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T細胞受容体のクローニング方法 コモンズ

国内特許コード P130008515
整理番号 S2012-0940-N0
掲載日 2013年2月6日
出願番号 特願2012-164442
公開番号 特開2014-023445
登録番号 特許第6126804号
出願日 平成24年7月25日(2012.7.25)
公開日 平成26年2月6日(2014.2.6)
登録日 平成29年4月14日(2017.4.14)
発明者
  • 村口 篤
  • 岸 裕幸
  • 小林 栄治
  • 小澤 龍彦
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 T細胞受容体のクローニング方法 コモンズ
発明の概要 【課題】偏りのないT細胞受容体(TCR)レパートリーを分析するだけでなく、抗原特異的TCRα/βcDNAペアを回収でき、それらの機能を評価することも可能にする、TCRクローニングシステムを提供する。
【解決手段】1)抗原Aに特異的なT細胞を含むT細胞群を、または抗原Aに特異的な1個のT細胞を、T細胞受容体(TCR)遺伝子増幅上有効な条件で刺激する工程;2)抗原Aに特異的なT細胞を含むT細胞群から、抗原Aに特異的なT細胞を特定して1個ずつ容器へソートする工程;および3)容器内の1個の活性化された抗原A特異的T細胞をPCRに供して、抗原Aに特異的なTCR遺伝子を増幅する工程を含む、抗原Aに特異的なTCR遺伝子の製造方法。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



主として特定のがんへの適用が検討されているT細胞受容体(TCR)遺伝子治療においては、がん患者のリンパ球に、がん抗原特異的なTCRの遺伝子が導入される。遺伝子導入されたリンパ球は大量に培養された後、そのがん患者に戻されるが、腫瘍抗原ペプチドを認識するTCRがリンパ球上に発現しているので、これが腫瘍抗原を提示するがん細胞を認識して特異的に攻撃し、最終的にがん細胞を消滅させることが期待できる。





遺伝子治療に用いるための抗原特異的なTCRの遺伝子を得るには、患者から回収した末梢血リンパ球(PBL)中のT細胞の中からがん抗原を認識できるT細胞を特定し、TCR遺伝子をクローニングする必要がある。そのために一般に行われるアプローチは、抗原特異的T細胞クローンの樹立を含み、これには通常、数ヶ月を必要とする。





一方、抗原特異的T細胞のTCRレパートリーについて数多くの研究がなされている。これは、一般に行われる分析法、例えば、TCRβ(TRB)V遺伝子ファミリーの産物を標的とするモノクローナル抗体(mAb)のパネルを用いるFACSに基づく方法(非特許文献1)およびTRBV特異的プライマーのパネルを用いるPCRに基づく方法(非特許文献2~4)により実施されてきた。しかし、従来のレパートリー解析は、TCRα(TRA)VとTRBVの両方を解析しておらず、TCRレパートリーの解析としては、不完全なものである。

また、T細胞クローンの樹立を含むこれらの方法はTCRレパートリーに偏りを引き起こす可能性があるという懸念が提起されている(非特許文献5および6)。すなわち、T細胞クローンを樹立する工程で、増殖しやすいT細胞クローンが増殖してくるであろうし、PCRを用いた解析については、プライマーにより増幅効率が異なる可能性がある。





他方、本発明者らのグループおよび他のグループにより、ヒト(非特許文献7)およびマウス(非特許文献8)のTCRのCDR3αおよびCDR3βの転写産物の同時同定を可能にするsingle cell RT-PCRプロトコルが報告されている。しかしながら、それらのsingle cell RT-PCRプロトコルでは完全なタンパク質翻訳領域を含むTCRα/βcDNAペアをクローニングし、それを細胞で発現させることによって、その抗原特異性を決定するには至っていない。

産業上の利用分野



本発明は、T細胞受容体(TCR)の、迅速なクローニング方法に関する。本発明は、T細胞の解析、ペプチドワクチン等の医薬品の有効性の解析、病気の診断・治療等の分野で有用である。

特許請求の範囲 【請求項1】
1) 抗原Aに特異的なT細胞を含むT細胞群を、T細胞受容体(TCR)遺伝子増幅上有効な条件で刺激する工程(ただし、ヒト個体において刺激する場合を除く。);
2) 抗原Aに特異的なT細胞を含むT細胞群から、抗原Aに特異的なT細胞を特定して1個ずつ容器へソートする工程;および
3) 容器内の1個の活性化された抗原A特異的T細胞をPCRに供して、抗原Aに特異的なTCR遺伝子を増幅する工程
を含む、抗原Aに特異的なTCR遺伝子の製造方法であって
TCR遺伝子増幅上有効な条件が、IL-2またはIL-7およびPHA;抗CD3抗体、抗CD28抗体およびIL-2;抗原ペプチド、抗CD28抗体およびIL-2;またはPMAおよびCHXの存在下で細胞群を維持することあり、
工程1)、2)および3)が、この順で実施される、製造方法。

【請求項2】
さらに、
4) 取得したTCRをTCRを発現していないT細胞株に導入し、発現させ、その抗原特異性を検証する工程
を含む、請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
すべての工程を10日間以内に行う、請求項1または2に記載の製造方法。

【請求項4】
工程2)が、フローサイトメトリーまたはチップイムノスポットアッセイ(Immunospot-array assay on a chip、ISAAC)法により実施される、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項5】
工程2)が、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子と抗原A由来抗原ペプチド(p)との複合体を多量体化したもの(典型的には四量体化したもの(MHC/p四量体))と、抗CD4抗体または抗CD8抗体とを用いてフローサイトメトリーによりソートする工程である、請求項4に記載の製造方法。

【請求項6】
工程2)が、抗インターフェロン-γ(IFN-γ)抗体と、抗CD4抗体または抗CD8抗体とを用いてフローサイトメトリーによりソートする工程である、請求項4に記載の製造方法。

【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に定義された工程を含み、得られた抗原Aに特異的なTCR遺伝子を別のT細胞に導入して抗原Aに特異的な組換えT細胞を得る工程をさらに含む、組換えT細胞の製造方法。

【請求項8】
抗原AがTCR遺伝子治療により処置可能な疾患または状態に関連する抗原であり、別のT細胞が、当該処置可能な疾患または状態にある対象由来である、請求項7に記載の製造方法。

【請求項9】
抗原Aががん関連抗原であり、がん特異的TCR遺伝子、またはがん特異的組換えT細胞が製造される、請求項1~8のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項10】
がんの処置に用いるための、請求項9に記載の製造方法。

【請求項11】
がんまたは感染症にある対象におけるTCRレパートリーの解析のために行われる、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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