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放射線量率の測定方法及び放射線量率マップの作製方法

国内特許コード P130008555
整理番号 S2011-1113-N0
掲載日 2013年2月20日
出願番号 特願2011-168036
公開番号 特開2013-032926
登録番号 特許第5845021号
出願日 平成23年8月1日(2011.8.1)
公開日 平成25年2月14日(2013.2.14)
登録日 平成27年11月27日(2015.11.27)
発明者
  • 谷垣 実
  • 高宮 幸一
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 放射線量率の測定方法及び放射線量率マップの作製方法
発明の概要 【課題】 放射線量率を容易に、且つ、長期的に計測するための方法を提供する。
【解決手段】住民の生活圏において放射線の線量率を測定する方法であって、放射線の線量率を測定する放射線測定器と、現在位置に関する位置データを取得する位置情報取得機構と、放射線測定器により測定された線量率データ及び当該線量率データが測定された地点における位置データを関連付けて放射線量率マップデータとして記録するデータ処理機構とを備える線量率計測システムを用意することと、前記線量率計測システムを、前記住民の生活圏を移動する移動体に装備することと、前記移動体が前記住民の生活圏を移動している間に、前記線量率計測システムが前記放射線量率マップデータを収集することとを備える放射線量率の測定方法が提供される。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


原子力発電所のような原子炉を有する原子力関連施設の敷地内及び敷地周辺には、複数の固定式のモニタリングポストが点在するように配置されており、各モニタリングポストの位置における空間線量率が常時モニターされている。ここで、空間線量率(又は放射線量率)とは、対象とする空間の単位時間当たりの放射線量のことである。放射線の量を、物質が放射線から吸収したエネルギー量(吸収線量)で測定する場合、空間線量率は、吸収線量の単位であるGy(グレイ)を用いてGy/h(グレイ/時)で表される。あるいは、放射線の量を、生体の被曝の影響による生物学的影響の大きさ(線量当量)で測定する場合、空間線量率は、線量当量の単位であるSv(シーベルト)を用いてSv/h(シーベルト/時)で表される。なお、線量当量は、吸収線量に生体への影響に応じた係数をかけることにより求められる。空間線量率をモニターすることにより、放射性物質の漏洩をいち早く検知することができるとともに、必要に応じて、近隣住民に対して避難勧告などの適切な指示を出すことができる。しかしながら、チェルノブイリ原子力発電所や福島第1原子力発電所で発生した大規模な放射性物質の漏洩事故のような原子力災害が発生した場合、漏れ出した放射性物質は半径数十km~数百km(あるいはそれ以上)の広範囲の地域に拡散する。このような原子力災害が発生した場合、空間線量の分布を示すマップ(以下、放射線量率マップと呼ぶ)を作製することは、拡散した放射性物質がどこにどのくらい分布しているかを推定するため、及び、住民の被曝管理や放射性物質の拡散状況を推定するために重要であり、住民の避難区域や屋内退避区域を画定したり、住民が無用の被曝をしないように種々の規制区域を設けたりするために有用である。また、放射線量率マップの作製することは、除染計画や被害を受けた地域の環境修復の計画等を立てる上でも非常に重要である。



放射線量率マップの一例として、γ線(あるいはX線)の線量率分布をマッピングした(γ線の)空間線量率マップが挙げられる。このような空間線量率マップを作製する場合、モニタリングポストにおいて計測される空間線量率のデータを利用することが考えられる。しかしながら、モニタリングポストの設置箇所は限られているので、すべての地域において空間線量率を測定することは不可能である。また、大規模な放射性物質の漏洩事故を想定して、あらかじめ広範囲の地域にわたって、モニタリングポストを密に設置することは費用の面からも現実的ではない。



ここで、特許文献1には、設置場所を検知するGPS位置測定器及び放射線量を測定する放射線測定器を有する移動可能な子局と、子局から遠く離れた場所でデータ処理を行う親局とを備える緊急時環境放射線モニタリング装置が開示されている。なお、子局は、検出した位置データ及び放射線量データを無線で親局に伝送するデータ送信装置を有しており、親局は、各子局からの位置データ及び放射線量データを受信するデータ受信装置と、受信したデータを測定エリアの放射線量率マップとして画像化するデータ処理装置を有している。



