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レンズ歪みの補正法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P130008822
整理番号 301
掲載日 2013年3月27日
出願番号 特願2011-016399
公開番号 特開2012-155652
登録番号 特許第5654889号
出願日 平成23年1月28日(2011.1.28)
公開日 平成24年8月16日(2012.8.16)
登録日 平成26年11月28日(2014.11.28)
発明者
  • 棟安 実治
  • 花田 良子
  • 工藤 天志
出願人
  • 学校法人 関西大学
発明の名称 レンズ歪みの補正法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】短時間に、しかも、高精度に歪み係数を推定し、補正画像を正確に生成することができるようにしたレンズ歪みの補正法を提供する。
【解決手段】本レンズ歪みの補正法は、仮の歪み係数と誤差との関係が単峰性の目的関数によって表され、前記誤差の唯一の最小点から歪み係数を推定できるというる特質に着目する。仮の歪み係数を用いて補正後の枠線を求め、この補正後の枠線から回帰直線を計算し、この補正後の枠線の座標と回帰直線との誤差を計算し、最小の誤差を算出した仮の歪み係数を歪み係数と推定するが、2つの仮の歪み係数の誤差の大小を比較し、予め決められた誤差の閾値まで、その大小から一方の仮の歪み係数を更新し、仮の歪み係数の範囲を絞りこむ。そして、絞り込まれた範囲では、仮の歪み係数の下限に反復値を順次、上限まで加算し、加算された各仮の歪み係数の誤差を算出する。そして、最小の誤差を算出した仮の歪み係数を歪み係数と推定する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



携帯電話には、カメラ機能や2次元バーコードを読み取るアプリケーション(ソフトウェア)を搭載した機種が多数提供されている。そして、携帯電話は、カメラ機能によって2次元バーコードを撮影し、アプリケーションが2次元バーコードに記録されたインターネットのURLなどを解析することにより、Webサイトを画面に表示する機能を備えている。





しかし、携帯電話に備えられたカメラ機能は、コンパクト化を図るため、小口型のレンズを搭載している。このようなレンズで撮影された撮影画像は、いわゆる樽型歪みが生じ、2次元バーコードを正確に読み取ることができにくいため、2次元バーコードに埋め込まれた情報の検出率が低下するという問題がある。また、望遠レンズで撮影された撮影画像は、いわゆる糸巻き型歪みが生じる。





そこで、樽型歪みや糸巻き型歪みなどの歪曲収差歪みが生じている撮影画像の特性を考慮することにより、両方の歪みを補正することのできるようにしたレンズ歪みの補正法が非特許文献1に提案されている。このレンズ歪みの補正法は、歪曲収差歪みが撮影画像の中央を中心として放射状に生じ、中心点から離れるにしたがって歪み量が多くなるという[数1]に示された関係を応用している。





【数1】








レンズ歪みの補正法では、一般に高次の項が比較的重要でないとされるため、撮影画像から歪み係数K2を推定することなく、歪み係数K1を推定することで、歪みのない画像座標x’,y’を算出する。歪み係数K1は、図3に示すような手順によって推定する。





すなわち、まず、四角形状の撮影画像から直線に近い枠線の1辺(細長い楕円形で囲った一方の1辺)を抽出し、この枠線上の複数画素の座標を座標群として保存する(S1)。次に、歪み係数K1の候補として多数の仮の歪み係数について保存された座標群を用いて最小2乗法による直線回帰を行い、求められた多数の回帰直線と保存された座標群上の点との2乗距離を合計した誤差が最小となった仮の歪み係数を歪み係数K1と推定する。





直線回帰とは、複数のデータ(x1,y1),…,(xn,yn)が与えられたときに、できるだけ各データの点の近くを通る直線y=ax+b(回帰直線)の傾きaと切片bとを求めることである。回帰直線は、予め決められた範囲の複数の仮の歪み係数(K1min=-9×10-8~K1max=9×10-8)について多数求める。





すなわち、まず、仮の歪み係数の初期値K1min(=-9×10-8)を設定し(S2)、この初期値K1minに対する保存された座標群に対する補正後の座標群(枠線)を[数1]の式から求める(S3)。続いて、補正後の座標群から最小2乗法による直線回帰を行い、回帰直線を推定する(S4)。そして、補正後の座標群(枠線)と回帰直線との2乗距離の合計を誤差として求め(S5)、この誤差を仮の歪み係数K1minの値とともに保存する(S6)。





