TOP > 国内特許検索 > ポテンシャル取得装置、磁場顕微鏡、検査装置およびポテンシャル取得方法

ポテンシャル取得装置、磁場顕微鏡、検査装置およびポテンシャル取得方法 コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P130009008
整理番号 KP09-052PCT-JP
掲載日 2013年4月8日
出願番号 特願2012-503192
登録番号 特許第5713246号
出願日 平成23年3月1日(2011.3.1)
登録日 平成27年3月20日(2015.3.20)
国際出願番号 JP2011054635
国際公開番号 WO2011108543
国際出願日 平成23年3月1日(2011.3.1)
国際公開日 平成23年9月9日(2011.9.9)
優先権データ
  • 特願2010-044218 (2010.3.1) JP
発明者
  • 木村 建次郎
出願人
  • 国立大学法人神戸大学
発明の名称 ポテンシャル取得装置、磁場顕微鏡、検査装置およびポテンシャル取得方法 コモンズ 外国出願あり
発明の概要 磁場取得装置では、測定の対象領域の幅に比べて十分に長い測定部(21)がz=αを満たす測定面上に配置され、測定面上の所定の基準方向と、測定部(21)の長手方向とがなす角度θを複数通りに変更しつつ、測定部(21)の長手方向に垂直なX’方向への走査が繰り返される。続いて、X’方向の座標パラメータをx’として、走査の繰り返しにより取得される測定値f(x’,θ)をフーリエ変換することにより、g(kx’,θ)が取得される(ただし、kx’はX’方向の波数である。)。そして、所定の2次元ポテンシャル取得式にg(kx’,θ)を代入することにより、測定面における2次元ポテンシャルを示すφ(x,y,α)が求められる。これにより、対象領域の幅に比べて十分に大きい測定部(21)を用いて、2次元のポテンシャルの測定を高い分解能にて行うことができる。
従来技術、競合技術の概要


従来より、超伝導量子干渉計(以下、「SQUID」という。)や、磁気抵抗センサ(magnetoresistive sensor)を用いて磁場の分布を取得することが行われており、磁場の分布に基づいて、例えば、電気回路の不良(短絡)部分を特定することが行われている。磁場測定の分解能は、SQUIDコイルや磁気抵抗センサのサイズに依存するため、当該サイズを小さくすることにより、測定の分解能を向上することが試みられている。



また、磁気力顕微鏡(Magnetic Force Microscopy、以下、「MFM」という。)を用いて磁場の空間分布を取得することも行われている。特表2006-501484号公報では、MFMにおいて、ナノスケールの強磁性材料を含むカーボンナノチューブをカンチレバーとして利用することが提案されている。



なお、国際公開第2008/123432号パンフレット(文献2)では、3次元ポテンシャル分布を取得する手法が開示されており、当該手法では、磁区を有する試料の上方において、MFMを用いて特定の測定面での磁気力の分布が2次元の磁場分布画像として取得される。また、上記測定面から微小距離dだけ離れた他の測定面にて測定を行って補助磁場分布画像が取得され、これらの差分を微小距離dで除算して2次元の磁場勾配分布画像が取得される。磁場分布画像および磁場勾配分布画像はフーリエ変換されてラプラス方程式の一般解から導かれる3次元ポテンシャル分布取得式に代入され、磁場の3次元分布を示す画像が高精度に取得される。



ところで、SQUIDコイルや磁気抵抗センサの微細化には露光技術で用いられる波長に由来する限界があるため、測定の分解能の向上にも一定の限界が生じる。また、異方性エッチングによって形成されるシリコン探針では、探針の先端曲率半径を数nmにまで極めて小さくすることが可能であるが、当該シリコン探針をMFMにおいて利用する際には、探針の先端に磁性材料の薄膜を形成する必要がある。よって、“磁性体薄膜の膜厚+探針先端曲率半径+磁性体薄膜”の厚みの磁気力センサとなり、例えば磁性体薄膜の膜厚=10nm、 探針先端曲率半径=10nmの場合には、合計30nmの径を持つことになる。少なくとも測定の分解能が探針の先端曲率半径より向上することは無い。また、実用的に探針先端部のみに磁性体薄膜を被覆することは困難であるため、有効磁気力センサは、さらに大きくなる。

