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視野検査システム コモンズ

国内特許コード P130008807
整理番号 236
掲載日 2013年3月27日
出願番号 特願2010-029718
公開番号 特開2011-161122
登録番号 特許第5421146号
出願日 平成22年2月15日(2010.2.15)
公開日 平成23年8月25日(2011.8.25)
登録日 平成25年11月29日(2013.11.29)
発明者
  • 小谷 賢太郎
  • 田村 俊樹
  • 朝尾 隆文
  • 堀井 健
出願人
  • 学校法人 関西大学
発明の名称 視野検査システム コモンズ
発明の概要 【課題】本発明は、かかる事情に鑑み、客観的に短時間で視野を検査できる視野検査システムを提供することを課題とする。
【解決手段】被験者Pの視線位置を検出して、その視線位置検出信号を出力する視野位置検出装置1と、固視点aと該固視点aと所定間隔離れた視標bとを被験者Pに対して提示(表示)する提示装置2と、提示装置2が固視点aと視標bとを提示させるように制御する制御装置3と、被験者Pの視線が所定時間以内に視標bに達しないときに、その旨を報知する報知手段5とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


近年、高齢化により老化に伴う眼疾患が増加している。特に失明の大きな原因となっている緑内障は、日本では40歳以上の約20人に1人という高い有病率で、患者は約220万人いるとされている。緑内障は自覚症状がほとんどなく、緑内障であることが判明した時にはかなり症状が進行していることが多いため、精密な検査を実施する前段階として、視野に異常がある人とない人の切り分け(スクリーニング)を行う必要があり、場所を選ばずに多くの人を短時間で検査できる、スクリーニング用途の視野検査装置の必要性が述べられている。



現在の臨床現場で普及している視野検査装置として、ゴールドマン(Goldman)視野計やハンフリー視野計がある。これらの視野計は緑内障の経過観察・治療方針を決める上では有用な視野検査装置である。ゴールドマン視野計は、視標の輝度、大きさを固定し、周辺から中心に向かって移動させ、イソプタ(等感度曲線)を求め、得られたイソプタから患者の視野を評価するものである。また、ハンフリー視野計は視標の提示位置を固定し輝度を変え測定点毎の輝度を求め、得られた輝度から患者の視野を評価するものである。これらの視野計を用いて視野を検査するためには、(1)視野検査装置内に固定された固視点を注視し続けるように医師が被験者に指示し、(2)被験者が固視点を注視した状態で、視野検査装置が固視点の周辺に視標を提示し、(3)固視点の周辺に提示された視標が見えた場合に被験者が視野検査装置の回答用ボタンを押すことで回答し、(4)被験者からの回答を視野検査装置が記録し、(5)視野検査装置に記録された回答に基づいて視野検査装置が被験者の視野の範囲を示す情報を出力する、という手順を踏む必要がある。ハンフリー視野計に関しては、(1)~(5)の前にある範囲の輝度の値を求め、そこから各検査点の輝度の値を推定するという作業が必要となる。これらの視野計による検査時間は片眼で10分から20分程度かかり、暗室のような制限された環境で検査を行う必要がある。また、検査方法が煩雑であり、教示を理解できない幼児や高齢者に対して、検査を行うことが難しいという問題がある。これらの問題点から従来の視野検査装置はスクリーニングに適していないと考えられている(特許文献1及び非特許文献1,2参照)。



上記の視野検査は、視標が見えたかどうかの反応を示す際に、被験者の自主的な回答が必要となる。そのため、教示を理解できない乳幼児や高齢者に対しては、難しい検査である。この問題に対して、教示が不要で、被験者の自主的な回答を必要としない瞥見式視野検査装置の研究がなされている。例えば、固視点に対して、所定の視野の範囲にある視標を被験者に提示した際の眼球運動を観察する方法がある。この方法は、視覚系を持つ生物は視野内に対象物が現れると対象物の方向に視線を動かしてしまうという原理(定位反射)に基づくものである。この定位反射を観察する手段として、CCDカメラで撮影した顔画像からテンプレートマッピング法を利用して視線の方向を検出する方法や、視線位置検出装置を用いて視線の情報を得る方法が報告されている。この方法を利用すれば、眼球運動の動きから視標認識の有無を判断できるため、従来の検査装置のようにボタン押しによる回答を行う必要がなく、患者にとって煩雑さの少ない検査となる。