このような装置はすでに実用化されており、例えば福島第一、第二原子力発電所を有する福島県には、NaIシンチレーション検出器、電離箱測定装置、中性子線量測定装置、ダストサンプラ、気象観測装置及びゲルマニウム半導体検出器等を搭載した環境放射線測定車が配備されている。この環境放射線測定車は、平常時には、福島第一及び第二原子力発電所に係る原子力防災対策を重点的に充実するために、発電所から半径10kmの範囲の地域において定められた計104地点を巡回し、各地点の空間線量率、大気浮遊じん中の放射能濃度等を測定している。そして、緊急時には、原子力発電所周辺地域の、予め定められている緊急時環境モニタリング地点において、同様に空間線量率、大気浮遊じん中の放射能濃度等の測定を行うことになっている。いずれの場合にも、測定されたデータは、衛星携帯電話回線を通じて福島県原子力センターに伝送される。

産業上の利用分野


本発明は、例えばγ線の空間線量率のような、放射線量率を測定する方法、及びそれに基づいて放射線量率マップを作製する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
射線の線量率を測定する方法であって、
放射線の線量率を測定する線量率測定器であって、前記線量率測定器に入射した放射線が前記線量率測定器中で失ったエネルギーに基づいて線量率を算出するように構成された線量率測定器と、現在位置に関する位置データを取得する位置情報取得機構と、前記線量率測定器により測定された線量率データ及び当該線量率データが測定された地点における位置データを関連付けて放射線量率マップデータとして記録するデータ処理機構とを備える線量率計測システムを用意することと、
前記線量率計測システムを、放射線の線量率の測定以外の目的で道路を移動する車両に装備することと、
前記車両が放射線の線量率の測定以外の目的で前記道路に沿って移動している間に、前記線量率計測システムが前記放射線量率マップデータを収集することと
あらかじめ算出した、前記車両内での放射線の線量率に対する前記車両外での放射線の線量率の比率に基づいて、前記車両内で測定された放射線の線量率の測定データを、前記車両の外の地上1mの高さにおける放射線の線量率のデータに換算することとを備える放射線量率の測定方法。

【請求項2】
前記車両は、所定の経路で定期的に前記道路を巡回する車両である請求項1に記載の放射線量率の測定方法。

【請求項3】
前記車両は、郵便配達車、路線バス、配達車両、宅配車両及びタクシーからなる一群から選択される車両である請求項1又は2に記載の放射線量率の測定方法。

【請求項4】
前記車両は、放射線量率の測定とは異なる業務に従事して前記道路を巡回する業務車両である請求項1~3のいずれか一項に記載の放射線量率の測定方法。

【請求項5】
前記線量率測定器は、固体シンチレーション検出器、半導体検出器、またはガスカウンタである請求項1~4のいずれか一項に記載の放射線量率の測定方法。

【請求項6】
前記あらかじめ算出した、前記車両内での放射線の線量率に対する前記車両外での放射線の線量率の比率は、ある測定位置において測定された、前記車両内での放射線の線量率と、前記車両を前記測定位置から遠ざけた場合の、前記測定位置における前記車両外での放射線量率との比率である請求項1~5のいずれか一項に記載の放射線量率の測定方法。

【請求項7】
前記あらかじめ算出した、前記車両内での放射線の線量率に対する前記車両外での放射線の線量率の比率は、ある測定位置において測定された、前記車両内での環境放射線による放射線の線量率と、前記車両を前記測定位置から遠ざけた場合の、前記測定位置における前記車両外での環境放射線による放射線量率との比率である請求項6に記載の放射線量率の測定方法。

【請求項8】
放射線の線量率マップを作製する方法であって、
請求項1~7のいずれか一項に記載の放射線量率の測定方法によって、前記放射線量率マップデータを取得することと、
前記放射線量率マップデータに基づいて、前記道路に沿った放射線の線量率マップを作製することを備える放射線量率マップの作製方法。
産業区分
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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