産業上の利用分野


本発明は、磁位、電位、温度等に由来する2次元ポテンシャル分布を測定により取得する技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
対象物の存在に起因して少なくとも前記対象物の周囲に形成される3次元ポテンシャルを示すポテンシャル関数をφ(x,y,z)(ただし、x,y,zは、前記対象物に対して設定される互いに垂直なX,Y,Z方向にて規定される直交座標系の座標パラメータを示す。)として、前記対象物の外部に設定されたz=α(ただし、αは任意の値)を満たす測定面におけるφ(x,y,α)を取得するポテンシャル取得装置であって、
XY平面に平行な前記測定面上において前記測定面に平行な長手方向に伸びる複数の線状領域を、前記長手方向に垂直なX’方向に配列設定するとともに、Y方向に平行な前記測定面上の基準方向と、前記長手方向とがなす角度をθとして、前記角度θを複数通りに変更した状態にて前記複数の線状領域のそれぞれにおける前記3次元ポテンシャルに由来する測定値を、前記長手方向に伸びるセンサにより取得する測定ユニットと、
X’方向の座標パラメータをx’として(ただし、原点はZ軸上である。)、前記測定ユニットにより取得される測定値f(x’,θ)を用い
【数24】


(ただし、k’はX’方向の波数である。)によりφ(x,y,α)を求める演算部とを備える
ポテンシャル取得装置

【請求項2】
記測定ユニットが、
前記センサである測定部と、
前記基準方向と、前記測定部の前記長手方向との間の前記角度θを変更する角度変更部と、
前記測定面上において前記測定部をX’方向に前記対象物に対して相対的に移動して、前記対象物の測定領域上を前記測定部が通過する走査を行う移動機構と、
前記角度変更部および前記移動機構を制御することにより、前記角度θを複数通りに変更しつつ前記走査を繰り返す制御部と、
を備え、
前記走査の繰り返しにより、前記測定ユニットにおいて測定値f(x’,θ)が取得され
請求項1に記載のポテンシャル取得装置。

【請求項3】
記3次元ポテンシャルが、磁位のポテンシャルをZ方向に関して1回以上微分したものであり、
前記測定部が、前記長手方向およびZ方向に広がるとともに、前記3次元ポテンシャルに由来する信号を生成する薄膜素子であ
請求項2に記載のポテンシャル取得装置。

【請求項4】
記薄膜素子の膜厚が前記対象物側に向かって漸次減少す
請求項3に記載のポテンシャル取得装置。

【請求項5】
記測定部をZ方向に前記対象物に対して相対的に移動するもう1つの移動機構をさらに備え、
前記3次元ポテンシャルがラプラス方程式を満たし、
前記制御部が、z=0を満たす前記測定面においてφ(x,y,0)を2次元の第1画像として取得し、前記測定部をZ方向に微小距離だけ相対移動した後、前記第1画像と同様の手法により2次元の中間画像を取得し、
前記演算部が、前記第1画像と前記中間画像との差分画像を求め、前記差分画像を前記微小距離で除算した微分画像を第2画像として取得し、前記第1画像であるφ(x,y,0)および前記第2画像であるφ(x,y,0)をそれぞれフーリエ変換してψ(k,k)およびψ(k,k)(ただし、k,kはX方向およびY方向の波数である。)を求め、さらに、ψ(k,k)およびψ(k,k)を用いて、
【数25】


によりφ(x,y,z)を求め
請求項2~4のいずれか1項に記載のポテンシャル取得装置。

【請求項6】
記3次元ポテンシャルがラプラス方程式を満たし、
z=0を満たす前記測定面における任意のポテンシャルH(x,y,z)のzによるq回微分であるH(q)(x,y,0)が一の測定において取得されるφ(x,y,α)であり、前記任意のポテンシャルH(x,y,z)のzによるp回微分であるH(p)(x,y,0)が他の測定において取得されるφ(x,y,α)であり(ただし、p,qは0以上の整数であり、qが奇数、pが偶数である。)、
前記演算部が、H(q)(x,y,0)およびH(p)(x,y,0)をそれぞれフーリエ変換してh(q)(k,k)およびh(p)(k,k)(ただし、k,kはX方向およびY方向の波数である。)を求め、さらに、h(q)(k,k)およびh(p)(k,k)を用いて、
【数26】


