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母乳中サイトカイン/ケモカイン値に基づく乳児アトピー性皮膚炎の発症予測

国内特許コード P130008710
整理番号 P12-038,S2012-1047-N0
掲載日 2013年3月18日
出願番号 特願2012-189525
公開番号 特開2014-048082
出願日 平成24年8月30日(2012.8.30)
公開日 平成26年3月17日(2014.3.17)
発明者
  • 下条 直樹
  • 河野 陽一
  • 鈴木 洋一
  • 落合 伸伍
出願人
  • 国立大学法人 千葉大学
発明の名称 母乳中サイトカイン/ケモカイン値に基づく乳児アトピー性皮膚炎の発症予測
発明の概要 【課題】母乳中に含まれる多様なサイトカイン/ケモカインのレベルと、アトピー性皮膚炎の発症との関連性を明らかにし、これに基づき、母乳中サイトカイン/ケモカイン値に基づく乳児アトピー性皮膚炎の発症予測方法及びそれに使用する診断薬、並びに乳児アトピー性皮膚炎の発症を予防するための組成物を提供すること。
【解決手段】乳児のアトピー性皮膚炎の発症リスクを判定する方法であって、(1)当該乳児が摂取する成熟乳中のエオタキシンの濃度を測定すること、及び(2)(1)において測定したエオタキシンの濃度と、当該乳児のアトピー性皮膚炎の発症リスクとを相関付けることを含む、方法;抗ヒトエオタキシン抗体を含む乳児のアトピー性皮膚炎の発症リスクの判定用診断薬;エオタキシンの産生を阻害する化合物を含む、乳児のアトピー性皮膚炎の発症リスクを低減させる組成物。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



母乳栄養は、乳児におけるアトピー性皮膚炎(AD)等の多くのアレルギー性疾患の発症に関連する1つの因子である。2001年における17の過去の研究のメタ解析は、生後3カ月間の母乳栄養が、アトピー性皮膚炎の成立に対して防御的な効果を有することを示している(非特許文献1)。しかしながら、1つの報告は、母乳栄養は防御的効果がないことを報告しており(非特許文献2)、他の報告はアトピー性皮膚炎を発症するリスクを増加させることを示唆している(非特許文献3及び4)。従って、母乳栄養がアトピー性皮膚炎の発症から乳児を予防したことを示した研究は1つもない。母乳栄養はアトピー性皮膚炎を予防するかもしれないが、母乳栄養とアトピー性皮膚炎の発症との間の関係が確証されているとはいえない。アトピー性皮膚炎及び他のアレルギー性疾患に関連する母乳栄養の効果についての研究が結論を見ていない理由の1つは、母乳の構成因子の複雑さ、及び乳児における腸環境と免疫系との間の相互作用の複雑さにある。





ヒト母乳は、多様なサイトカイン/ケモカインを含有する(非特許文献5)。それらのレベルは、母親のアレルギー状態等によって、個々の女性の間で大きく異なっている(非特許文献6~11)。特に重要なのは、ヒト母乳中に存在するいくつかのサイトカインは、胃において消化されず、むしろ乳児の消化管においてその生物学的な活性を維持するという事実である(非特許文献5及び12)。母乳を介して免疫調節作用を発揮するかもしれない多くの炎症性及び抗炎症性サイトカインが母乳中に含有されていることを考えると、母乳に含まれる幾つかのサイトカイン/ケモカインは乳児のアトピー性皮膚炎の発症を予防するように作用すると考えられているが、他のサイトカイン/ケモカインは、逆に作用するかもしれない。





近年、多くの研究者が母乳栄養のアレルギー関連効果を明らかにするため、母乳サイトカインを調べている。何人かの研究者が、母乳中に含有される特定のサイトカインがアレルギー疾患の成立に関連している可能性を示している(非特許文献13~15)。しかしながら、これらの研究の結果は明確なものではない。また、過去の研究は異なる時期に採取した母乳を使用している。アトピー性皮膚炎に関連する初乳及び成熟乳の双方におけるサイトカイン/ケモカインを調べた研究はほとんどない。

