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単板磁気特性測定方法および測定装置 コモンズ

国内特許コード P130008529
掲載日 2013年2月8日
出願番号 特願2012-266508
公開番号 特開2014-112605
登録番号 特許第5885646号
出願日 平成24年12月5日(2012.12.5)
公開日 平成26年6月19日(2014.6.19)
登録日 平成28年2月19日(2016.2.19)
発明者
  • 清水 敏久
  • 高野 耕至
  • 齋藤 泰典
  • 石井 仁
出願人
  • 公立大学法人首都大学東京
  • 岩崎通信機株式会社
発明の名称 単板磁気特性測定方法および測定装置 コモンズ
発明の概要 【課題】ヨークの鉄損等の磁気特性の影響を受けずに、単板のみの正確な鉄損等の磁気特性を測定できる励磁電流法の単板磁気特性測定装置の実現。
【解決手段】端面間の距離Lpが既知の2つの端面を有し、単ヨーク励磁コイル25および単ヨーク磁束密度検出用コイル26が設けられ、断面積Ayおよび磁路長Lyaが既知の単ヨーク22と、単ヨークと同一の磁気特性を有する材料で形成され、単ヨークと同一の断面形状の閉磁路をなし、複ヨーク励磁コイル27および複ヨーク磁束密度検出用コイル28が設けられ、磁路長Lybが既知の複ヨークと、を有する単板磁気特性測定装置。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要



単板は積層され、モーター、トランス、リアクトル等のコイル部品の鉄心として広く使用されている。近年の電気製品の省力化の流れで、これらコイル部品はその鉄心の電力損失である鉄損の低減が強く求められている。そのため、単板の鉄損等の磁気特性の正確な測定ニーズが高まってきている。





単板の磁気特性を測定する方法として、JIS規格のエプスタイン法(JIS C 2550)や単板磁気特性試験法(JIS C 2556)がある。さらにJIS C 2556の単板磁気特性試験法には、Hコイル法と励磁電流法の 2つの方法がある。JIS C 2550のエプスタイン法は、国際規格のIEC-60404-2に対応し、JIS C 2556の励磁電流法の単板磁気特性試験法は、IEC-60404-3に対応する。





エプスタイン法は幅30mm、長さ280~320mmの短冊型の単板を12枚以上積み重ねて正方形の単板閉磁路を作り、単板の磁気特性を測定する方法である。各々の単板には少なからず反り等の変形があり、重ねた四隅でエアーギャップが形成される。また、重ねた四隅とそれ以外の部位で単板閉磁路の断面積が異なる。そのため、単板内の磁束密度が不均一になり、正確な鉄損等の磁気特性が測定できないという問題がある。





単板磁気特性測定法は、Hコイル法も励磁電流法も、1枚の単板と軟磁性体カットコアであるヨークとを組合せて閉磁路を作り、単板の磁気特性を測定する方法である。単板の大きさについては、Hコイル法はエプスタイン法とほぼ同じであり、励磁電流法は500mm×500mmと非常に大きい。しかし、どちらの方法も単板の数量は1枚しか必要としないので、単板閉磁路の断面積はエプスタイン法のそれとは異なり一定で、単板内の磁束密度はエプスタイン法より均一である。





またヨークと単板の重なった部位でのエアーギャップの形成の問題も、エプスタイン法の単板を重ねた四隅に比べて遥かに軽減される。





Hコイル法と励磁電流法の大きな相違点は磁界の強さHの測定方法にある。Hコイル法は、Hコイルと呼ばれる磁界検出コイルに生じる誘導起電力を測定し、その値から磁界の強さHを求める方法である。一方、励磁電流法は磁界の強さHを生成している励磁電流を測定し、その値から磁界の強さHを求める方法である。





Hコイル法は、単板内に磁界を生成する励磁コイル、磁界の強さを検出する2個のHコイル、磁束密度を検出するBコイル、およびBコイルを鎖交する空隙磁束を補償する空隙補償コイルの4種、5個ものコイルが必要で、単板を貫通させるフレームにすべて設置されている。磁界の強さHの測定確度は、Hコイルの幅、長さ等の寸法精度、および単板の設置位置を基準としたHコイルの設置位置精度に大きく影響を受ける。ところが、上記のとおり、必要とされるコイルの種類と数量が多く、コイル構造が複雑であることから高精度でのコイル作成、および設置が技術的に極めて困難であり、正確な鉄損等の磁気特性が測定できないという問題がある。この技術的困難さゆえにHコイル法の単板磁気特性試験法の汎用測定器は、現在のところ存在しない。





励磁電流法は、Hコイル法から2個のHコイルを取り除いたもので、コイル構造はHコイル法に比べて簡素である。

また、Hコイルで磁界の強さHを検出するのではないので、Hコイルの寸法精度、および設置位置精度の問題は生じない。





現在、数多くのメ-カ-が励磁電流法の単板磁気特性試験法の汎用測定器を提供しているが、これらの従来の汎用測定器では、励磁電流法の測定から得られる鉄損にはヨークに関わる鉄損が含まれてしまう。同様に、測定から得られるその他の磁気特性もヨークの磁気特性の影響を受けてしまい、単板のみの正確な鉄損等の磁気特性が測定できないという問題があった。