によりH(q)(x,y,z)を求める、または、
【数27】


によりH(p)(x,y,z)を求め
請求項1~4のいずれか1項に記載のポテンシャル取得装置。

【請求項7】
記3次元ポテンシャルが、磁位、電位、温度または重力に由来するポテンシャルであ
請求項1~6のいずれか1項に記載のポテンシャル取得装置。

【請求項8】
磁場顕微鏡であって、
磁位のポテンシャルをZ方向に関して1回以上微分したものをφ(x,y,z)として取得する請求項に記載のポテンシャル取得装置を備え、
前記演算部が、φ(x,y,z)のzに前記対象物の表面の位置または表面に近接する位置を示す値を代入す
磁場顕微鏡。

【請求項9】
核磁気共鳴を利用した検査装置であって、
磁位のポテンシャルをZ方向に関して1回以上微分したものをφ(x,y,z)として取得する請求項に記載のポテンシャル取得装置と、
Z方向の複数の位置における複数の平面上にて前記対象物の内部に核磁気共鳴を順次生じさせる手段と、
を備え、
前記制御部が、前記複数の平面に含まれる各平面にて核磁気共鳴を生じさせた際に、φ(x,y,z)を取得し、
前記演算部が、前記各平面に対して取得されるφ(x,y,z)のzに前記各平面の位置を示す値を代入す
検査装置。

【請求項10】
対象物の存在に起因して少なくとも前記対象物の周囲に形成される3次元ポテンシャルを示すポテンシャル関数をφ(x,y,z)(ただし、x,y,zは、前記対象物に対して設定される互いに垂直なX,Y,Z方向にて規定される直交座標系の座標パラメータを示す。)として、前記対象物の外部に設定されたz=α(ただし、αは任意の値)を満たす測定面におけるφ(x,y,α)を取得するポテンシャル取得方法であって、
a)XY平面に平行な前記測定面上において前記測定面に平行な長手方向に伸びる複数の線状領域を、前記長手方向に垂直なX’方向に配列設定するとともに、Y方向に平行な前記測定面上の基準方向と、前記長手方向とがなす角度をθとして、前記角度θを複数通りに変更した状態にて前記複数の線状領域のそれぞれにおける前記3次元ポテンシャルに由来する測定値を、前記長手方向に伸びるセンサにより取得する工程と、
b)X’方向の座標パラメータをx’として(ただし、原点はZ軸上である。)、前記a)工程により取得される測定値f(x’,θ)を用い
【数28】


(ただし、k’はX’方向の波数である。)によりφ(x,y,α)を求める工程とを含む
ポテンシャル取得方法

【請求項11】
記a)工程が、
a1)前記センサである測定部を、前記測定面上においてX’方向に前記対象物に対して相対的に移動して、前記対象物の測定領域上を前記測定部が通過する走査を行う工程と、
a2)前記基準方向と、前記測定部の前記長手方向との間の前記角度θを複数通りに変更しつつ、前記a1)工程を繰り返すことにより測定値f(x’,θ)を取得する工程とを含む
請求項10に記載のポテンシャル取得方法

【請求項12】
記3次元ポテンシャルが、磁位のポテンシャルをZ方向に関して1回以上微分したものであり、
前記測定部が、前記長手方向およびZ方向に広がるとともに、前記3次元ポテンシャルに由来する信号を生成する薄膜素子であ
請求項11に記載のポテンシャル取得方法。

【請求項13】
記3次元ポテンシャルがラプラス方程式を満たし、かつ、前記測定面がz=0を満たし、
前記a)およびb)工程によりφ(x,y,0)が2次元の第1画像として取得され、
前記ポテンシャル取得方法が、
c)前記測定部をZ方向に微小距離だけ相対移動した後、前記第1画像と同様の手法により2次元の中間画像を取得する工程と、
d)前記第1画像と前記中間画像との差分画像を求め、前記差分画像を前記微小距離で除算した微分画像を第2画像として取得する工程と、
e)前記第1画像であるφ(x,y,0)および前記第2画像であるφ(x,y,0)をそれぞれフーリエ変換してψ(k,k)およびψ(k,k)(ただし、k,kはX方向およびY方向の波数である。)を求める工程と、
f)ψ(k,k)およびψ(k,k)を用いて、
【数29】


によりφ(x,y,z)を求める工程とを含む
請求項11または12に記載のポテンシャル取得方法

【請求項14】
記3次元ポテンシャルが、磁位、電位、温度または重力に由来するポテンシャルであ
請求項10~13のいずれか1項に記載のポテンシャル取得方法。
産業区分
  • 測定
  • 試験、検査
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2012503192thum.jpg
出願権利状態 登録
神戸大学連携創造本部では、神戸大学で創出された知的財産の管理,活用等を行っています。上記の公開特許に関心のある方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせ下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close