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非球体細胞の生死活性判定方法及び判定装置

国内特許コード P130008908
整理番号 H22-G15
掲載日 2013年4月2日
出願番号 特願2011-281386
公開番号 特開2012-143231
登録番号 特許第5939562号
出願日 平成23年12月22日(2011.12.22)
公開日 平成24年8月2日(2012.8.2)
登録日 平成28年5月27日(2016.5.27)
優先権データ
  • 特願2010-285489 (2010.12.22) JP
発明者
  • 須加 実
  • 篠原 寛明
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 非球体細胞の生死活性判定方法及び判定装置
発明の概要 【課題】 細胞を損傷することなく、単一細胞の生死を複数同時に生死判定する方法及び装置。
【解決手段】 底面と上面とが対向する透明電極で構成されたセル中の非球体細胞懸濁液に、初期周波数を印加する工程と、周波数を、判定周波数まで上昇させる工程と、前記判定周波数における非球体細胞の生死を判定する工程とを含む非球体細胞の生死活性判定方法、及びこれに用いる非球体細胞の生死活性判定装置1であって、セル2と、交流発振器3と、観察装置4と、画像表示装置5と、画像処理装置6とを備える装置を提供する。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


微生物細胞を含む非球体細胞の生死状態の把握は、食品製造から医薬品製造の発酵プロセスまで非常に重要である。最も精度が高い測定方法は染色法やコロニー計数法であるが、染色法は生細胞への損傷があり、またコロニー計数法では生育するまで長い時間を必要とする。



関連特許として短時間で非浸襲な電気的手法が出願されており、例えば交流電界中での誘電泳動法による生死細胞の選別や、交流インピータンス法による細胞のインピータンスや誘電率を測定する方法がある。ただし、これらは細胞集団としての生細胞量が測定できるだけで、単一の細胞の生死判定が困難である。



交流電界中での分裂酵母菌の生死細胞の配向方向が印加周波数によって変化することは実験的また理論的に報告されているが、生死判定法としては用いられていない。これは従来の電極位置では直近の細胞により細胞の配向方向が定まらないことや数珠状に繋がるため、互いの細胞によって電界が歪められるためである。



平板ガラス上に対に設置された金属電極間で、交流電界中の分裂酵母菌の生細胞と死細胞の配向が転換する周波数が異なることが見出され、冷蔵保存された細胞の転換周波数が低下していくことから、細胞集団としての生存率低下が示唆されている(非特許文献1)。



交流電界中の大腸菌は生細胞のみ配向するため、細胞をITO透明電極で挟み込み、一定周波数で印加しその配向をレーザー光の拡散で測定することで生細胞が含まれているかを検出するという技術が知られている(非特許文献2)。しかし、この技術においては特殊な電界をかける必要があった。



交流電界中の誘電体粒子の配向を吸光度変化量として測定する市販装置が知られている(非特許文献3)。この装置は、集団としての大腸菌の生存細胞の変化を捉えるものである。しかし、この装置においては、吸光度を測定するためサンプル量が1mL必要であった。また、配向感度が十分でなく、吸光度変化量が少ないという問題もあった。



透明電極上で培養した動物細胞に対してインピータンス変化を測定し、集団としての細胞活性変化を捉える技術が知られている(特許文献1、特許文献2)。これらの従来技術においては、電気的な測定を行っており、単一細胞での生死判定はできなかった。また、透明電極は形態変化を観察するためだけで、活性測定時には透明である必要はない。



交流電界印加による誘電泳動を利用して生菌のみを濃縮し、濃縮された細胞集団のインピータンスを測定することで生菌量を測定する技術が知られている(特許文献3)。この技術は、電気的な測定によるものであり、単一細胞での生死判定はできなかった。



一定周波数の交流電界印加による誘電泳動を利用して生死細胞を分離し、透明電極を使用することで泳動中の生細胞をカウントすることによって生死判定を行う技術が知られている(特許文献4)。この方法は、泳動による生死細胞の分離が必要であった。



微小孔の空いた板に捕捉した単一細胞に対して、流れる電流値(つまり抵抗値)から細胞の生死判定を行う技術が知られている(特許文献5)。かかる方法では、複数個の細胞の同時測定は難しく、また電極構造が比較的複雑であった。



細胞の正確な生死判定は染色法である。しかし、結果として生細胞も染色され死滅する。また非浸襲な電気的測定法では、細胞集団としての生細胞量が測定できるが、単一細胞を複数同時に生死判定することは困難である。

