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アリールアルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼ遺伝子とその利用

国内特許コード P130008526
掲載日 2013年2月7日
出願番号 特願2011-139217
公開番号 特開2013-005740
登録番号 特許第5794620号
出願日 平成23年6月23日(2011.6.23)
公開日 平成25年1月10日(2013.1.10)
登録日 平成27年8月21日(2015.8.21)
発明者
  • 瀬筒 秀樹
  • 内野 恵郎
  • 二橋 美瑞子
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 アリールアルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼ遺伝子とその利用
発明の概要 【課題】 昆虫の様々な発生段階において肉眼で識別可能であり、野生型個体にも適用可能であり、かつ、母性遺伝しない、遺伝子組換えマーカーを提供すること
【解決手段】 昆虫の例としてカイコを選択し、カイコにおいて、アルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼ遺伝子を全身で過剰発現する遺伝子組換え体を作出した結果、その卵および体が薄色化することを見出した。アルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼ遺伝子は、昆虫における優れた遺伝子組換えマーカーとなる。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


カイコは、昆虫の発生学、生理学、遺伝学を研究する上で重要なモデル昆虫である。最近では、カイコは、学術研究のみならず、遺伝子組換え技術(非特許文献1)を利用した有用物質生産(非特許文献2~4)にも利用されている。さらに、カイコを用いた薬剤スクリーニングも試みられており(非特許文献5)、遺伝子組換えカイコを用いて、薬剤スクリーニングのシステムをさらに発展させる試みも行われている。



現在、マーカーを用いたカイコの遺伝子組換え個体の判別法は、3xP3プロモーターを用いて眼においてGFPなどの蛍光タンパク質を発現させ、蛍光により判別する方法(非特許文献6、7)か、w-1遺伝子(キヌレニン酸化酵素遺伝子)を導入して1齢幼虫の着色の変化で判別する方法(非特許文献8)が利用されている。



しかしながら、3xP3プロモーターとGFPマーカーを利用する方法は、GFPマーカーの検出に蛍光顕微鏡を必要とする点や、眼や卵に着色のないw-1遺伝子に変異が入った系統(w-1変異系統) (非特許文献9)を用いる必要がある点に問題がある。さらに、w-1変異系統を用いた場合でも、通常、産卵後7日目にならないと組換え体の判別ができないが、産卵後9日目以降になると頭部が黒く着色されるため、組換え体の判別が困難となる。すなわち、組換え体を判別しやすい時期が数日間に限定されてしまう。



w-1遺伝子を導入して判別する方法においても、w-1変異系統を用いる必要があるが、導入したw-1遺伝子の効果は母性遺伝するため、母親の遺伝型に影響をうけるという問題点がある。



このように、遺伝子組換えカイコを作製するための従来のシステムでは、w-1の劣性変異体を用いる必要があるが、現在、絹糸生産に使用されている実用系統はすべてw-1遺伝子が野生型となっている。このため、w-1遺伝子に変異を持つ実用系統を作出するためには、実用系統をw-1変異系統と何世代も交配してw-1遺伝子以外は実用系統と同じ個体を選抜する必要がある。絹糸生産に用いられるカイコの多くは交雑種のため、それぞれの原種に対し上記の交配と選抜を行う必要があるが、このような交配と選抜の作業には、多大な労力と時間を要する。



これらのことから、カイコの遺伝子組換え技術をより汎用的にするためには、肉眼で容易に識別可能で、w-1遺伝子に変異が入っていない系統でも利用可能な優性の遺伝子組換えマーカーを利用する必要がある。



また、コオロギ(非特許文献10)、ネッタイシマカ(非特許文献11~13)、ハマダラカ(非特許文献14)、コクヌストモドキ(非特許文献15)、テントウムシ(非特許文献16)、ジャノメチョウ(非特許文献17)など、カイコやショウジョウバエ以外の疫学及び基礎生物学に重要な昆虫においても遺伝子組換え技術が構築されている。しかし、ショウジョウバエに比べると組換え個体を得られる効率が低いため、組換え個体の大規模スクリーニングの際に判別しやすいマーカーの作出が重要である。肉眼で容易に識別可能で優性の遺伝子組換えマーカーは、系統を選ばないため、様々な昆虫種における遺伝子組み換え技術の確立と普及を促進するものと予想される。

産業上の利用分野


本発明は、昆虫の卵および体を薄色化させるための、昆虫のアリールアルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼ遺伝子の利用に関する。また、本発明は、この薄色化を指標とした遺伝子組換え体の選抜などのための、昆虫のアリールアルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼ遺伝子の利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
カイコのアリールアルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼをコードするDNAを含む、カイコのアリールアルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼの過剰発現によりカイコの卵および体を薄色化させるための薬剤。

【請求項2】
カイコのアリールアルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼをコードするDNAが導入され、カイコのアリールアルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼの過剰発現により薄色化されたカイコ

【請求項3】
請求項2に記載のカイコの卵、子孫またはクローン。

【請求項4】
卵および体が薄色化されたカイコの生産方法であって、カイコのアリールアルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼをコードするDNAをカイコに導入して、カイコのアリールアルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼを過剰発現させることを特徴とする方法。

【請求項5】
カイコが遺伝子組換えされているか否かを判定する方法であって、任意のDNAとカイコのアリールアルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼをコードするDNAをカイコに導入し、カイコのアリールアルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼの過剰発現による当該カイコの卵および/または体の薄色化を評価することを含む方法。

【請求項6】
遺伝子組換えカイコの生産方法であって、任意のDNAとカイコのアリールアルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼをコードするDNAをカイコに導入し、カイコのアリールアルキルアミン-N-アセチルトランスフェラーゼの過剰発現による当該カイコの卵および/または体の薄色化を評価し、卵および/または体が薄色化した個体を選抜することを含む方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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