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オゾン微細気泡の電解合成方法 コモンズ

国内特許コード P130008631
整理番号 H21-5
掲載日 2013年3月7日
出願番号 特願2010-019157
公開番号 特開2011-157580
登録番号 特許第5544181号
出願日 平成22年1月29日(2010.1.29)
公開日 平成23年8月18日(2011.8.18)
登録日 平成26年5月16日(2014.5.16)
発明者
  • 菊地 憲次
  • 奥 健夫
出願人
  • 公立大学法人 滋賀県立大学
  • パナソニック株式会社
  • デノラ・ペルメレック株式会社
発明の名称 オゾン微細気泡の電解合成方法 コモンズ
発明の概要
【課題】平均粒径が10nm~500nmのオゾン微細気泡を多量に溶解した電解水を、原料水から電解的に合成できる方法を提供する。
【構成】 導電性ダイヤモンド陽極5が設置された電解セル1に、電解質を含有する水溶液を供給して電気分解を行って、オゾン合成を行う際に、電流密度を0.01A/cm2~0.5A/cm2として電気分解を行うことにより、平均粒径が10nm~500nmのオゾン微細気泡を0.02mM以上含有する電解水を得る。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



[オゾン水]

オゾンガスを溶解したオゾン水は、米国FDA(食品医薬品局)では食品添加物リストに登載され、食品貯蔵、製造工程での殺菌剤として認可(2001年)が得られている。既に食品工場内の殺菌、食品そのものの殺菌に多くの実績がある。最近では、皮膚科、眼科、歯科などの医療現場においても、これまでの殺菌水と同等以上に効果を発揮しつつ、生体への負荷を軽減できることが注目されている。殺菌消毒剤としては、塩素系殺菌剤が価格面と効果の点で汎用されているが、塩素系殺菌剤の多量使用により弊害が発生し、例えば大量に食材を取り扱う工場、小売店では100ppmを越える次亜塩素酸ナトリウムによる洗浄を行っており、これが食材の味を損なうのみならず危険性(THMの増加)を付与していることが問題視されている。また、長期にわたる次亜塩素酸塩の使用によりこの薬剤に対する耐性菌が生じており、殺菌効果に疑念が生じている。





これを解決することを主目的として、電気分解により生成される電解水が、農業、食品、医療等の分野において有用であるかが鋭意検討され、日本を中心に代替利用が進んでいる。電解水の優れた殺菌・消毒作用に着目し、医療現場や家庭での利用、例えば患部、切開部、留置カテーテルの経皮開口部等の殺菌、消毒、あるいはキッチン用品、ベビー用品、家具等の家庭用品、トイレ、浴槽等の住居まわりの殺菌、消毒に使用することが検討されている。このような電解水は、溶解によりイオンが生じる溶質、例えば塩化ナトリウム等を添加し、また必要に応じpH調整のための酸を添加した水(被電解水)を、電気分解することによって得られる。





酸性水のメリットは、次の通りである。

(1) THMは酸性では生成しにくいため安全性が優れている。

(2) 耐性菌が発生しにくく、オンサイトで管理が行いやすい。

(3)アルカリ性電解水との併用処理ができる

(4)水道水のような感覚で利用でき、手指に匂いが残らない

(5)直前での使用で十分(殺菌時間が短い)である。





一方、オゾン水のメリットは、次の通りである。

(1) オゾン(OHラジカル)殺菌効果は細胞壁の酸化破壊であり無差別性のため耐性菌が存在しない。

(2) 酸素に分解されるため有害な二次生成物がない

(3) 残留性がない

残留性がないことはメリットでもあり、デメリットでもある。オゾンガスを溶液中に安定に保つことができれば、その応用、効果の拡大が期待できる。





[オゾン水の製法]

オゾン水は従来から放電型のオゾンガス発生器を用いて製造することが一般的であり、数ppmのオゾン水を容易に製造でき、浄水処理、食品洗浄分野で利用されている。しかしながら、以下の理由により使用分野に制限であった。

(1) オゾンをいったんガスとして発生させ、その後、水に溶解させる2つの工程を必要とすること。

(2) 後述する電解法に比較して濃度が低いため高圧下で水中に注入し、溶解させ、製造する必要がある。

(3) 発生電源が高電圧・高周波のため、小型化しにくい。

(4) 放電によるオゾン水生成装置では、オゾンガス発生能力が安定するまで時間(数分間の待機時間)を要し、瞬時に一定濃度のオゾン水を調製することが困難である。





電解法は、放電法に比較して電力原単位は劣るが、高濃度のオゾンガス及び水が容易に得られる特徴により、電子部品洗浄などの特殊分野で汎用されている。原理的に直流低圧電源を用いるため、瞬時応答性、安全性に優れており、小型のオゾンガス、オゾン水発生器としての利用が期待されている。





オゾンガスを効率よく発生させるには、適切な触媒と電解質を選択することが不可欠である。電極材料として、白金などの貴金属、α-二酸化鉛、β-二酸化鉛、フルオロカーボンを含浸させたグラッシーカーボン、ダイヤモンドが知られている。電解質としては、硫酸、リン酸、フッ素基含有などの水溶液が利用されてきたが、取り扱いが不便であり広まってはいない。固体高分子電解質を隔膜として用い、純水を原料とする水電解セルは、その点で管理がしやすく、汎用されている(非特許文献1)。従来からの触媒である二酸化鉛では、12重量%以上の高濃度なオゾンガスが得られる。





