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移乗支援器具

国内特許コード P130008910
整理番号 H22-G23
掲載日 2013年4月2日
出願番号 特願2011-042143
公開番号 特開2012-179074
登録番号 特許第5750781号
出願日 平成23年2月28日(2011.2.28)
公開日 平成24年9月20日(2012.9.20)
登録日 平成27年5月29日(2015.5.29)
発明者
  • 木下 功士
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 移乗支援器具
発明の概要 【課題】簡単な構造で手軽に利用可能であり、安全且つ確実に移乗作業を補助することができる移乗支援器具を提供する。
【解決手段】所定の強度を有するシャフト12と、シャフト12の上端部に連結され介護が必要な被介護者46に対面して位置し、身体の前側を略水平方向に受ける腹当て部14を有する。腹当て部14の略水平方向の両端部に軸止され、被介護者46の身体の腋の下を受ける一対の抱き締め腕部20を備える。一対の抱き締め腕部20に各々取り付けられ、被介護者46を介護する介護者48が保持するハンドル30を有する。シャフト12の下端部に連結され、床面に当接する接地部材32を有する。抱き締め腕部20は、腹当て部14の長手方向に対して所定角度傾斜して設けられた軸周りに、回転可能に取り付けられている。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


従来、介護者が、高齢者・足腰が弱い人・障害のある人等、介護が必要な被介護者を介護するとき、介護者が被介護者をベッドから車椅子やトイレ等に移す移乗作業が行われている。このような移乗作業は、介護者が腰を屈めて両腕を被介護者の腋の下から背中に回し、抱き締めながら被介護者を少し立たせ、被介護者の体の向きを変えて座らせるものである。しかし、被介護者を抱き締めて立たせたり座らせたりする動作は、介護者に被介護者の体重がかかるため、介護者にとっては負担が大きく、腰痛等が発生しやすいものであった。



そこで、介護者の移乗作業の負担を軽減するための移乗器が提案されている。例えば、特許文献1に開示されている移乗支援器具は、シャフトと、シャフトの上端部にあり器具の前後左右の動きを担うハンドルと、シャフトの下端部にあり床面に当接する接地部材と、シャフトの途中から側方に突出して設けられ被介護者の身体の前側を受ける身体保持部材が設けられている。身体保持部材は、被介護者の胸部を支える胴体保持軸部と、腋部を支える腋下保持部が設けられている。接地部材は、身体保持部材の突出方向に対して平行な方向に床面上を転がる曲線を有して形成されている。この転がる方向は、人体を左右に分断する平面であって正中線を通る平面である正中矢状面と平行な方向である。



この移乗支援器具の使用方法は、ベッド等の端に座っている被介護者の身体を身体保持部材で支え、介護者がハンドルに力を加えて移乗支援器具を回転させることで、被介護者の身体を抱き上げ、立位を取らせるものである。この際、接地部材の底面形状に合わせて、器具が介護者側に移動し、立位状態になった被介護者を、接地部材の底面形状の湾曲部を支点にして、ハンドル操作で方向転換させ、抱き上げと逆の手順で抱き下ろして、移乗を行うものである。このとき立位を取っていることと、介護者側に引き出された姿勢により、車椅子等の手すりを容易に乗り越えることができる。



また、特許文献2に開示されている移乗支援器具は、シャフトとハンドル、接地部材が設けられ、シャフトの途中には人体把持具が設けられている。人体把持具は、被介護者の胸部を支える胸当て板と、胸当て板の上下方向に自由に回転できるように取り付けられ移乗の際に人体を抱きしめるように支える腋支えアームが設けられている。腋支えアームは被介護者の腋と背中を抱えられるようなL字構造となっており、取り付けられたレバーで左右に開閉可能であり、身体を左右から挟み込むように操作可能なものである。



この移乗支援器具の使用方法は、まず腋支えアームをレバーにより操作して被介護者の身体を左右から抱き締める。次に、シャフトをハンドルで動かして被介護者の身体を抱き上げるように操作すると、腋支えアームを上下方向に回転させるための軸周りに、被介護者の体重によるモーメントが発生して、自動的に背中側から胸方向へ体を抱き締め、しっかりと支えることができる。即ち被介護者の体重の分力を利用して体を抱き締めるものである。