産業上の利用分野



本発明は、母乳中サイトカイン/ケモカイン値に基づく乳児アトピー性皮膚炎の発症予測方法、及びそれに使用する診断薬、並びに乳児アトピー性皮膚炎の発症防止のための組成物等に関する。より詳しくは本発明は、成熟乳中のエオタキシン濃度に基づく乳児アトピー性皮膚炎の発症予測方法、及びそれに使用する診断薬、並びに乳児アトピー性皮膚炎の発症予防のための組成物等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
乳児のアトピー性皮膚炎の発症リスクを判定する方法であって、
(1)当該乳児が摂取する成熟乳中のエオタキシンの濃度を測定すること;及び
(2)(1)において測定したエオタキシンの濃度と、当該乳児のアトピー性皮膚炎の発症リスクとを相関付けること、
を含む、方法。

【請求項2】
乳児のアトピー性皮膚炎の発症リスクを判定する方法であって、
(1)当該乳児が摂取する成熟乳中のエオタキシンの濃度を測定すること;及び
(2)(1)において測定したエオタキシンの濃度と、当該乳児のアトピー性皮膚炎の発症リスクとを相関付けること、を含み、更に
(3)該乳児が摂取する成熟乳中のIL-4、エオタキシン、G-CSF、GM-CSF、IFN-α2、及びMIP-1α、並びに初乳中のIL-1β及びIL-12p40からなる群から選択される少なくとも1つのサイトカイン/ケモカインの濃度を測定すること;及び
(4)(3)において測定したサイトカイン又はケモカインの濃度と、当該乳児のアトピー性皮膚炎の発症リスクとを相関付けること、
を含む、方法。

【請求項3】
前記(3)で測定するサイトカイン/ケモカインの濃度が、IFN-α2及びMIP-1αからなる群から選択される少なくとも1つのサイトカイン/ケモカインの濃度である、請求項2に記載の乳児のアトピー性皮膚炎の発症リスクを判定する方法。

【請求項4】
成熟乳が産後1ヵ月の母乳である、請求項1から3のいずれか1項に記載の乳児のアトピー性皮膚炎の発症リスクを判定する方法。

【請求項5】
乳児のアトピー性皮膚炎の発症リスクの判定用診断薬であって、当該乳児が摂取する成熟乳中のエオタキシン濃度を測定するための抗ヒトエオタキシン抗体を含む診断薬。

【請求項6】
乳児のアトピー性皮膚炎の発症リスクの判定用診断薬であって、当該乳児が摂取する成熟乳中のエオタキシン濃度を測定するための抗ヒトエオタキシン抗体を含み、更に抗ヒトIL-4抗体、抗ヒトG-CSF抗体、抗ヒトGM-CSF抗体、抗ヒトIFN-α2抗体、抗ヒトMIP-1α抗体、及び抗ヒトIL-1β抗体、抗ヒトIL-12p40抗体からなる群から選択される少なくとも1つの抗体を含む、診断薬。

【請求項7】
エオタキシンの産生を阻害する化合物を含む、乳児のアトピー性皮膚炎の発症リスクを低減させる組成物。

【請求項8】
エオタキシンの産生を阻害する化合物に加え、IL-4の産生を阻害する化合物、G-CSFの産生を阻害する化合物、GM-CSFの産生を阻害する化合物、IFN-α2の産生を阻害する化合物、及びMIP-1αの産生を阻害する化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を更に含む、請求項7に記載の乳児のアトピー性皮膚炎の発症リスクを低減させる組成物。

【請求項9】
エオタキシンの産生を阻害する化合物が、
大豆イソフラボン、カスチシン(Casticin)、フラクトオリゴ糖、フィコビリタンパク質(Phycobili protein)、コーヒー酸フェネチルエステル(カフェイン酸フェネチルエステル;Caffeic phenethl ester)及びトラニラストからなる群より選ばれるいずれか1つ又は2つ以上である、請求項7又は請求項8に記載の、乳児のアトピー性皮膚炎の発症リスクを低減させる組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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