特許文献1では、導電性ダイヤモンドが機能水(オゾン含む)用電極として有用であることが開示されている。直接合成方式と呼ばれるシステムでは、電極近傍の溶液に十分な流速を与えることで、ガス化する前にオゾン水として取り出すようにしている(特許文献2)。特許文献3では、オゾンを溶解する電解水の噴霧装置、特に得られた電解水を霧状に噴霧する小型スプレー装置が考案されている。





[ナノバブル・マイクロバブル]

近年、ナノバブル、マイクロバブルと呼ばれる微細気泡に関する基礎的研究や実用化の検討が行われている。最近の展開については、微細気泡の最新技術NTS(2006)に記載されている。水と空気を急速に混ぜて発生させた直径数~数十ミクロンの気泡は、水中に安定に浮遊し、長期間に亘ってガス成分を保存することができる。これらの気泡は次第にガス成分が溶液に溶け込むに従い、ナノサイズにまで減少していくが、気泡の収縮過程が進行するに従い、内部は高圧、高温化する。最終的に気泡が消滅する際には周囲の水分子を圧壊し、ラジカルを生成することも報告されている。





当初、酸素などのガスを主体とするナノ、マイクロバブルの効果は報告され、その後マイクロバブル化したオゾン含有気泡は洗浄効果があることは知られている。以下に関連する技術、特許を説明する。





特許文献4には、気泡の直径が50~500nmであって、前記気泡内に酸素を含有する酸素ナノバブルが含まれる水溶液からなることを特徴とする酸素ナノバブル水についての開示がある。





特許文献5には、気泡の直径が50~500nmであって、前記気泡内にオゾンを含有するオゾンナノバブルが含まれる水溶液からなることを特徴とするオゾン水について開示がある。





特許文献6では、水中にオゾンが直径200nm以下のオゾンナノバブルとして存在し、前記オゾンの溶解濃度が、0.1~5mg/Lである長期持続型オゾン水について報告され、オゾンナノバブルとして長期に安定化させるためには、水溶液中に含まれるナトリウム等の電解質イオンが必要であることが開示されている。これは、オゾンナノバブルの周囲に特定の電解質イオンが存在することで、電解質イオン濃度の上昇によりガスに対する水の溶解度が低下する現象(ソルティングアウト現象)により気泡内部のガスの溶解を抑制する。





特許文献7では、液体中にマイクロバブルを発生させるためのマイクロバブル発生装置として、多孔質性を有する導電性材料で形成され、両極間に電圧が印加されることにより液体を電気分解する2つの電極を備えたマイクロバブル発生装置が、開示されているが、オゾンガスについては記載がなく、電極材料も限定されている。





製法に関しても多くの報告が見られる。特許文献8では、マイクロバブルを含む液体を貯留槽に供給し、この供給されたマイクロバブルを含む液体に対し超音波振動を印加することにより、前記液体中のマイクロバブルを圧壊し、前記液体中にナノバブルを生成する方法が開示されている。この他にも、水中放電、超音波による発生、特殊な硝子膜フィルターを用いる方法がある。旋回流式発生器では、オゾン発生装置のガスを循環水と混合させ、マイクロバブルを製造する。マイクロバブル発生装置では高圧水を流し、オリフィスを介してガスを真空圧下で吸収する。バブルジェット(登録商標)、微細液滴噴霧などの方式も開発されている。





応用技術に関しては、特許文献9では、ナノバブル及びマイクロバブルにより汚濁水を浄化するナノバブル利用汚濁水浄化方法が、特許文献10では除菌可能な水耕栽培装置および水耕栽培方法、特許文献11では冷却塔における冷却水にオゾンマイクロナノバブルを含有させる冷却水改質方法が開示されている。その他、船舶運航抵抗の低減、ウィルスの不活性化、食品分野、農業分野、養殖畜産における水質浄化、医療分野においては造影剤、治療(ドラッグデリバリー)などが検討されている。





製造方法に関しては改良すべき点があった。即ち、オゾン、酸素ガスを水に溶解させる方式では、大きい気泡のまま、溶解せずに放出される割合が大きく、オゾンガスについてはこれを除外する装置を付加する必要が生じ、不都合である。したがって、オゾンをナノバブルとして簡便に合成できる方法の開発は有意義である。





上記のように、水電解では水素、酸素のナノ気泡、マイクロ気泡の存在は報告されているが、電解によりオゾンナノ気泡、マイクロ気泡が合成できるかについては知られていない。また、適切な電極材料について、これまでに報告されていない。

産業上の利用分野



本発明は、オゾン微細気泡を溶解した電解水の電解合成方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
導電性ダイヤモンド陽極が設置された電解セルに、電解質を含有する水溶液を供給して電気分解を行って、オゾン微細気泡が溶解した電解水を製造する方法において、前記電解質が、炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、塩化物イオン、過塩素酸イオン、水酸イオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオンから成る群から選択される少なくとも1種であり、前記電解質を含有する水溶液として、その濃度範囲が0.1mM~1000mMの水溶液を使用して、電流密度を0.01A/cm2~0.5A/cm2として電気分解を行うことにより、平均粒径が10nm~500nmのオゾン微細気泡を、前記電気分解によって生成したオゾンガスの水和した溶解分濃度と、5倍希釈方法による濃度との差から算出した値で0.02mM以上含有する電解水を製造することを特徴とする方法。

【請求項2】
前記電解質を含有する水溶液として、その濃度範囲を10mM~1000mMの水溶液を使用した請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記電解質を含有する水溶液のpHをアルカリ性に調整した請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
前記陽極室でのオゾン微細気泡を含有する電解水の合成と同時に、前記陰極室で水素微細気泡を含有する電解水を合成する請求項1ないしのいずれか1項に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010019157thum.jpg
出願権利状態 登録


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