産業上の利用分野


本発明は、非球体細胞の生死活性の判定方法及び判定装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
底面と上面とが対向する導電性金属薄膜を備えてなる透明電極で構成されたセル中の非球体細胞懸濁液に、初期周波数を印加する工程と、
周波数を、判定周波数まで上昇させる工程と、
前記判定周波数における非球体細胞の生死を判定する工程と
を含む非球体細胞の生死活性判定方法。

【請求項2】
前記生死を判定する工程が、
前記判定周波数における非球体細胞の投影画像を取得する工程と、
前記取得した前記投影画像を二値化し、投影面積を得る工程と、
前記投影面積に基づいて、負の配向を示す細胞と、正の配向を示す細胞とを定量化する工程と
を含み、前記正の配向が、非球体細胞の長軸が、電界方向に対して平行になる配向であり、前記負の配向が、非球体細胞の長軸が、電界方向に対して垂直になる配向をいう、請求項1に記載の非球体細胞の生死活性判定方法。

【請求項3】
前記生死を判定する工程が、
前記判定周波数における非球体細胞の投影画像を取得する工程と、
前記取得した前記投影画像から、負の配向を示す細胞と、正の配向を示す細胞との細胞数を得る工程と、
前記細胞数から負の配向を示す細胞と、正の配向を示す細胞とを定量化する工程と
を含み、前記正の配向が、非球体細胞の長軸が、電界方向に対して平行になる配向であり、前記負の配向が、非球体細胞の長軸が、電界方向に対して垂直になる配向をいう、請求項1に記載の非球体細胞の生死活性判定方法。

【請求項4】
前記生死を判定する工程が、
前記初期周波数から判定周波数まで周波数を上昇させながら、非球体細胞懸濁液の光透過率を測定する工程と、
負の配向を示す細胞と、正の配向を示す細胞との割合を算出する工程と
を含み、前記正の配向が、非球体細胞の長軸が、電界方向に対して平行になる配向であり、前記負の配向が、非球体細胞の長軸が、電界方向に対して垂直になる配向をいう、請求項1に記載の非球体細胞の生死活性判定方法。

【請求項5】
前記初期周波数が100k~1MHzであり、前記判定周波数が2~20MHzである、請求項1~4のいずれかに記載の方法。

【請求項6】
前記非球体細胞が、酵母菌であり、前記判定周波数が3~9MHzである、請求項5に記載の方法。

【請求項7】
前記非球体細胞懸濁液が、1x10~5x10cells/cmの細胞濃度を有する、請求項2または4に記載の方法。

【請求項8】
前記非球体細胞懸濁液が、1x10~1x10cells/cmの細胞濃度を有する、請求項3に記載の方法。

【請求項9】
前記非球体細胞懸濁液が、12mS/m以下の外部電導率を有する、請求項1~8のいずれかに記載の方法。

【請求項10】
前記非球体細胞懸濁液が、0.01~3.5mS/mの外部電導率を有する、請求項9に記載の方法。

【請求項11】
前記非球体細胞が、酵母菌、桿菌、赤血球、藻類、ミドリムシ、ゾウリムシである、請求項1~10のいずれかに記載の方法。

【請求項12】
前記非球体細胞が、乳酸桿菌、大腸菌である、請求項1~10のいずれかに記載の方法。

【請求項13】
前記底面の透明電極と前記上面の透明電極との電極間距離が、50~200μmであり、前記セル中の非球体細胞懸濁液が、1~5μLである、請求項1~12にのいずれかに記載の方法。

【請求項14】
底面と上面とが対向する導電性金属薄膜を備えてなる透明電極で構成されたセルと、
前記セルに所定範囲の周波数を印加する交流発振器と、
前記セル中の細胞の投影画像を取得する観察装置と、
前記観察装置が取得した前記投影画像を表示する画像表示装置と、
前記投影画像を二値化して、負の配向を示す細胞と、正の配向を示す細胞とを定量化する画像処理装置と
を備え、前記正の配向が、非球体細胞の長軸が、電界方向に対して平行になる配向であり、前記負の配向が、非球体細胞の長軸が、電界方向に対して垂直になる配向をいう非球体細胞の生死活性判定装置。

【請求項15】
底面と上面とが対向する導電性金属薄膜を備えてなる透明電極で構成されたセルと、
前記セルに所定範囲の周波数を印加する交流発振器と、
光源と、分光器とを含む光透過率測定装置であって、前記セル中の非球体細胞懸濁液の光透過率を測定するための光透過率測定装置と
を備える非球体細胞の生死活性判定装置。

【請求項16】
前記底面の透明電極と前記上面の透明電極との電極間距離が、1~300μmである、請求項14または15に記載の装置。

【請求項17】
前記非球体細胞が、酵母菌、桿菌、赤血球、藻類、ミドリムシ、ゾウリムシである、請求項14~16のいずれかに記載の装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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