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繊維状リン酸カルシウム

国内特許コード P130008745
整理番号 2011-P02
掲載日 2013年3月22日
出願番号 特願2003-082521
公開番号 特開2004-284933
登録番号 特許第4764985号
出願日 平成15年3月25日(2003.3.25)
公開日 平成16年10月14日(2004.10.14)
登録日 平成23年6月24日(2011.6.24)
発明者
  • 相澤 守
出願人
  • 学校法人明治大学
  • 宇部マテリアルズ株式会社
発明の名称 繊維状リン酸カルシウム
発明の概要

【課題】生体吸収性が高い繊維質材料を提供すること。
【解決手段】リン酸三カルシウムからなる繊維状リン酸カルシウム。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要
生体の骨欠損部の修復方法として、骨欠損部に骨と同等の材料から形成された多孔質成形体を充填して、この成形体の気孔にて新しい骨組織を形成する方法が知られている。特に最近では、多孔質形成体の骨形成能を高めるために、あらかじめ生体外にて骨芽細胞を培養した多孔質成形体を骨欠損部に充填することも検討されている。また、生体の内臓の代替物として人工的に培養した細胞を利用する技術も知られている。例えば、多孔質成形体に肝細胞を培養し、これを人工肝臓として利用する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、骨欠損部修復用の多孔質成形体の材料として有利に用いることができる炭酸含有水酸アパタイトホイスカー及びその製造方法が記載されている。この文献には、炭酸含有水酸アパタイトホイスカーは、ホイスカーの相互の絡合により、比較的大きな間隙(気孔)を形成することができるので、間隙に新生骨組織が侵入しやすく、ホイスカー及び新生骨組織が一体化して新しい骨の形成を促進すると記載されている。この文献には、カルシウム塩とリン酸塩とを含む水溶液を尿素の存在下にて加熱すると、リン酸八カルシウム(以下、OCPと略記することがある)のホイスカーが生成し、このOCPホイスカーが加水分解して炭酸含有水酸アパタイトホイスカーが生成すると記載されている。また、OCPホイスカーを約1200℃まで加熱すると、α-リン酸三カルシウム(以下、α-TCPと略記することがある)とα-二リン酸カルシウムとの混合物からなるホイスカーを得ることができると記載されている。
【0004】
非特許文献1には、β-リン酸三カルシウム(以下、β-TCPと略記することがある)粉末から形成された多孔質成形体(人工骨)が記載されている。この文献には、β-TCPの多孔質形成体を骨組織中に充填すると、多孔質形成体を足場とした骨細胞の形成と多孔質成形体の生体への吸収とが進行し、多孔質形成体の充填部位が自家骨に経時的に置換すると記載されている。
【0005】
非特許文献2には、骨細胞(骨芽細胞)の培養に適した繊維状の炭酸含有水酸アパタイトから形成された多孔質成形体が記載されている。この文献には、メジアン径約250μmの連通気孔(マクロポア)と、繊維と繊維との間にできた微細な気孔(ミクロポア)とを有する多孔質成形体が記載されている。
【0006】
非特許文献3には、肝細胞を培養した多孔質成形体を人工肝臓として利用する技術が記載されている。この文献では、多孔質成形体として平均孔径が約500μm、空隙率が90%のポリウレタン発泡体が用いられている。
【0007】
【特許文献1】
特許2691593号公報
【非特許文献1】
入江洋之,「自家骨に置換する人工骨」,セラミックス,38(2003)No.1,p.55-57
【非特許文献2】
M.Aizawa,H.Shinoda等、外7名,「Development and Biological Evaluation Apatite Fibre Scafford with Large Pore Size and High Porosity for Bone Regeneration",Key Engineer Mater.,vol.240-242,647-650(2003)
【非特許文献3】
船津和守等、外3名,「ヒト臨床を目指したハイブリッド型人工肝臓補助システムの開発」,生体材料,Vol.15,No.6(1997),p.322-329
産業上の利用分野
本発明は、繊維状リン酸カルシウム、及びその製造方法に関する。本発明はまた、生体材料として、特に骨芽細胞や肝細胞などの各種細胞の培養基材として有利に用いることができる多孔質リン酸カルシウム成形体、及びその製造方法にも関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 α-リン酸三カルシウムの単一相、もしくはα-リン酸三カルシウムとβ-リン酸三カルシウムとの混合物、またはα-リン酸三カルシウムと水酸アパタイトとの混合物からなり、長さが60~200μmの範囲にあって、アスペクト比が20~100の範囲にある繊維状リン酸カルシウム。
