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水溶性チタニア・シリカ複合体を用いた薬剤 新技術説明会

国内特許コード P130008650
整理番号 S2012-0881-N0
掲載日 2013年3月11日
出願番号 特願2012-189311
公開番号 特開2014-047142
出願日 平成24年8月29日(2012.8.29)
公開日 平成26年3月17日(2014.3.17)
発明者
  • 高橋 宏昌
  • 立花 克郎
  • 中野 勝之
出願人
  • 学校法人福岡大学
発明の名称 水溶性チタニア・シリカ複合体を用いた薬剤 新技術説明会
発明の概要 【課題】酸化チタンを水溶化した水溶性チタニア・シリカ複合体を投与し、超音波照射により抗腫瘍作用などの細胞殺傷作用を呈することができる抗腫瘍剤や殺菌剤などの薬剤を提供すること。
【解決手段】本発明に係る薬剤は、本来水に不溶性である酸化チタンを、酸化チタンと酸化ケイ素が結合した過酸化結合からなる構造にして水溶化したチタニア・シリカ複合体を主成分とする水溶性チタニア・シリカ複合体からなっている。この水溶性チタニア・シリカ複合体からなる薬剤を、必要に応じて音響キャビテーション現象増強物質とともに投与し、特に焦点式超音波を所定時間照射することにより抗腫瘍作用などの細胞殺傷作用を呈することができる。本発明の薬剤は、非侵襲性で、副作用が少なくて有用である。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



酸化チタン(IV)であるチタニアは、白色の塗料、絵具、顔料などの着色料、光触媒、オフセット印刷用の感光体、触媒担体、太陽電池の素材などとして広く使用されている。





チタニアは、フッ化水素酸、熱濃硫酸および溶融アルカリ塩には溶解するが、その他の酸、アルカリ、水および有機溶剤には溶解しない、という化学的性質を有している。また、酸化チタンはpH6前後に等電点を有しているため、酸化チタン粒子は、中性付近の水系溶媒中では凝集を生じてしまい、これを均一に分散させることは極めて難しい。そのため、酸化チタン自体を医薬品として使用することは非常に困難である。





そこで、チタニアを高分散化し、かつ、水溶化して、医薬的用途に使用しようとする試みがなされている(特許文献1、2)。





特許文献1には、酸化チタン粒子の表面に、カルボキシル基、アミノ基、ジオール基、サリチル基、およびリン酸基から選ばれる官能基を介してのノニオン性の水溶性高分子を結合したチタニア・シリカ複合体粒子を使用している。このチタニア・シリカ複合体粒子は、超音波や紫外線の照射により細胞毒となり、癌細胞などを効率よく殺傷することができると記載されている。





特許文献2には、水溶性高分子により水系溶媒中で分散させたチタニア・シリカ複合体粒子の酸化チタン表面に、カルボキシル基、アミノ基、ジオール基、サリチル基、およびリン酸基から選ばれる官能基を介してリンカー分子を結合させ、さらにリンカー分子を介して低原子価遷移金属を含む分子を修飾して、分散性と触媒活性を保ちながら、さらに持続的な抗腫瘍効果を付与している、と記載されている。





しかしながら、先行技術文献には、ポリエチレングリコール結合酸化チタン(TiO2/PEG)の超音波照射による細胞に対するインビトロでの高い殺傷効果が記載されているが、インビボでの抗腫瘍効果については明らかではない。





一方、中野勝之らにより、酸化チタン粉末からチタニア・シリカ水溶液が調製されている(特許文献3~6)。このチタニア・シリカ水溶液は、酸化チタンと酸化ケイ素が結合した過酸化結合を有するチタニア・シリカ複合体からなる構造(チタニア・シリカ複合体)を有する光触媒を含む高分散性の水溶液である。このチタニア・シリカ複合体は、その酸化チタン構造部分が光触媒機能を、酸化ケイ素構造部分が超親水性機能を、また過酸化結合構造部分が可視光域吸収機能をそれぞれ発揮する画期的なインテリジェント光触媒として、太陽電池、家屋等の外壁や車等の外装など、便器など、大気・水質浄化システムなどにすでに応用利用されている。しかしながら、このチタニア・シリカ複合体水溶液は、医療用途への応用については一切意図されていないといえる。





そこで、発明者は、このチタニア・シリカ複合体水溶液に着目して、チタニア・シリカ複合体について鋭意研究した結果、このチタニア・シリカ複合体水溶液に扁平上皮癌細胞株を浮遊させて、得られた細胞浮遊液に超音波を照射したところ、細胞生存率が著しく低下することを見いだして、本発明を完成した。

産業上の利用分野



本発明は、水溶性チタニア・シリカ複合体を用いた薬剤に関するものである。更に詳細には、本発明は、チタニア・シリカ複合体を主成分とし、超音波照射により活性化して細胞殺傷作用を呈する抗腫瘍剤、殺菌剤などの薬剤およびこれを疾患治療に用いる用途に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
超音波照射によって励起されて細胞殺傷作用を呈するチタニア・シリカ複合体を主成分とする水溶性チタニア・シリカ複合体からなることを特徴とする薬剤。

【請求項2】
請求項1に記載の薬剤であって、前記薬剤が抗腫瘍剤または殺菌剤であることを特徴とする薬剤。

【請求項3】
請求項1または2に記載の薬剤であって、音響キャビテーション現象増強物質がさらに含まれていることを特徴とする薬剤。

【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の薬剤であって、前記水溶性チタニア・シリカ複合体が、酸化チタンと酸化ケイ素が結合した過酸化結合からなる構造を有することを特徴とする薬剤。

【請求項5】
チタニア・シリカ複合体を主成分として含有する水溶性チタニア・シリカ複合体であって、超音波を照射することによって励起されて細胞殺傷作用を呈することを特徴とする薬剤。

【請求項6】
請求項5に記載の薬剤であって、音響キャビテーション現象増強物質がさらに含まれていることを特徴とする薬剤。

【請求項7】
請求項5または6に記載の薬剤であって、前記水溶性チタニア・シリカ複合体が、酸化チタンと酸化ケイ素が結合した過酸化結合からなる構造を有することを特徴とする薬剤。

【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の薬剤であって、前記超音波が焦点式超音波であることを特徴とする薬剤。

【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の薬剤であって、前記超音波が高密度焦点式超音波であることを特徴とする薬剤。

【請求項10】
チタニア・シリカ複合体を主成分とする水溶性チタニア・シリカ複合体からなる薬剤を投与し、超音波を照射することによってチタニア・シリカ複合体を励起させて細胞殺傷作用を発現させることを特徴とする薬剤の用途。

【請求項11】
請求項10に記載の薬剤の用途であって、音響キャビテーション現象増強物質が併用されることを特徴とする薬剤の用途。

【請求項12】
請求項10または11に記載の薬剤の用途であって、前記超音波が焦点式超音波であることを特徴する薬剤の用途。

【請求項13】
請求項9~12のいずれか1項に記載の薬剤の用途であって、前記超音波が高密度焦点式超音波であることを特徴する薬剤の用途。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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