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L-乳酸の製造方法 新技術説明会

国内特許コード P130008874
掲載日 2013年4月1日
出願番号 特願2010-104030
公開番号 特開2011-229476
登録番号 特許第5717119号
出願日 平成22年4月28日(2010.4.28)
公開日 平成23年11月17日(2011.11.17)
登録日 平成27年3月27日(2015.3.27)
発明者
  • 滝澤 昇
  • 村上 翔
出願人
  • 学校法人加計学園
発明の名称 L-乳酸の製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】
グリセリン、特にバイオディーゼル廃液から微生物を用いて光学純度の高いL-乳酸を製造する方法を提供する。
【解決手段】
炭素源としてグリセリンを含有する原料を用いてエンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)にL-乳酸を生産させる。このときエンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)W11菌株を用いることが好適である。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


乳酸は、食品用、医薬品用などの用途以外に、バイオプラスチックのモノマー原料として工業的用途にも広く適用され、需要が増加している。バイオプラスチックとは、微生物の働きによって分解される生分解性プラスチックと、再生可能な有機性資源を原料にして作られるバイオマスプラスチックの総称である。乳酸から合成されるポリ乳酸は、使用後に堆肥の製造やメタン発酵に用いることができ、自然環境の中でも分解される。さらに、ポリ乳酸は、バイオマスプラスチックとしてカーボンニュートラルの観点からも注目されている。最近では、フィルム、シート及び繊維等にポリ乳酸が使用され、生産量も徐々に増加している。しかし、乳酸にはL体とD体が存在し、ポリ乳酸を製造する際には、光学純度の高い乳酸を得ることが必要である。



一方、グリセリンは、廃グリセリンと呼ばれるバイオディーゼル燃料製造時の副生成物の処理が問題になっている。バイオディーゼル燃料とは、生物由来の油から得られる軽油代替燃料の一つであり、エネルギー資源枯渇、地球温暖化及び大気汚染などの環境問題の解決に貢献する燃料として近年注目を集めている。しかし、廃グリセリンは強アリカリ性であり、純度も低いために、有効な用途がない。現在、廃グリセリンの大部分が産業廃棄物として処分されているため、再使用する方法が強く必要とされている。



そこで上記問題を解決する方策として、特許文献1には、ノカルディオイデス(Nocardioides)属、およびプロテウス(Proteus)属からなる細菌属群から選ばれる細菌を用い、グリセリンから乳酸を製造する方法が記載されている。



特許文献2には、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、アクロモバクタ(Achromobacter)属、デボシア(Devosia)属、フラテウリア(Frateuria)属、パエニバチラス(Paenibacillus)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、ハフニア(Hafnia)属、ラオウルテラ(Raoultella)属、リゾビウム(Rhizobium)属及びセラッティア(Serratia)属からなる細菌属群から選ばれる細菌を用いて、グリセリンからD-乳酸を製造する方法が記載されている。



しかしながら、特許文献1及び2に記載された発明では、光学純度の高いL-乳酸を製造することはできない。また、例示された細菌属にエンテロコッカス属は含まれていない。



特許文献3には、乳酸菌を用いて、グルコース等からL-乳酸を生産させる方法が記載されている。また、乳酸を産生する乳酸菌の例として、多数の例示の中にエンテロコッカス(Enterococcus)属が記載されている。しかしながら、実施例ではラクトコッカス(Lactcoccus)属、及びラクトバシラス(Lactbacillus)属の乳酸菌が使用されており、エンテロコッカス(Enterococcus)属は使用されていない。また、培地の炭素源として、多数の例示の中にグリセリンが記載されている。しかしながら、グリセリンは多数の炭素源の例示の中で述べられているに過ぎず、グリセリンを炭素源として、L-乳酸を生産する方法は記載されていない。



特許文献4には、細菌にグリセリン取り込みタンパク質遺伝子を導入することにより、細菌にグリセリン資化能を付与する方法、及び該組換え細菌を用いて、グリセリンから乳酸を含む発酵生成物を製造する方法が記載されている。また、細菌に導入するグリセリン取り込みタンパク質遺伝子として、多数の例示の中で、エンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)由来のものが示されている。しかしながら、グリセリンを取り込ませる細菌の例示として、エンテロコッカス フェカリスが示されているわけではない。さらに、特許文献4に記載された方法では収率良く乳酸を生産することができない。また、実施例では、エンテロコッカス フェカリス由来の遺伝子は使用されていない。

産業上の利用分野



本発明は、微生物を用いてグリセリンからL-乳酸を製造する方法に関する

特許請求の範囲 【請求項1】
炭素源としてグリセリンを含有する原料を用いてエンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)にL-乳酸を生産させるに際し、前記エンテロコッカス フェカリスがエンテロコッカス フェカリス W11(受託番号FERM P-21943)であり、生産させる乳酸がL-乳酸のみであり、前記炭素源のうち50質量%以上がバイオディーゼル廃液由来のグリセリンであることを特徴とする、L-乳酸の製造方法。

【請求項2】
原料のNaCl濃度が0.1質量%~飽和濃度である請求項記載のL-乳酸の製造方法。

【請求項3】
原料のpHが7.5以上である請求項1又は2記載のL-乳酸の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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