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イオン液体中でのアンヒドロ糖の製造方法

国内特許コード P130008986
整理番号 2006-052
掲載日 2013年4月5日
出願番号 特願2008-553068
登録番号 特許第5317057号
出願日 平成19年12月27日(2007.12.27)
登録日 平成25年7月19日(2013.7.19)
国際出願番号 JP2007075060
国際公開番号 WO2008084705
国際出願日 平成19年12月27日(2007.12.27)
国際公開日 平成20年7月17日(2008.7.17)
優先権データ
  • 特願2007-001123 (2007.1.9) JP
発明者
  • ▲高▼橋 憲司
  • 佐藤 宏衣
  • 林 桃子
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
発明の名称 イオン液体中でのアンヒドロ糖の製造方法
発明の概要

本発明は、疎水性イオン液体中で、糖類を加熱することを特徴とする下記一般式(1)、一般式(2)および/または一般式(3)

で示されるアンヒドロ糖の製造方法に関する。本発明によれば、生分解性を有するバイオプラスチック、バイオ接着剤などの化学原料、抗癌剤や抗HIV剤の原料、光学異性体分割剤、多分岐多糖を基盤物質とする糖由来の安全な医療材料など種々の機能性高分子材料として有用なアンヒドロ糖を、マイルドな条件で安全、簡便かつ高収率で製造することができる。

従来技術、競合技術の概要


水溶性の糖類由来のアンヒドロ糖としては、例えば、6単糖由来のアンヒドロ糖として、それぞれグルコース、マンノース、ガラクトースなどの無水物であるレボグルコサン、マンノサン、ガラクトサンなど一般式(1)で示される1,6-アンヒドロヘキソピラノース、一般式(2)で示される1,6-アンヒドロヘキソフラノースなどがある。
また、リボース、キシロースなどペントース由来のアンヒドロ糖としては、一般式(3)で示される1,4-アンヒドロペントピラノース等が挙げられる。



【化学式1】




アンヒドロ糖は、生分解性を有するバイオプラスチック、バイオ接着剤などの化学原料、抗癌剤や抗HIV剤の原料、光学異性体分割剤、また、多分岐多糖を基盤物質とする糖由来の安全な医療材料など種々の機能性高分子材料として有用であることが知られ、様々な分野で注目されている。また、アンヒドロ糖の1種であるレボグルコサンを開環重合することにより生成するハイパーブランチ糖鎖は、近年の牛海綿状脳症(BSE)で問題となっている動物由来の医用ゲル材料(止血、接着、癒着防止のためのゲル材料)あるいはコラーゲンなどの化粧品材料に代わる、植物由来の安全な新規代替機能性物質である。ハイパーブランチ糖鎖は球状糖鎖高分子であり、天然の多糖類には無い多くの優れた機能性(高溶解性、低粘性ニュートン流動性、保水性、糖クラスター効果による分子認識性など)を有する。



従来、例えば、アンヒドロ糖の1種であるレボグルコサンの製造方法としては、(1)セルロース成分を含む原料を有機溶媒と共に耐圧容器に入れ250~350℃に加熱する熱分解法(特開平2-101093号公報;特許文献1)、(2)超臨界アセトンを耐圧容器に圧送しながらセルロースを250~340℃で10時間かける熱分解法(J. Anal. Appl. Pyrolysis(1991), 19, 119~129;非特許文献1)、(3)ヘキソースからなる多糖類を主として含む原料をスルホランと共に耐圧容器に入れ、300℃以上の温度で熱分解する方法(特開2003-342289号公報;特許文献2、J. Anal. Appl. Pyrolysis(2003), 70, 303~313;非特許文献2)、および(4)セルロース成分にマイクロ波を照射するマイクロ波熱分解法(J. Wood Sci. (2001), 47, 502~506;非特許文献3)が知られている。
また、最近、本発明者らは、単糖、少糖あるいはこれらの配糖体、多糖およびこれらの混合物の中から選ばれる少なくとも1種類の水溶性糖化合物を含む原料を、触媒などの添加物を一切加えることなく、糖化合物を含む水溶液だけを加熱し、水蒸気状態で反応させるアンヒドロ糖の製造方法を開発した(特開2007-217386;特許文献3)。



しかし、これら従来のアンヒドロ糖の製造方法は、収率が低い、精製方法が確立されていない、加圧条件下を必要とするため操作性が劣るなどの問題を有し、未だ実用化には至っていないのが現状である。従って、安全かつ簡便に、水溶性の糖類のみならず非水溶性のセルロース等からも高収率でアンヒドロ糖が得られる製造方法の確立が望まれている。



なお、本発明方法に関連する技術として、イオン液体中でデンプンなどの糖と脂肪酸ビニルエステルとを触媒存在下に反応させて糖脂肪酸エステルを製造する方法が提案され(特開2006-265544号公報;特許文献4)、また、高極性の非ハロゲン系イオン液体からなる難溶性多糖類の溶解剤および該溶解剤と難溶性多糖類とを含有する組成物が提案されているが(特開2006-137677号公報;特許文献5)、疎水性イオン液体をアンヒドロ糖の生成に用いた報告例はこれまでに存在しない。




【特許文献1】特開平2-101093号公報

【特許文献2】特開2003-342289号公報

【非特許文献1】J.Anal.Appl.Pyrolysis(1991),19,119~129

【非特許文献2】J.Anal.Appl.Pyrolysis(2003),70,303~313

【非特許文献3】J.Wood Sci.(2001),47,502~506

【特許文献3】特開2007-217386号公報

【特許文献4】特開2006-265544号公報

【特許文献5】特開2006-137677号公報

産業上の利用分野


本発明は、疎水性イオン液体中で糖類を加熱することにより、高収率でアンヒドロ糖(無水糖)を製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
N,N-ジエチル-N-メチル-N-(メトキシエチル)アンモニウム-ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(DEME-TFSI)、およびN,N,N-トリメチル-プロピルアンモニウム-ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(TMPA-TFSI)から選択される疎水性イオン液体中で、セルロース、グルコース、デンプン、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、およびγ-シクロデキストリンから選択される糖類を加熱することを特徴とする下記一般式(1)および/または一般式(2)
【化学式1】


で示されるアンヒドロ糖の製造方法。


【請求項2】
グルコース、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、およびγ-シクロデキストリンから選ばれる水溶性糖化合物を大気圧下、180~250℃の温度で、4~20分間反応させる請求項1に記載のアンヒドロ糖の製造方法。

【請求項3】
セルロース、およびデンプンから選ばれる非水溶性または難水溶性糖化合物を大気圧下、200~300℃の温度で、5~30分間反応させる請求項1に記載のアンヒドロ糖の製造方法。

【請求項4】
疎水性イオン液体の含水量が300ppm以下である請求項1に記載のアンヒドロ糖の製造方法。

【請求項5】
加熱をマイクロ波を用いて行う請求項1に記載のアンヒドロ糖の製造方法。

【請求項6】
反応後の生成物を水で抽出し、水溶液からアンヒドロ糖を分離する請求項1~5のいずれかに記載のアンヒドロ糖の製造方法。
産業区分
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008553068thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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