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赤色蛍光蛋白質を用いたカルシウムセンサー蛋白質 UPDATE コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P130008675
整理番号 1206-07
掲載日 2013年3月12日
出願番号 特願2012-137434
公開番号 特開2014-001161
登録番号 特許第6051438号
出願日 平成24年6月19日(2012.6.19)
公開日 平成26年1月9日(2014.1.9)
登録日 平成28年12月9日(2016.12.9)
発明者
  • 大倉 正道
  • 中井 淳一
出願人
  • 国立大学法人埼玉大学
発明の名称 赤色蛍光蛋白質を用いたカルシウムセンサー蛋白質 UPDATE コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】
本発明は、生体内(細胞外および細胞内)のカルシウム変動を探知し、カルシウム濃度を測定するのに用いられる、従来のものよりも更に反応性に優れた赤色蛍光カルシウムセンサーの提供を目的とする。
【解決手段】
蛍光特性に影響を及ぼすホットスポットアミノ酸残基の近傍で赤色蛍光タンパク質mAppleの構造を改変し、蛍光特性を変化させるように機能する機能性分子を連結し、そのC末端領域に特定の15アミノ酸からなるリンカーペプチド及び22アミノ酸からなる特定のペプチドを付加した改変体であって、高い蛍光反応性を示し、かつ、核内への局在を示さない赤色蛍光カルシウムセンサー蛋白質。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



カルシウムは生体にとって、構造の維持に必須である骨の主要な構成成分であると同時に、筋肉の収縮、神経興奮性やホルモン分泌、酵素活性の変化などの各種の細胞機能の調節因子として、生体機能の維持および調節に不可欠な役割を担っている。このため、生体内(細胞外及び細胞内)のカルシウム変動を探知し、カルシウム濃度を測定するのに用いられるカルシウムセンサーの重要性が高まっている。

カルシウムセンサーは大きく分けて4種類のものがこれまでに開発されている。以下にその概要を示す。





1)カルシウム感受性の合成色素:カルシウムに感受性のある化学合成された色素であり、現在一般によく使用されている。細胞内において使用する場合は、外部から細胞に取り込ませる必要があるが、特定の細胞のみに色素を取り込ませることは難しく、ガラス針等により細胞に該色素を注入しなければならないという問題点を有する。





2)エクオリン:カルシウムに反応して発光する蛋白質であり、細胞に直接注入するか、該蛋白質を産生する遺伝子を細胞に導入して使用する。細胞内で機能するためには細胞に補酵素を供給する必要があり、また発光が極めて微弱であるという問題点を有する。





3)蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を応用したカルシウム感受性蛋白質:カルシウムに感受性のあるカルモジュリン(CaM)とそれに結合するミオシン軽鎖キナーゼの一部の配列、二つの色の異なるGFP又はそのホモログを結合した蛋白質であり、カルシウムがCaMに結合するとその構造が変化し、FRETを起こして二つのGFPまたはそのホモログの発する蛍光強度が変化することを利用している。該蛋白質は、細胞に直接注入するか、該蛋白質をコードする遺伝子を細胞に取り込ませて使用する。FRETにおる蛍光変化は軽微であり、さらに一般的に用いられているアルゴンレーザーを搭載したレーザー顕微鏡により測定することが出来ないという問題点がある。





4)一つのGFP又はRFPからなるカルシウム感受性蛋白質:GFP又はRFP、好ましくはmApple、の改変体にCaMとミオシン軽鎖キナーゼの一部の配列を結合したカルシウム感受性蛋白質であり、カルシウムがCaMに結合すると蛋白質の構造が変化し、GFP又はRFPの発する蛍光強度が変化することを利用している。該蛋白質も、細胞に直接注入するか、その他遺伝子を細胞に取り込ませて使用する。一般にカルシウムに対する感度が低く、実際の細胞では信号/雑音比が低いため、測定が困難であるという問題点を有する。また従来のmAppleからなるカルシウム感受性蛋白質(R-GECO1:非特許文献1)は細胞内での発現部位が細胞質と核内であるため、該蛋白質を用いた測定では同一細胞の細胞質と核において異なるタイミングで蛍光変化が生じる場合があるという問題点がある。