【請求項2】 カルシウム塩とリン酸塩とをCaとPとのモル比(Ca/P)に換算して0.8~3.0の範囲となる量にて含む水溶液を尿素の存在下にて70℃以上90℃未満の温度で加熱して、リン酸八カルシウムとリン酸水素カルシウムとの混合物からなる繊維状物を生成させ、次いで、この繊維状物を90~180℃の温度で加熱して、リン酸八カルシウムとリン酸水素カルシウムの全量が加水分解しないうちに加熱を止めることによって、リン酸八カルシウム、リン酸水素カルシウム及び水酸アパタイトの混合物からなる繊維状リン酸カルシウムを生成させる工程と、得られた繊維状リン酸カルシウムを1200~1500℃の温度にて焼成することによりα-リン酸三カルシウムを生成させる工程とを含む請求項1に記載の繊維状リン酸カルシウムの製造方法。
【請求項3】 カルシウム塩とリン酸塩とをCaとPとのモル比(Ca/P)に換算して0.8以上1.67未満の範囲となる量にて含む水溶液を尿素の存在下にて70℃以上90℃未満の温度で加熱して、リン酸八カルシウムとリン酸水素カルシウムとの混合物からなる繊維状物を生成させ、次いで、この繊維状物を90~180℃の温度で加熱して、リン酸八カルシウムとリン酸水素カルシウムの全量を加水分解させることによって、カルシウム欠損型の水酸アパタイトからなる繊維状リン酸カルシウムを生成させる工程と、得られた繊維状リン酸カルシウムを1200~1500℃の温度にて焼成することによりα-リン酸三カルシウムを生成させる工程とを含む請求項1に記載の繊維状リン酸カルシウムの製造方法。
【請求項4】 α-リン酸三カルシウムの単一相、もしくはα-リン酸三カルシウムとβ-リン酸三カルシウムとの混合物、またはα-リン酸三カルシウムと水酸アパタイトとの混合物からなり、長さが60~200μmの範囲にあって、アスペクト比が20~100の範囲にある繊維状リン酸カルシウムの係合により形成された、直径が50~500μmの範囲にある気孔からなる連続気孔を有し、気孔率が95~99%の範囲にある多孔質リン酸カルシウム成形体。
【請求項5】 細胞培養用である請求項4に記載の多孔質リン酸カルシウム成形体。
【請求項6】 カルシウム塩とリン酸塩とをCaとPとのモル比(Ca/P)に換算して0.8~3.0の範囲となる量にて含む水溶液を尿素の存在下にて70℃以上90℃未満の温度で加熱して、リン酸八カルシウムとリン酸水素カルシウムとの混合物からなる繊維状物を生成させ、次いで、この繊維状物を90~180℃の温度で加熱して、リン酸八カルシウムとリン酸水素カルシウムの全量が加水分解しないうちに加熱を止めることによって、リン酸八カルシウム、リン酸水素カルシウム及び水酸アパタイトの混合物からなる繊維状リン酸カルシウムを生成させる工程、得られた繊維状リン酸カルシウムと粒子径が50~500μmの範囲にある可燃性球状材料との混合物スラリを調製する工程、混合物スラリを吸引ろ過して、繊維状リン酸カルシウムと可燃性球状材料との板状形成体を得る工程、そして板状形成体を1200~1500℃の温度にて焼成して、可燃性球状材料を焼却除去するとともにα-リン酸三カルシウムを生成させる工程を含む請求項4に記載の多孔質リン酸カルシウム成形体の製造方法。
【請求項7】 カルシウム塩とリン酸塩とをCaとPとのモル比(Ca/P)に換算して0.8以上1.67未満の範囲となる量にて含む水溶液を尿素の存在下にて70℃以上90℃未満の温度で加熱して、リン酸八カルシウムとリン酸水素カルシウムとの混合物からなる繊維状物を生成させ、次いで、この繊維状物を90~180℃の温度で加熱して、リン酸八カルシウムとリン酸水素カルシウムの全量を加水分解させることによって、カルシウム欠損型の水酸アパタイトからなる繊維状リン酸カルシウムを生成させる工程、得られた繊維状リン酸カルシウムと粒子径が50~500μmの範囲にある可燃性球状材料との混合物スラリを調製する工程、混合物スラリを吸引ろ過して、繊維状リン酸カルシウムと可燃性球状材料との板状形成体を得る工程、そして板状形成体を1200~1500℃の温度にて焼成して、可燃性球状材料を焼却除去するとともにα-リン酸三カルシウムを生成させる工程を含む請求項4に記載の多孔質リン酸カルシウム成形体の製造方法。
産業区分
  • 無機化合物
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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