産業上の利用分野



本発明は、板状軟磁性体(以下単板と呼ぶ)の単板磁気特性測定方法および測定装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
端面間の距離が既知の2つの端面を有し、かつ断面積および磁路長が既知の単ヨークの前記2つの端面に、被測定試料である単板を接触させて閉磁路を形成し、
前記単ヨークを任意の周期関数の第1励磁信号で励磁して、前記閉磁路を第1励磁状態にし、
前記第1励磁信号の強度から、前記第1励磁状態における前記閉磁路内の磁界の強さを算出し、
前記第1励磁状態における前記単板内の磁束密度を測定し、
前記第1励磁状態における前記単ヨーク内の磁束密度を測定し、
前記単ヨークと同一の磁気特性を有する材料で形成され、前記単ヨークと同一の断面形状の閉磁路をなし、かつ磁路長が既知の複ヨークを、前記任意の周期関数の第2励磁信号で励磁して、前記複ヨーク内に前記単ヨーク内の測定磁束密度に等しい磁束密度が得られる第2励磁状態にして、前記第2励磁信号の強度から、前記第2励磁状態における前記複ヨーク内の磁界の強さを算出し、
前記第1励磁状態における前記閉磁路内の磁界の強さおよび前記第2励磁状態における前記複ヨーク内の磁界の強さから前記単板内の磁界の強さを算出し、前記単板内の磁束密度および前記単板内の磁界の強さから単板の鉄損を算出する、ことを特徴とする単板磁気特性測定方法。

【請求項2】
前記複ヨークは、前記単ヨークと、前記単ヨークと同一の磁気特性を有する材料で形成され且つ同じ形状の第2単ヨークを、前記2つの端面で接触させることにより形成される請求項1記載の単板磁気特性測定方法。

【請求項3】
端面間の距離が既知の2つの端面を有し、単ヨーク励磁コイルおよび単ヨーク磁束密度検出用コイルが設けられ、断面積および磁路長が既知の単ヨークと、
前記単ヨークと同一の磁気特性を有する材料で形成され、前記単ヨークと同一の断面形状の閉磁路をなし、複ヨーク励磁コイルおよび複ヨーク磁束密度検出用コイルが設けられ、磁路長が既知の複ヨークと、を備える単板磁気特性測定装置。

【請求項4】
前記複ヨークは、前記単ヨークと、前記単ヨークと同一の磁気特性を有する材料で形成され且つ同じ形状の第2単ヨークを、前記2つの端面で接触させることにより形成される請求項3記載の単板磁気特性測定装置。

【請求項5】
任意の周期関数の励磁電流を出力する励磁信号発生器と、
前記励磁信号発生器に接続されたシャント抵抗と、
前記シャント抵抗の両端の電位差を測定する励磁電流測定回路と、
測定端子間の電位差を測定する電圧測定回路と、
前記励磁電流を、前記シャント抵抗を介して、前記単ヨーク励磁コイルまたは前記複ヨーク励磁コイルに流すように切り換える励磁電流切換スイッチと、
前記電圧測定回路の前記測定端子を、前記単ヨークの前記2つの端面に接触される被測定試料である単板に設けられた単板磁束密度検出用コイルの両端が接続される第1端子と、前記単ヨーク磁束密度検出用コイルの両端が接続される第2端子と、前記複ヨーク磁束密度検出用コイルの両端が接続される第3端子と、の間で切り換える電圧測定切換スイッチと、をさらに備える請求項3または4記載の単板磁気特性測定装置。

【請求項6】
任意の周期関数の励磁電流を出力する励磁信号発生器と、
前記励磁信号発生器に接続されたシャント抵抗と、
前記シャント抵抗の両端の電位差を測定する励磁電流測定回路と、
前記単ヨークの前記2つの端面に接触される被測定試料である単板に設けられた単板磁束密度検出用コイルの両端が接続される第1端子間の電位差を測定する単板誘起電圧測定回路と、
測定端子間の電位差を測定するヨーク誘起電圧測定回路と、
前記励磁電流を、前記シャント抵抗を介して、前記単ヨーク励磁コイルまたは前記複ヨーク励磁コイルに流すように切り換える励磁電流切換スイッチと、
前記測定端子を、前記単ヨーク磁束密度検出用コイルの両端が接続される第2端子と、前記複ヨーク磁束密度検出用コイルの両端が接続される第3端子と、の間で切り換えるヨーク誘起電圧測定切換スイッチと、をさらに備える請求項3または4記載の単板磁気特性測定装置。

【請求項7】
端面間の距離が既知の2つの端面を有し、かつ第2巻数の単ヨーク磁束密度検出用コイルが設けられ、断面積および磁路長が既知の単ヨークと、
前記単ヨークと同一の磁気特性を有する材料で形成され且つ同じ形状を有する第2単ヨークと、を備え、
前記単ヨークは固定され、
前記第2単ヨークは、前記2つの端面が前記単ヨークの前記2つの端面に接触するように着脱可能であり、
前記単ヨークと前記第2単ヨークは、前記2つの端面同士を接触させた状態で、前記単ヨークと同一の断面形状の閉磁路をなすことを特徴とする単板磁気特性測定装置。

【請求項8】
任意の周期関数の励磁電流を出力する励磁信号発生器と、
前記励磁信号発生器に接続されたシャント抵抗と、
前記シャント抵抗の両端の電位差を測定する励磁電流測定回路と、
前記単ヨークの前記2つの端面に接触される被測定試料である単板に設けられた単板磁束密度検出用コイルの両端が接続される第1端子間の電位差を測定する単板誘起電圧測定回路と、
前記単ヨーク磁束密度検出用コイルの両端が接続される測定端子間の電位差を測定するヨーク誘起電圧測定回路と、をさらに備える請求項7記載の単板磁気特性測定装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 登録
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