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リン酸化ペプチドならびに硬組織および/または異所性石灰化抑制剤 外国出願あり

国内特許コード P130009018
整理番号 10180
掲載日 2013年4月9日
出願番号 特願2011-150487
公開番号 特開2013-014566
登録番号 特許第5950380号
出願日 平成23年7月6日(2011.7.6)
公開日 平成25年1月24日(2013.1.24)
登録日 平成28年6月17日(2016.6.17)
発明者
  • 吉子 裕二
  • 南崎 朋子
  • 吉岡 広陽
  • 平田 伊佐雄
  • 香西 克之
  • 前田 憲彦
  • 渡邉 和晃
  • 清藤 勉
出願人
  • 国立大学法人広島大学
  • 株式会社ラフィーネインターナショナル
発明の名称 リン酸化ペプチドならびに硬組織および/または異所性石灰化抑制剤 外国出願あり
発明の概要 【課題】MEPE由来のASARMペプチドの石灰化抑制作用活性部位を利用する、硬組織および/または異所性石灰化抑制作用を有するリン酸化ペプチド、硬組織および/または異所性石灰化抑制剤、硬組織および/または異所性石灰化促進作用を有する抗体、ならびに、硬組織および/または異所性石灰化促進剤を提供する。
【解決手段】リン酸化ペプチドは、MEPEに由来するASARMペプチドの全部または一部のアミノ酸配列を含有し、当該アミノ酸配列における少なくとも二つ以上のアミノ酸残基がリン酸化されたセリンであり、かつ硬組織石灰化および/または異所性石灰化を抑制する作用を有することを特徴とする。抗体は、当該リン酸化ペプチドの活性中心である、リン酸化されたセリンを認識することを特徴とする。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


生体組織の石灰化には、例えば、骨粗鬆症もしくは骨軟化症等の骨疾患による硬組織石灰化、または、糖尿病、慢性腎疾患もしくは老化等に伴う血管石灰化を含む異所性石灰化等がある。このような硬組織または血管の石灰化が関わる疾患の予防、治療薬としては、主に、カルシウム剤、ビタミンD製剤、エストロジェン、イプリフラボン、カルシトニン、ビスフォスフォネート、ビタミンK2製剤、リン酸吸着剤またはスタチン等を含むものが挙げられる。



SIBLINGタンパクファミリー(small integrin-binding ligand N-linked glycoproteins)の一つであるMEPE(Matrix Extracellular Phosphoglycoprotein)は、腫瘍性低リン血症骨軟化症の患者から見出されたタンパク質であり、主に骨石灰化の役目を果たす(非特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、MEPE(その部分ペプチド、その塩またはこれらをコードするDNA等も含む)が骨分化促進作用を有することから、代謝性骨疾患および代謝性軟骨疾患の低毒性で安全な予防、治療剤への利用について記載されている。また、特許文献2には、MEPE等の骨細胞産生タンパク質またはその遺伝子を指標とし、骨質を評価する方法が記載されている。さらに、特許文献3には、当該MEPE等を用いた骨塩(骨密度)または腎における疾患の治療において特に有効であるリン酸代謝を調節する手段等も記載されている。一方、MEPEノックアウトマウスでは、骨量、骨芽細胞の数がともに増加することから、MEPEは骨形成の抑制因子と報告されている(非特許文献2参照)。



また、MEPEは、カテプシンBより切断され、ASARM(acidic serine aspartate rich motif)を含むペプチド断片(以下、ASARMペプチド)が出現する。ASARMペプチドは、ハイドロキシアパタイトとの結合親和性が高く、in vitroでアパタイト結晶成長を阻害または骨芽細胞による基質石灰化を抑制することが明らかとなっている(非特許文献3および4参照)。MEPE由来のASARMペプチドは、カゼインキナーゼIIによるリン酸化部位が存在し、最近の報告では、リン酸化が上記の活性に不可欠であると推察される(非特許文献2参照)。ASARMペプチドはSIBLINGタンパクの全てに見られるモチーフであるが、全てのASARMペプチドにMEPE由来のものと同様の石灰化抑制作用があるか否かは不明である。なお、MEPEはエンドペプチターゼ活性を持つとされているPHEX(phosphate-regulating gene with homologies to endopeptidases on the X chromosome)と結合し、カテプシンBによるMEPEの分解を抑制すると報告されている(非特許文献5参照)。これに対し、PHEXはリン酸化あるいは非リン酸化ASARMペプチドに結合すること、そのうちリン酸化されたASARMペプチドを分解することが示されている(非特許文献2参照)。



PHEXは、骨(骨芽細胞および骨細胞)ならびに歯(象牙芽細胞)で発現する膜タンパク質で、X連鎖性低リン酸血症性くる病の原因因子である。すなわちPHEXの欠損は、その基質(未同定、フォスファトニンと仮称)となるリン利尿因子の血中濃度の増加を来すと考えられている。また、PHEX機能欠損は、フォスファトニンとは異なるリン利尿因子・FGF23(fibroblast growth factor 23)発現を促進することが証明されている。FGF23は骨で産生され、腎臓機能を介して間接的に骨の石灰化を抑制する因子である。なお、このようなFGF23の作用は、例えばKlotho等が関連していることが近年明らかとなった(非特許文献6および非特許文献7参照)。また、FGF23は骨に直接作用する可能性も示唆されている。

産業上の利用分野


本発明は、硬組織石灰化および血管等の異所性石灰化に関連する、リン酸化ペプチド、硬組織および/または異所性石灰化抑制剤、抗体ならびに硬組織および/または異所性石灰化促進剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
MEPEに由来するASARMペプチドの一部のアミノ酸配列を含有し、かつ硬組織石灰化および/または異所性石灰化を抑制する作用を有する以下の(i)~(v)のいずれかであることを特徴とする、リン酸化ペプチド:
(i)配列番号9のアミノ酸配列で表され、N末端側から数えて9番目と11番目のセリンがリン酸化されている、二つのセリン残基がリン酸化されたリン酸化ペプチド、
(ii)配列番号9のアミノ酸配列で表され、N末端側から数えて7番目と9番目と11番目のセリンがリン酸化されている、三つのセリン残基がリン酸化されたリン酸化ペプチド、
(iii)配列番号5のアミノ酸配列で表され、N末端側から数えて12番目と14番目のセリンがリン酸化されている、二つのセリン残基がリン酸化されたリン酸化ペプチド、
(iv)配列番号5のアミノ酸配列で表され、N末端側から数えて10番目と12番目と14番目のセリンがリン酸化されている、三つのセリン残基がリン酸化されたリン酸化ペプチド、または
(v)配列番号7のアミノ酸配列で表され、N末端側から数えて14番目と16番目のセリンがリン酸化されている、二つのセリン残基がリン酸化されたリン酸化ペプチド。

【請求項2】
請求項1に記載のリン酸化ペプチドを有効成分として含むことを特徴とする、硬組織および/または異所性石灰化抑制剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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