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セメント用材料、セメント用材料の製造方法、セメントの製造方法及びセメント

国内特許コード P130008730
整理番号 2007-P26
掲載日 2013年3月22日
出願番号 特願2008-027149
公開番号 特開2009-183498
登録番号 特許第5354562号
出願日 平成20年2月7日(2008.2.7)
公開日 平成21年8月20日(2009.8.20)
登録日 平成25年9月6日(2013.9.6)
発明者
  • 相澤 守
  • 堀口 悠紀子
出願人
  • 学校法人明治大学
発明の名称 セメント用材料、セメント用材料の製造方法、セメントの製造方法及びセメント
発明の概要

【課題】硬化性に優れ、生体吸収性を備え、さらに硬化時にpH変化を伴わずに硬化可能なセメント用材料及び該セメント用材料の製造方法、並びに、生体吸収性及び圧縮強度に優れたセメントを提供すること。
【解決手段】イノシトールリン酸を表面に吸着させた、リン酸三カルシウムを主成分として含有する粉体を含むことを特徴とするセメント用材料。リン酸三カルシウムの粉体を粉砕する粉砕工程、及び、前記粉砕工程により得られた粉体をイノシトールリン酸の溶液中に浸漬して、イノシトールリン酸を前記粉体の表面に吸着させる吸着工程よりなることを特徴とするセメント用材料の製造方法。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


リン酸カルシウムは脊椎動物の骨や歯などの硬組織にみられる無機物質とほぼ同一の組成や構造を有し、生体適合性を示す生体活性材料群である。
中でも、ヒドロキシアパタイトは生体内に埋め込んでも生体の拒否反応や壊死を引き起こさず、生体硬組織に同化、接合しやすい性質を有するので、骨欠損部及び骨空隙部等の修復用材料として期待されている。ヒドロキシアパタイトの材料形態は緻密体、多孔体、顆粒、セメント等があるが、任意形状に成形可能なアパタイトセメントは今後の発展が期待される材料である。



しかし、ヒドロキシアパタイトを原料とするアパタイトセメントは、骨欠損部に補填することで欠損部への軟組織の進入を防ぐ機能(スペースメーキング)は十分であるものの、完全に骨に置き換わる場合がほとんどないため、自家骨移植や骨補填材と自家骨を混合して使用されることが多い。しかしその場合は大がかりな外科的な処置になるので実際の臨床への応用となると開業医レベルでの処置は難しい。完全に骨に置き換わる骨補填材の適用がより望ましいものと考えられている。



臨床的に利用されているバイオセラミックスの中で、一般的にヒドロキシアパタイトは生体内で安定であり、リン酸三カルシウム(β型及びα型いずれも)は生体内で吸収されることが知られている。
セメントではないが、特許文献1には、中心部がβ-リン酸三カルシウムで表面部がα-リン酸三カルシウムであるリン酸カルシウム粒子の製造方法が開示されている。特許文献1に記載された発明は、骨吸収性のα、β-リン酸三カルシウム(TCP)のそれぞれの特性に着目し、骨補填材として表面がα-TCPで中心部がβ-TCPである材料の製造方法を開発し補填後初期の段階でα-TCPにより新生骨を形成させた後、α-TCPが消失し、その後吸収速度が遅いβ-TCPが残り、長期的に骨へ置換するような骨補填材を製造できるようにしたものである。



従来のアパタイトセメント技術では、1)リン酸四カルシウムとリン酸水素二アンモニウムとの酸・塩基反応によりヒドロキシアパタイトを形成させて硬化させる方法、及び、2)α-リン酸三カルシウムを主成分とし、その加水分解によりアパタイトを形成させて硬化させる方法が主流であった。これらのプロセスは最終生成物がアパタイトとなるため、生体吸収性を備えたリン酸三カルシウム単一相あるいはそれを主成分とする骨修復セメントを作製することはできなかった。
また、この従来のセメント技術では、硬化する際に酸・塩基反応を伴うために生体内で硬化するまでの間に局所的なpH変動が起こり、炎症反応が惹起されるという問題点もあった。この問題を解決する手段として、特許文献2の方法がある。特許文献2には、イノシトールリン酸若しくはフィチン酸又はそれらの塩をカルシウム化合物の表面に吸着させた微結晶を含むことを特徴とするセメント用材料が開示されている。




【特許文献1】特開2006-122606号公報

【特許文献2】特開2005-95346号公報

産業上の利用分野


本発明は、セメント用材料、セメント用材料の製造方法、セメントの製造方法及びセメントに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
イノシトールリン酸を表面に吸着させた、リン酸三カルシウムを主成分として含有する粉体であって、前記粉体が、その他のカルシウム塩としてカルシウム欠損ヒドロキシアパタイトを含むことを特徴とする
圧縮強度10MPa以上のセメント形成用セメント用材料。

【請求項2】
前記リン酸三カルシウムがα-リン酸三カルシウム及び/又はβ-リン酸三カルシウムである請求項1に記載のセメント用材料。

【請求項3】
前記粉体は、リン酸三カルシウムを60重量%以上含有する粉体であり、前記その他のカルシウム塩の全量に対して、前記カルシウム欠損ヒドロキシアパタイトを80~100重量%含有する、請求項1又は2に記載のセメント材料。

【請求項4】
前記イノシトールリン酸がフィチン酸である請求項1~3いずれか1つに記載のセメント用材料。

【請求項5】
前記粉体の比表面積が20~150m2/gである請求項1~4いずれか1つに記載のセメント用材料。

【請求項6】
前記粉体のメジアン径が1~μmの範囲である請求項1~5いずれか1つに記載のセメント用材料。

【請求項7】
請求項1~6いずれか1つに記載の圧縮強度10MPa以上のセメント形成用セメント用材料の製造方法であって、
リン酸三カルシウムの粉体を、リン酸三カルシウムとカルシウム欠損ヒドロキシアパタイトとの二相になるまで粉砕する粉砕工程、及び、
前記粉砕工程により得られた粉体をイノシトールリン酸の溶液中に浸漬して、イノシトールリン酸を前記粉体の表面に吸着させる吸着工程よりなることを特徴とする
セメント用材料の製造方法。

【請求項8】
前記粉砕工程において、粉砕する方法が容器駆動媒体ミルによる湿式粉砕である請求項7に記載のセメント用材料の製造方法。

【請求項9】
請求項1~6いずれか1つに記載のセメント用材料を調製するセメント用材料調製工程、
前記セメント用材料と混練液とを混練するセメント組成物調製工程、及び、
前記セメント組成物を硬化させる硬化工程を含むことを特徴とする
セメントの製造方法。

【請求項10】
請求項9に記載の製造方法により製造したことを特徴とする
セメント。
産業区分
  • 治療衛生
  • 窯業
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
掲載中の発明について更に詳しい内容の説明を御希望の際は、お気軽にお問い合せください。


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