しかし、視標検出の判断手法として、定位反射を用いる場合、2つの点で問題がある。まず、眼球運動が生じたとしても、生じる眼球運動の跳躍量が小さいため、その眼球運動が視標を検出できたことを示す定位反射による眼球運動なのか、偶発的な眼球運動(たとえば、固視微動)なのかを切り分けることが困難な点である。このため、被験者にとって本来見えていないはずの領域が見えていると判断されてしまうなどの誤った結果が出力されてしまう危険性があり、検査結果として、信頼性の乏しい結果となることが問題点として挙げられている。また、定位反射は試行回数が多くなると抑制されてしまい、運動自体が生じなくなる可能性が指摘されている。周辺視野に視標を提示した場合や成人に対して検査を行った際にも定位反射は生じにくい結果となったことが報告されている。これらのことから、広範囲の視野を幅広い年齢層の被験者に対して検査を行う場合に、視標検出の判断手法として定位反射を用いるには限界があると報告されている(非特許文献3~5参照)。



網膜視神経節細胞は小さい物体や色覚、視力などを司る多数のP細胞と、大きな物体や急激に変化する視標を認識する少数で大型のM細胞やK細胞などから構成されている。近年の研究で初期の緑内障での視神経節細胞変性をM細胞で検出可能なことが明らかになり、M細胞をターゲットとしたFDT視野計が開発されている。FDT視野計は、白黒の縞模様を25Hzの周波数で交互に反転させ、正常なM細胞では視標が2重に見える錯視現象が起こるが変性を受けたM細胞では起こらないことを利用して視野異常を検出する原理であり、30秒程度の時間で片眼の検査をすることができるスクリーニングに適した装置である。しかし、FDTで正常と診断された被験者でもハンフリー視野計では異常となるケースもあり測定感度と特異度の評価が定まっていない(非特許文献6参照)。

産業上の利用分野


本発明は、被験者の視野を検査する視野検査システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被験者の視線位置を検出して、該視線位置検出信号を出力する視野位置検出装置と、
固視点と該固視点から所定間隔離れた視標とを被験者に対して表示領域内に提示する提示装置と、
該提示装置が固視点と視標とを提示させるように制御する制御装置とを備える視野検査システムにおいて、
制御装置は、
視線位置検出装置から受信した視線位置検出信号に基づいて予め設定されている第1の基準時間以内に被験者の視線が固視点から視標に達したか否かを判定する判定手段と、
該判定手段が第1の基準時間以内に被験者の視線が固視点から視標に達したと判定したときの、視標を提示してから被験者の視線が固視点から視標に達する1回の測定にかかる反応時間を複数回分記憶する記憶手段と、
判定手段が視標に達したと判定したときに、提示装置に提示されている固視点を消滅させ、提示装置に提示されている視標を新たな固視点とし、該固視点に対して検査する表示領域内の任意の位置に新たな視標を提示する視標位置制御手段と、
記憶手段に記憶された反応時間の測定回数が所定回数に達したときに、この所定回数分の反応時間に基づき、所定の演算を行うことにより、被験者の視線が固視点から視標に達したか否かを判定するための第2の基準時間を算出する基準時間算出手段と、を備えることを特徴とする視野検査システム。

【請求項2】
制御装置は、被験者の視線が第1の基準時間以内に視標に達しないときに、その旨を報知する報知手段を更に備える請求項1に記載の視野検査システム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 4C316AA18
  • 4C316AA21
  • 4C316FA02
  • 4C316FA04
画像

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JP2010029718thum.jpg
出願権利状態 登録
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