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セメント用材料及びセメント

国内特許コード P130008729
整理番号 2007-P17
掲載日 2013年3月22日
出願番号 特願2007-246426
公開番号 特開2008-200476
登録番号 特許第5234536号
出願日 平成19年9月25日(2007.9.25)
公開日 平成20年9月4日(2008.9.4)
登録日 平成25年4月5日(2013.4.5)
優先権データ
  • 特願2007-014544 (2007.1.25) JP
発明者
  • 相澤 守
  • 吉川 哲史
  • 堀口 悠紀子
出願人
  • 学校法人明治大学
発明の名称 セメント用材料及びセメント
発明の概要

【課題】硬化時にpH変化を伴わないで硬化し、良好な生体適合性及び高負荷のかかる部位(脊椎の圧迫骨折など)へ適用できる14MPa以上の圧縮強度を有するセメント用材料及びセメントを提供すること。
【解決手段】イノシトールリン酸及び/又はそれらの塩を表面に吸着させた、カルシウム塩の粉体を含み、前記粉体の粒度分布が、粒子径P1及び粒子径P2にそれぞれ極大値を有しており、粒子径P1と粒子径P2との差が10~50μmであり、前記粉体のメジアン径が5~15μmであるセメント用材料。カルシウム塩の粉体を乾式粉砕する工程、並びに、乾式粉砕されたカルシウム塩の粉体をイノシトールリン酸及び/又はそれらの塩の溶液中に浸漬して、イノシトールリン酸及び/又はそれらの塩を前記カルシウム塩の粉体の表面に吸着させる工程よりなるセメント用材料の製造方法。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


リン酸カルシウムは脊椎動物の骨や歯などの硬組織にみられる無機物質とほぼ同一の組成や構造を有し、生体適合性を示す生体活性材料群である。
中でも、ヒドロキシアパタイトは生体内に埋め込んでも生体の拒否反応や壊死を引き起こさず、生体硬組織に同化、直接結合しやすい性質を有するので、骨欠損部及び骨空隙部等の修復用材料として期待されている。ヒドロキシアパタイトの材料形態は緻密体、多孔体、顆粒、セメント等があるが、任意形状に成形可能なアパタイトセメントは今後の発展が期待される材料である。



しかしながら、従来のアパタイトセメントは硬化時間が長く、また、生体内に埋め込んでから生体硬組織に同化、接合が始まるまでの骨誘導期間が4~5週間と長いことが知られている。この性質は患者の苦痛と関係することから、現行のアパタイトセメントの欠点の1つとされている(特許文献1)。また、従来のアパタイトセメントには曲げ強さに弱い欠点もある(非特許文献1)。また、従来のアパタイトセメントでは、硬化する際に酸・塩基反応を伴うために、生体内で硬化するまでの間に局所的なpH変動が起こり、炎症反応が惹起されるという問題点がある。



また、β-リン酸三カルシウムからなる多孔体は、移植骨の採取部や腫瘍切除後の補填材として使われているが、大腿骨や脛骨などのように高い荷重を支える長管骨の広範囲の欠損への適応はまだ確立されていない。これは、荷重長管骨と人工骨との界面に生じる過大な応力に耐えるほどの骨結合力が短期間では得られないからである。β-リン酸三カルシウムからなる多孔体は徐々に生体骨に置換されるが長時間を要するため、現実の治療では他の固定材料なしに荷重部分に用いるのには難がある(非特許文献2)。β-リン酸三カルシウムは生体骨に置換される特性を持つため、β-リン酸三カルシウムからなるセメント用材料の開発が臨床の現場より求められているが、未だβ-リン酸三カルシウム単一成分からなる生体吸収性セメントは開発されていない。



そこで、本発明者らの一人は上記の問題点を解決した「キレート硬化型骨修復用セメント」、すなわち、イノシトールリン酸のキレート硬化作用を利用して、硬化時にpH変化を伴わず単一成分で硬化するセメントを提案した(特許文献2)。イノシトールリン酸は動植物の生体内に存在し、極めて安全性の高い物質であり、更にEDTAに匹敵するキレート能をもつ。
このセメントは、整形外科領域及び歯科領域において、インジェクションの骨充填材として幅広い応用が期待できるが、圧縮強度が6~7MPaであり、力学的強度にいまだ検討の余地を残しているため、14MPa以上の高負荷のかかる部位(脊椎の圧迫骨折など)への適用には問題があった。




【特許文献1】特開平5-229807号公報

【特許文献2】特開2005-95346号公報

【非特許文献1】金澤孝文著「リン」第65~86頁(研成社、1997年)

【非特許文献2】日本化学会編「第6版 化学便覧 応用化学編II」第1485頁(丸善、2003年)

産業上の利用分野


本発明は、セメント用材料及びセメントに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
リン酸カルシウムの粉体を乾式粉砕する工程、並びに、
前記乾式粉砕されたリン酸カルシウムの粉体をフィチン酸及び/又はそれらの塩の溶液中に浸漬して、前記フィチン酸及び/又はそれらの塩を前記リン酸カルシウムの粉体の表面に吸着させる工程、よりなり、
乾式粉砕された前記粉体の粒度分布が、粒子径P1及び粒子径P2にそれぞれ極大値を有しており、
粒子径P1と粒子径P2との差が10~40μmであり、
前記粉体のメジアン径が5~15μmであることを特徴とする
セメント用材料の製造方法。

【請求項2】
前記リン酸カルシウムがヒドロキシアパタイトである、請求項1に記載のセメント用材料の製造方法。

【請求項3】
前記リン酸カルシウムの粉体を容器駆動媒体ミルにより乾式粉砕する、請求項1又は2に記載のセメント用材料の製造方法。

【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載の製造方法により得られたセメント用材料。

【請求項5】
請求項4に記載のセメント用材料と水性溶媒とを混練し、硬化させたことを特徴とするセメント。

【請求項6】
硬化後の圧縮強度が14MPa以上である請求項に記載のセメント。

【請求項7】
粒子径P1が15~25μmであり、粒子径P2が1.5~5μmである、請求項1~3のいずれか1つに記載のセメント用材料の製造方法。
産業区分
  • 治療衛生
  • 無機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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