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血液脳関門障害改善剤

国内特許コード P130008581
掲載日 2013年2月26日
出願番号 特願2011-526757
登録番号 特許第5648637号
出願日 平成22年8月9日(2010.8.9)
登録日 平成26年11月21日(2014.11.21)
国際出願番号 JP2010063501
国際公開番号 WO2011019023
国際出願日 平成22年8月9日(2010.8.9)
国際公開日 平成23年2月17日(2011.2.17)
優先権データ
  • 特願2009-185816 (2009.8.10) JP
発明者
  • 植田 弘師
出願人
  • 国立大学法人 長崎大学
発明の名称 血液脳関門障害改善剤
発明の概要 脳虚血時に発生する血液脳関門の脆弱化を抑制し、血液脳関門を保護することのできる物質が望まれている。
本発明は、プロサイモシンαまたはこれと同等の機能を有するタンパク質もしくはペプチドを有効成分として含有することを特徴とする、血液脳関門障害改善剤を提供する。脳虚血により生じうる血液脳関門の脆弱化を改善することにより、本発明の剤は血液脳関門障害に起因する疾患の治療剤となり得る。
従来技術、競合技術の概要


ヒト脳では数百億個もの神経細胞が複雑なネットワークを構成しているが、数少ない神経幹細胞からの神経新生機構を考慮に入れないならば、基本的にはその細胞数は、生後ただ減少するばかりである。百数十年といわれる長い寿命の期間、様々な外来性、内因性のストレスに対して脳は様々な保護機構を駆使し、生存を維持している。脳自身のもつ保護機構には神経-グリアや神経-神経間に存在するコミュニティーが相互に影響しあってその高度な役割を維持すべく働いている。最もよく知られた神経保護メカニズムは神経栄養因子やサイトカインなどの分子によって機能されているものである。こうした神経栄養因子は様々なストレス条件下に見られるプログラム神経細胞死(アポトーシス)を抑制する働きを有するものとして知られている。もう一つのメカニズムは神経新生であり、最近の報告では脳虚血ストレス下に神経新生が亢進するとの報告はなされているが、大量に細胞死に陥る神経を補うには十分ではないことが予想される。



脳虚血時には虚血中心部コアの部分で破壊的な細胞死であるネクローシスが観察されるが、この細胞死は細胞内容物を外部に放散するため、本来ならば細胞傷害作用は更に周囲に拡散するはずである。ところが数日の後には周囲のペナンブラと呼ばれる領域では、細胞の断片化や凝縮、ミクログリアなどによる貪食といったアポトーシスに特有の現象が観察される。このようなペナンブラにみられるアポトーシスは、傷害部位を限局させることにより脳全体の傷害を防止する一種の保護機構として機能するものであると考えられる(非特許文献1参照)。発明者は、上述した脳虚血時にみられるネクローシスからアポトーシスへの細胞死形態の変換が、プロサイモシンαが引き起こすものであることを初めて見出した(非特許文献2参照)。



ところで脳卒中は日本人の死亡率第3位、寝たきりの病因で第1位の重要疾患であり、脳虚血が原因で生じる疾患である。脳卒中は予後を改善する意味で急性期治療が重要であるといわれている。現在注目されている主な治療方法はプラスミノーゲンアクチベータ(以下、「tPA」と記載する)をはじめとした血栓溶解剤であるが、その使用は3時間以内に限られ、その恩恵をうけることができる患者は十数パーセント程度にすぎない(非特許文献3参照)。これは脳卒中後の時間経過と共に血液脳関門が脆弱になるためであり、tPAなどの血栓溶解剤の使用により出血性脳卒中の危険性が増すからである。しかしながら、血栓溶解剤と共に用いることができるような、血液脳関門の脆弱化から血液脳関門を保護する作用を有する物質は未だ見出されていない。



発明者は近年、プロサイモシンαが神経細胞死保護作用を有する物質であり、この神経細胞死抑制効果によって脳卒中障害を軽減することができる物質であることを初めて見出した(特許文献1参照)。また発明者らはプロサイモシンαがマウス、ラットにおいて脳卒中および虚血性緑内障を抑制する効果を有することも見出した(非特許文献4~6参照)。

産業上の利用分野


本発明は、プロサイモシンα由来のポリペプチドなどを有効成分として含有する血液脳関門障害改善剤、血液脳関門障害を伴う疾患の治療剤などに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号6のアミノ酸配列で表されるポリペプチドを有効成分として含有してなる、血液脳関門障害改善剤。

【請求項2】
配列番号6のアミノ酸配列で表されるポリペプチドを有効成分として含有してなる、血液脳関門障害を伴う疾患の治療剤。

【請求項3】
血液脳関門障害を伴う疾患が、アテローム性動脈硬化または高血圧による二次性の血管障害、一過性血流障害、高血圧性脳障害、頭蓋内外の動脈の塞栓症、血栓症に起因する梗塞、動脈瘤、動静脈奇形、脳動脈狭窄性病変、硬膜動静脈瘻、血管外傷、血管性腫瘍、ウィルス感染性脳炎、あるいは脳梗塞後の脆弱性血管新生による浮腫または出血疾患である、請求項に記載の剤。

【請求項4】
配列番号4~6のいずれかから選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドおよび血栓溶解成分を有効成分として含有する、脳虚血性疾患用治療剤。

【請求項5】
血栓溶解成分が、プラスミノーゲンアクチベータである、請求項に記載の治療剤。

【請求項6】
脳虚血性疾患が、脳梗塞である、請求項4または5に記載の治療剤。

【請求項7】
配列番号で表されるアミノ酸配列からなる、ポリペプチド。

【請求項8】
血液脳関門障害改善剤の製造のための、配列番号6のアミノ酸配列で表されるポリペプチドの使用。
産業区分
  • 高分子化合物
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011526757thum.jpg
出願権利状態 登録
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