本発明者らは、上記4)の応用として、GFPの蛍光特性を制御することが可能なカルシウムセンサー蛋白質を作成する方法、並びに該方法により作成されるカルシウムセンサー蛋白質、および該カルシウムセンサー蛋白質をコードするカルシウムセンサー遺伝子を提供し(特許文献1)、カルシウムに対する感度が従来のカルシウムセンサーに比して高く、かつ特定細胞への取り込みが容易であり、更に測定に特別な装置及び補酵素等を必要としないカルシウムセンサー蛋白質の作成に成功している(特許文献2、特許文献3)。

しかし、近年、生体内でのカルシウムの微少な変動を感知する必要性が以前にも増して高まっており、上記特許文献1、特許文献2及び特許文献3のカルシウムセンサー蛋白質をもってしても、十分な成果が上げられない状況となっている。





また近年、光刺激で細胞機能を操作し、同時に蛍光カルシウムイメージングで細胞機能を測定するという実験の要求が高まってきた。蛍光カルシウムイメージングに応用される赤色蛍光カルシウムセンサー蛋白質は、その励起波長が細胞機能操作を目的として汎用される光刺激プローブChannelrhodopsin-2(非特許文献2)の活性化波長と重複しないため、Channelrhodopsin-2との併用が可能である。つまり赤色蛍光カルシウムセンサー蛋白質によって細胞機能操作と細胞機能測定を同時に行う実験が可能となる。そのためChannelrhodopsin-2と併用可能な赤色蛍光カルシウムセンサー蛋白質の開発が強く望まれている状況である。

産業上の利用分野



本発明は、特定部位のアミノ酸を置換した赤色蛍光蛋白質(以下、RFP)、又はそのホモログを用いたカルシウムセンサー蛋白質に関する。より具体的には、従来の赤色蛍光カルシウムセンサー蛋白質よりも更に反応性に優れた、かつ細胞内で発現後に細胞質から核内への移行を示さない、カルシウムセンサー蛋白質、及び前記カルシウムセンサー蛋白質をコードするカルシウムセンサー遺伝子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記(a)~(k)のアミノ酸配列を、N末端から順に有することを特徴とするカルシウムセンサー蛋白質:
(a)配列番号1の2番目のArgが欠失したアミノ酸配列;
(b)配列番号6で示されるアミノ酸配列(リンカーA);
(c)配列番号7で示されるアミノ酸配列;
(d)前述の(c)の配列と後述の(e)の配列とを連結するPro-Valのアミノ酸配列(リンカーB);
(e)配列番号3で示される配列の151番目~236番目であって、151番目のアミノ酸がValに置換され、152番目のアミノ酸がSerに置換され、169番目のアミノ酸がGlyに置換され、171番目のアミノ酸がArgに置換され、219番目のアミノ酸がCysに置換されているアミノ酸配列;
(f)配列番号8で示されるアミノ酸配列;
(g)配列番号3で示される配列の1番目~150番目までのアミノ酸配列であり、1番目のアミノ酸がLeuに置換され、8番目のアミノ酸がAspに置換され、52番目のアミノ酸がValに置換され、54番目のアミノ酸がValに置換され、76番目のアミノ酸がAlaに置換され、136番目のアミノ酸がProに置換されているアミノ酸配列;
(h)前述の(g)の配列と後述の(i)の配列とを連結するThr-Argのアミノ酸配列(リンカーC);
(i)配列番号9で示される配列の2番目~148番目までのアミノ酸配列;
(j)配列番号11で示されるアミノ酸配列(リンカーD);
(k)配列番号12で示されるアミノ酸配列;

【請求項2】
前記請求項1に記載の蛋白質をコードするカルシウムセンサー遺伝子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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