熱する工程をさらに含む、請求項に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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