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イネの病原菌に対する抵抗性を高める方法及び病原菌耐性イネ形質転換体

国内特許コード P130008845
掲載日 2013年3月28日
出願番号 特願2007-111906
公開番号 特開2007-306917
登録番号 特許第5164093号
出願日 平成19年4月20日(2007.4.20)
公開日 平成19年11月29日(2007.11.29)
登録日 平成24年12月28日(2012.12.28)
優先権データ
  • 特願2006-117154 (2006.4.20) JP
発明者
  • 今井 亮三
  • 加藤 英樹
  • 島 周平
  • 仲下 英雄
  • 安田 美智子
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
  • 独立行政法人理化学研究所
発明の名称 イネの病原菌に対する抵抗性を高める方法及び病原菌耐性イネ形質転換体
発明の概要

【課題】イネの病原菌に対する抵抗性を高める方法、及び病原菌に対する抵抗性を有するイネ形質転換体を提供する。
【解決手段】イネにおいて、特定の塩基配列を有する生体防御関連遺伝子またはその変異遺伝子の少なくとも1種の遺伝子の発現レベルを高めることを含む、イネの病原菌に対する抵抗性を高める方法、及びこのような生体防御関連遺伝子またはその変異遺伝子の少なくとも1種の遺伝子が外来的にかつ発現可能に導入されたことを特徴とする、病原菌耐性イネ形質転換体。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


従来より、農作物の病害防除方法として、植物病原菌に直接作用して病害を防除する農薬の使用がある。病原菌に対して殺菌効果を示すタイプの農薬は、継続的使用により薬剤に対して耐性変異株が出現するという大きな問題を抱えている。また、残留農薬の人体への影響や環境中での難分解性等も大きな問題となっている。



他の病害防除方法として、植物自体が有する病害抵抗性を高めることで作物の病害を防除する農薬(抵抗性誘導型農薬)の使用がある。抵抗性誘導型農薬は、植物の自然免疫機構、即ち病原菌を認識して抵抗性を活性化することが知られている。抵抗性誘導型農薬としては、プロペナゾール(商品名:オリザメート)、アシベンゾラル-S-メチル等が実用化されているが、いずれも化学合成農薬であり、前記殺菌剤タイプの農薬と同様、人体、環境等への影響を考慮すると、過度の依存は避ける必要がある。



そこで、化学合成農薬を含まない病害防除効果のある植物活力剤が開発されている(特許文献1、2)。これらの植物活力剤は、食酢、トレハロース及び植物抽出成分の組み合わせである。



トレハロースは、植物のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)、ペルオキシダーゼ、ジャスモン酸などの活性を高め、植物の生体防御反応を誘導する物質、いわゆるシグナル分子(エリシター)であることが知られている。このエリシターを用いて植物の病害を防除する方法がある。例えば、小麦の葉にトレハロースの溶液をスプレーするとウドンコ病感染を減少することができる(非特許文献1)。また、小麦及びブドウの苗をトレハロースで処理し、更に亜リン酸、フォセチルアルミニウム等の相乗剤で処理すると、小麦ウドンコ病、ブドウべと病に対して相乗効果がある(特許文献3)。しかしながら、トレハロースのみを小麦ウドンコ病、ブドウべと病に適用した場合、直接的な効果はない(特許文献3)。



近年、遺伝子組換えにより病害に強い農作物が作出されている。例えば、イネいもち病菌由来cerebroside型エリシターにより発現が誘導されるタンパク質をコードする遺伝子を導入した、イネいもち病に対する抵抗性を有するイネ形質転換体がある(特許文献4)。



しかし、前述のエリシターであるトレハロースを用いて、発現が誘導されるイネのタンパク質や遺伝子についての網羅的な研究はなく、また、そのようなイネの遺伝子を利用して病原菌に対する抵抗性を高めることは未だ行われていない。




【特許文献1】特開2001-61344号公報

【特許文献2】特開2001-64112号公報

【特許文献3】特表2002-511495号公報

【特許文献4】特開2002-272291号公報

【非特許文献1】PH. Reignault et al., (2001) Trehalose induces resistance to powdery meldew in wheat. New Phytologist, Vol.149, pp.519-529

産業上の利用分野


本発明は、イネの病原菌に対する抵抗性を高める方法及び病原菌耐性イネ形質転換体に関し、更に詳細には、生体防御関連遺伝子の発現レベルを高めることにより、病原菌に対する抵抗性を高める方法、及び生体防御関連遺伝子を導入した病原菌耐性イネ形質転換体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
イネにおいて、配列番号59の塩基配列を有する生体防御関連遺伝子の発現レベルを高めることを含む、イネの病原菌に対する抵抗性を高める方法。

【請求項2】
前記遺伝子の発現レベルが、イネ又はその種子をトレハロース又はその誘導体で処理することによって高められる、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記遺伝子の発現レベルが、イネに該遺伝子を外来的にかつ発現可能に導入することによって高められる、請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
前記遺伝子の発現レベルが、対照のイネに対して2倍以上高まる、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。

【請求項5】
前記病原菌が、いもち病菌又は苗立枯細菌病菌である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。

【請求項6】
配列番号59の塩基配列を有する生体防御関連遺伝子が外来的にかつ発現可能に導入されたことを特徴とする、病原菌耐性イネ形質転換体。

【請求項7】
前記病原菌が、いもち病菌又は苗立枯細菌病菌である、請求項6に記載の形質転換体。

【請求項8】
イネの病原菌に対する抵抗性を高めるための、配列番号59の塩基配列を有する生体防御関連遺伝子の使用方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 農林
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中


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