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エタノール酸化用金触媒およびそれを用いたアセトアルデヒド、酢酸の製造方法 新技術説明会

国内特許コード P130008602
掲載日 2013年3月5日
出願番号 特願2011-059461
公開番号 特開2011-219466
登録番号 特許第5787206号
出願日 平成23年3月17日(2011.3.17)
公開日 平成23年11月4日(2011.11.4)
登録日 平成27年8月7日(2015.8.7)
優先権データ
  • 特願2010-065746 (2010.3.23) JP
発明者
  • 春田 正毅
  • 武井 孝
  • 井口 徳彦
出願人
  • 公立大学法人首都大学東京
発明の名称 エタノール酸化用金触媒およびそれを用いたアセトアルデヒド、酢酸の製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】エタノールを選択的に酸化する触媒およびそれを用いたアセトアルデヒド、酢酸の製造方法並びに二酸化炭素と水に分解する方法を提供する。
【解決手段】酸素分子の存在下に、金微粒子を分散・固定した担体の卑金属酸化物として、La23、MgO、BaO、MoO3、WO3、Bi23、SrO、Y23、CuOを用いるアセトアルデヒドの選択的合成触媒、ZnO、TiO2、SnO2、SiO2、Al23、In23、ZrO2、V25を用いる酢酸とアセトアルデヒドの選択的合成触媒、またはMnO2、CeO2、CuO、Co34、NiO、Fe23を用いる完全酸化に有効な触媒を使用するエタノールの酸化方法。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


アセトアルデヒドおよび酢酸は工業用原料として重要な化学薬品である。現在、アセトアルデヒドおよび酢酸は、工業的には石油から得られる不飽和炭化水素であるエチレンや、天然ガスから製造されるメタノールを原料として用いて製造されている。例えば、アセトアルデヒドの製造においては、PdCl2-CuCl2触媒によりエチレンを酸化してアセトアルデヒドを製造するワッカー法が主として採用されている。しかし、この方法は触媒の酸性が強いので、反応容器の材質や腐食に課題がある。一方、酢酸の現行製造プロセスとしては、Pd/ヘテロポリ酸触媒を用いエチレンから製造する方法と、Rh触媒を用いメタノールから製造する方法の2種類の方法があるが、これらの方法においては3MPaという高い酸素圧を必要とする。



一方、21世紀に入って、地球温暖化を防止する観点から、ガソリンなどの燃料を始めとして、化学産業、ガソリンなどの燃料などあらゆる産業において化石資源から再生可能資源へと原料の転換が進められつつある。アセトアルデヒドや酢酸を製造するプロセスにおいても、石油などの化石資源から得られるエチレンのような不飽和炭化水素などから、エタノールなどのバイオマス由来の化合物に原料がシフトして行く技術潮流が見られる。このようなプロセスが実現すれば、石油資源に依らず、バイオマスを原料としてアセトアルデヒドと酢酸を製造することができるので、持続可能な化学プロセスの開拓を図ることができ、その工業的価値は大きい。



さらに、エタノールを二酸化炭素と水まで完全酸化する技術は、居住空間や工場等の空気浄化やエタノールを燃料とする燃料電池にとって非常に重要であり、これに適した触媒の開発も必要とされている。



これまで、エタノールを金触媒を用いて酸化する方法として、水溶液相でエタノールを酸素酸化する方法が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、水溶液相での製造は生産効率がそれほど高いものではないことから、工業的に行うにはさらに反応時間の短縮、反応効率の改善により、高速流量においても高収量でアセトアルデヒドあるいは酢酸を製造することが必要とされる。すなわち、上記のエチレンあるいはメタノールを用いる現行プロセスに置き換わりうる経済性を有する、エタノールを原料としてのアセトアルデヒドあるいは酢酸の製造プロセスを開発するには、液相による酸化ではなく、生産性の高い気相(気相反応においては反応ガス全体の触媒との接触時間は1秒前後であるのに対し、液相では分単位以上である)でのエタノール酸化反応を行うことが必要である。またエタノールの除去や燃料電池に応用するためには、できるだけ低温において気相でエタノールを効率よく分解できることが重要となってくる。



しかし、気相でのエタノールの酸素酸化については、これまで報告はあまりみられない。そのような数少ない報告例の一つとして、Au/CeO2によるエタノール気相酸化が挙げられる(非特許文献2)。この報告においては、アセトアルデヒドの生成は確認されているものの、反応条件として選定された473K~1073Kの温度においては、酢酸の生成は確認されていないし、エタノールの転化率を上げるべく反応温度を高温とすると、そのほとんどは炭酸ガスや一酸化炭素、メタンなどに分解されてしまう。また、他の報告例(非特許文献3)においては、V25/TiO2(anatase)による気相エタノール酸化が挙げられる。この反応においては、原料ガスの供給量を少なくすると、酢酸が選択的に生成されることが記載されているものの、反応収量が少ないという問題がある。