そして、仮の歪み係数の初期値K1min(=-9×10-8)に反復値K1int(=0.1×10-8)を加算して仮の歪み係数K1(min+1)(=-9.1×10-8)を更新する(S7)。この更新された仮の歪み係数K1(min+1)についても、前記の操作(S3~S6)を行う。この操作(S3~S6)は、仮の歪み係数K1がK1max(=9×10-8)を超えるまで繰り返される。





すなわち、仮の歪み係数K1がK1max(=9×10-8)を超えると、得られた仮の歪み係数K1min~K1maxの中から前記誤差が最小となるときの仮の歪み係数を最適な歪み係数K1の推定値とし、この最適な歪み係数K1をパラメータとして[数1]に示された式を用いて補正画像を生成することでレンズ歪みの補正を行う(S8)。この手法では、保存する座標群として枠線の上辺、左辺の2辺上の座標群をそれぞれ使用し、各座標群からそれぞれ求められた歪み係数K1の平均値を最終的なパラメータとしている。





なお、射影変換をレンズ歪み補正よりも先に行うと、「レンズによる歪みは、撮影画像の中央を中心として放射状に生じる。」という関係が崩れるため、正確にレンズ歪みを補正することができなくなる。よって、レンズ歪み補正を行った後に射影変換が行われる。

産業上の利用分野


本発明は、例えば携帯型電話機や携帯型ゲーム機などの携帯型電子機器(以下、「携帯電話」という。)に備えられたカメラによって撮影された撮影画像が樽型歪みや糸巻き型歪みなどの歪曲収差歪みを生じている場合に、この歪曲収差歪みを補正するためのレンズ歪みの補正法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
四角形状の撮影画像から直線に近い枠線を抽出し、この枠線上の画素の座標を保存し、歪みのない画像座標を算出するためのパラメータである歪み係数を算出するため、予め決められた範囲から歪み係数の候補とされる複数の仮の歪み係数を算出し、各仮の歪み係数を用いて補正後の枠線を求め、この補正後の枠線から回帰直線を計算し、この補正後の枠線の座標と回帰直線との誤差を計算し、最小の誤差を算出した仮の歪み係数を歪み係数と推定し、この歪み係数をパラメータとして補正画像を形成するレンズ歪みの補正法であって、
前記仮の歪み係数の範囲を設定するステップと、
前記仮の歪み係数の範囲の上限及び下限から求められた2つの仮の歪み係数を用いた極小点探査法によって該仮の歪み係数の範囲を絞り込むステップと、
絞り込まれた範囲における仮の歪み係数の下限に反復値を順次、上限まで加算し、加算された各仮の歪み係数の誤差を算出し、最小の誤差を算出した仮の歪み係数を歪み係数と推定するステップと、を備え、
前記極小点探査法は、
各仮の歪み係数を用いて求められた補正後の枠線と、この補正後の枠線から計算された回帰直線との誤差である仮の歪み係数の誤差をそれぞれ計算する第一ステップと、
2つの仮の歪み係数の誤差の大小を比較する第二ステップと、
その大小から一方の仮の歪み係数を更新する第三ステップと、を有し、
仮の歪み係数の誤差が予め決められた閾値より小さくなるまで前記第一~第三ステップを行うことで、前記仮の歪み係数の範囲を段階的に狭める、レンズ歪みの補正法。

【請求項2】
前記極小点探査法は、黄金分割探査法であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ歪みの補正法。

【請求項3】
四角形状の撮影画像枠線の4辺について枠線上の画素の座標を保存し、推定精度を向上させることのできる3辺から歪み係数を推定することを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ歪みの補正法。

【請求項4】
樽型歪みの撮影画像では、歪曲の小さな3辺から歪み係数を推定することを特徴とする請求項3に記載のレンズ歪みの補正法。

【請求項5】
糸巻き型歪みの撮影画像では、歪曲の大きな3辺から歪み係数を推定することを特徴とする請求項3に記載のレンズ歪みの補正法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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