また、特許文献3、特許文献4、特許文献5に開示されている人体移乗装置は、キャスターを有する台座に主柱を立設し、該主柱から傾動可能の枝柱を出し、枝柱の先端に被介護者の身体を保持する保持具が設けられている。さらに、主柱の下部には枝柱の傾動と連結する傾動可能のペダルが設けられ、支柱の上部にはハンドルが設けられているものである。この移乗装置は、リンク機構等で枝柱を傾動可能にして、梃子の原理で被介護者を抱き上げることができる。抱き上げの後は、キャスターを有する台座ごと移動して、逆の動作で抱き下ろし、移乗介助を行うものである。

産業上の利用分野


この発明は、介護等が必要な人の身体を保持する抱き締め腕部を有する移乗支援器具に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
所定の強度を有するシャフトと、前記シャフトの上端部に連結され介護が必要な被介護者に対面して位置し身体の前側を受ける腹当て部と、前記腹当て部の略水平方向の両端部に軸止され被介護者の身体の腋の下を受ける一対の抱き締め腕部と、前記一対の抱き締め腕部に各々取り付けられ被介護者を介護する介護者が保持するハンドルと、前記シャフトの下端部に連結され床面に当接する接地部材が設けられ、前記抱き締め腕部は、前記腹当て部の長手方向に対して所定角度傾斜して設けられた軸周りに回転可能に取り付けられていることを特徴とする移乗支援器具。

【請求項2】
前記接地部材は、被介護者の正中矢状面と平行な方向に床面上を転がり、前記シャフトが揺動可能な曲線を有して形成され、床面に対して回転して前記シャフトの向きを変更可能に設けられている請求項1記載の移乗支援器具。

【請求項3】
前記腹当て部は、前記シャフトに交差して連結されている棒状の腹当て部材と、前記腹当て部材に巻き付けられたクッションが設けられている請求項1記載の移乗支援器具。

【請求項4】
前記抱き締め腕部は、前記腹当て部の長手方向の両端部に、前記腹当て部の長手方向に対して所定角度に設けられた軸周りに回転可能に取り付けられている縦軸部と、前記縦軸部の先端部に略直角に固定され被介護者の身体に沿うように折り曲げられた横軸部と、前記横軸部の先端部に固定され前記縦軸部と平行な方向に突出する背当て軸部が設けられ、前記縦軸部、横軸部、背当て軸部には一枚のシートが掛け渡されて張られた状態で取り付けられ、被介護者を介護する介護者により、前記ハンドルを上げると、前記抱き締め腕部の先端は互いに離れて開き、前記ハンドルを下げると前記抱き締め腕部の先端が互いに近付いて閉じるように動作する請求項1記載の移乗支援器具。

【請求項5】
前記抱き締め腕部の前記縦軸部は、前記腹当て部の長手方向に対して略30°の角度に設けられた軸周りに回転可能に取り付けられている請求項記載の移乗支援器具。

【請求項6】
前記ハンドルは、前記抱き締め腕部の前記横軸部の折り曲げられた端部と反対の端部の延長方向に延出し、L字形に下方に折り曲げて設けられている請求項記載の移乗支援器具。

【請求項7】
前記接地部材は、被介護者の正中矢状面と平行な面内に位置し、鉛直方向下方に膨らんで湾曲した円弧状であり、前記シャフトの下端部が前記円弧の中心よりも前記抱き締め腕部側とは反対側の位置に固定され、前記接地部材の、前記抱き締め腕部と反対側の端部に、被介護者を介護する介護者の足を載せる足載せ用のペダルが設けられている請求項1または2記載の移乗支援器具。


【請求項8】
前記シャフトは、任意の高さで前記接地部材に連結され、前記移乗支援器具の高さを調整する高さ調整部材を備える請求項1記載の移乗支援器具。
産業区分
  • 治療衛生
  • その他雑貨
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011042143thum.jpg
出願権利状態 登録
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