一方、本発明者は触媒としての活性が極めて乏しいとされていた金でも、直径10nm以下の半球状ナノ粒子として種々の金属酸化物担体上に分散・固定化することにより、低温CO酸化、プロピレンの気相一段エポキシ化、低温水性ガスシフト反応、酸素と水素からの直接過酸化水素合成など多くの反応に対して、他の貴金属より優れた触媒特性を発現することを見出している(例えば、特許文献1、非特許文献4参照)。また、本発明者らは、金の粒子径が2nm以下、原子数で300個以内のクラスターになると、触媒特性がさらに激変する場合があることも見出している(例えば、非特許文献5参照)。

産業上の利用分野


本発明は、金触媒を用いてエタノールからアセトアルデヒドや酢酸あるいはアセトアルデヒドを選択的に製造する方法およびエタノールを二酸化炭素と水に分解する方法並びに、これらに用いられるエタノール酸化用金触媒に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
酸素分子の存在下に、金微粒子を分散・固定した卑金属酸化物を触媒として、エタノールからアセトアルデヒドを気相で選択的に製造する方法であって、
上記卑金属酸化物が、La23、MgO及びBaOからなる群より選択される塩基性金属酸化物、Bi23、SrO及びY2からなる群より選択される酸素イオン導電性金属酸化物、並びにWO3からなる酸性金属酸化物からなる群より選択される1種以上であるか、又はそれらを1種類以上含む複合酸化物から選ばれた金属酸化物である
ことを特徴とする方法。

【請求項2】
酸素分子の存在下に、金微粒子を分散・固定した卑金属酸化物を触媒として、エタノールからアセトアルデヒドと酢酸を気相で選択的に製造する方法であって、
上記卑金属酸化物が、ZnO、TiO2、SnO2及びV25からなる群より選択されるn型半導体性金属酸化物、並びにIn23及びSiO2からなる群より選択される絶縁性金属酸化物からなる群より選択される1種以上であるか、又はそれらを1種類以上含む複合酸化物から選ばれた金属酸化物である
ことを特徴とする方法。

【請求項3】
酸素分子の存在下に、金微粒子を分散・固定した卑金属酸化物を触媒として、エタノールを二酸化炭素と水にまで完全酸化する方法であって、
上記卑金属酸化物が、MnO2、CuO、Co34、NiO、及びFe23からなる群より選択される3d遷移金属酸化物からなる群より選択される1種以上であるか、又はそれらを1種類以上含む複合酸化物から選ばれた金属酸化物である
ことを特徴とする方法。

【請求項4】
請求項1記載の方法であって、
上記卑金属酸化物が、La232及びMgOからなる群より選択される1種以上であるか、又はそれらを1種類以上含む複合酸化物から選ばれた金属酸化物である
ことを特徴とする方法。

【請求項5】
請求項2記載の方法であって、
上記卑金属酸化物が、ZnO、V25、及びIn23からなる群より選択される1種以上であるか、又はそれらを1種類以上含む複合酸化物から選ばれた金属酸化物である
ことを特徴とする方法。

【請求項6】
請求項3記載の方法であって、
上記卑金属酸化物が、CuO、Co34、NiO、及びFe23からなる群より選択される1種以上であるか、又はそれらを1種類以上含む複合酸化物から選ばれた金属酸化物である
ことを特徴とする方法。

【請求項7】
上記請求項4の方法に用いられる、金微粒子を分散・固定した、La232、MgOおよびそれらを1種類以上含む複合酸化物から選ばれた卑金属酸化物触媒。

【請求項8】
上記請求項5の方法に用いられる、金微粒子を分散・固定した、ZnO、In23、V25およびそれらを1種類以上含む複合酸化物から選ばれた卑金属酸化物触媒。

【請求項9】
上記請求項6の方法に用いられる、金微粒子を分散・固定した、CuO、Co34、NiO、Fe23およびそれらを1種類含む以上含む複合酸化物から選ばれた卑金属酸化物触媒。

【請求項10】
請求項1~3のいずれかに記載の方法において、卑金属酸化物担体上に分散・固定される金微粒子が直径10nm以下の金ナノ粒子または金クラスターであることを特徴とする方法。
産業区分
  • 処理操作
  • その他無機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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