TOP > 国内特許検索 > 超音波プローブの取付構造

超音波プローブの取付構造

国内特許コード P130009079
整理番号 13631
掲載日 2013年4月17日
出願番号 特願2011-102927
公開番号 特開2012-233802
登録番号 特許第5747251号
出願日 平成23年5月2日(2011.5.2)
公開日 平成24年11月29日(2012.11.29)
登録日 平成27年5月22日(2015.5.22)
発明者
  • 平林 勝
  • 荒 邦章
  • 斉藤 淳一
  • 永井 桂一
出願人
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 超音波プローブの取付構造
発明の概要 【課題】超音波プローブの取り付け時には固体カプラントと対象物との間の密着性を良好にでき、取り外し時には固体カプラントの対象物への固着が生じないという相反する要求を同時に満たし、且つ交換機などを用いた遠隔操作でも作業できるようにする。
【解決手段】超音波の送信及び/又は受信を行う超音波プローブ10を、固体カプラント12を介して対象物14に押し付け密着させる。固体カプラントは、その対象物との対向面が、膨出する曲面状に整形され焼鈍処理によって軟質化した金属材料からなる。更に、該固体カプラントと対象物との間に、軟質で且つ対象物の構成元素の拡散バリアとなる箔材16を介装してもよい。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


周知のように、流量や温度などの計測、あるいは探傷などに超音波が利用されている。例えば超音波流量計の場合には、配管外壁に一対の超音波プローブを斜め方向で対向するように設置し、一方の超音波プローブから管壁を経由して管内の流体に向けて超音波を送信し、他方の超音波プローブで流体を伝搬してきた超音波を受信することで、その際の超音波の伝搬時間を測定し、それによって流量を測定するように構成している。因みに、配管内の液体ナトリウムの流量計測では、配管材料として高クロム鋼が用いられており、高クロム鋼は磁性体であることから電磁流量計は適用できず、そのため超音波流量計が用いられることになる。



超音波計測や超音波探傷では、超音波プローブを対象物(材料、配管、容器など)に押し付けて行うが、その際、超音波プローブと対象物との間の音響結合を良くするために、カプラントと呼ばれる伝音材を介在させる。ここで、対象物が高温の場合には、ゲル状のカプラントが使用できず、耐熱性のある固体カプラントを使用することになる。



前記のような配管内を流動する液体ナトリウムの流量計測では、固体カプラントとして超音波の伝搬速度が低い材料が要求され、その観点から銀製の平板(厚み2mm程度)が用いられている。超音波プローブは、通常、「シュー」と呼ばれるベース部材の上に振動子を固着した構造であり、固体カプラントを使用する超音波プローブでは、ベース部材の下面側に固体カプラントが位置する。ベース部材とカプラントは、別体構成の場合もあるし、一体構成の場合もある。いずれにしても、このような超音波プローブは、修理や点検などのため、必要に応じて対象物への取り付け/対象物からの取り外しが行われる。



ここで重要なことは、超音波プローブの取り付け時に、押し付け力が小さくても固体カプラントと対象物との間での良好な密着性が実現され維持されることである。もし、超音波プローブの取り付け時に固体カプラントと対象物との間に隙間が生じていると、超音波が透過しないか、あるいは透過し難くなり、必要な計測が行えない。



ところで、対象物が数百℃にも及ぶ場合、あるいは放射線環境下にあるような場合、それらの対象物に対する超音波プローブの取り付け/取り外しは、作業者が直接行うことは困難であり、交換機などを用いて遠隔操作で間接的に行うことになる。交換機などを用いた遠隔操作では、超音波プローブを対象物に取り付ける際に、固体カプラントの対象物との対向面を対象物の表面に対して完全に平行(全面で接触)にできず僅かに(例えば1度程度以下)傾く事態が生じることは避け難い。しかし、その傾きの微細な修正を遠隔操作で機械的に行うことは極めて困難である。そのために、遠隔操作に適した超音波プローブの取付構造の開発が求められている。



固体カプラントと対象物との間の密着性を良くする従来技術として、固体カプラントに延展性のある柔らかい金属シートを用いることが提案されている(特許文献1参照)。ここでは固体カプラントとして、例えば銀やアルミニウムなどからなる厚さ0.1~1mm程度の金属シートが例示されている。確かに、延展性のある柔らかい金属の使用は、密着性の向上に有効である。



しかし、前述のように、交換機などを用いた遠隔操作では、超音波プローブを対象物に取り付ける際に、固体カプラントの対象物との対向面が対象物の表面に対して完全に平行な状態で圧接できない場合も予想され、そのような場合には、単に延展性のある柔らかい金属シートを用いたとしても、固体カプラントの対象物に対する傾きのために生じる隙間を完全に無くすことはできず、音響伝搬性能を改善することは困難である。

産業上の利用分野


本発明は、超音波の送信及び/又は受信を行う超音波プローブを、固体カプラントを介して対象物に押し付け密着させる取付構造に関し、更に詳しく述べると、対象物との対向面が膨出する曲面状に整形され焼鈍処理によって軟質化した金属材料からなる固体カプラントを用い、該固体カプラントを対象物に押し付けて密着させる超音波プローブの取付構造に関するものである。この技術は、特に超音波プローブを液体ナトリウムなどの高温液体が流動する配管の外壁に取り付けて、該液体の流量計測を行う場合などに有用である。

特許請求の範囲 【請求項1】
超音波の送信及び/又は受信を行う超音波プローブを、固体カプラントを介して対象物に押し付け密着させる取付構造において、
前記固体カプラントは、その対象物との対向面が、膨出する曲面状に整形され焼鈍処理によって軟質化した金属材料からなり、対象物への取り付け時に取り付け角度がずれても、前記対向面の中心付近から押し潰され対象物の表面に倣って塑性変形して音響伝播界面が形成されるようにし、前記固体カプラントと前記対象物との間に、対象物の構成元素の拡散バリアとなる箔材を介装することを特徴とする超音波プローブの取付構造。

【請求項2】
前記固体カプラントは、その対象物との対向面が、曲率250~500mmの円柱面あるいは球面に膨出する曲面状に整形され、前記箔材は、1枚もしくは積層した複数枚の軟質の箔からなり、箔材全体が厚さ5~50μmである請求項1記載の超音波プローブの取付構造。

【請求項3】
前記箔材は、安定な酸化皮膜を形成する材料もしくは高融点の材料であって、アルミニウム、チタン、ニッケルのいずれか1種類以上からなる請求項2記載の超音波プローブの取付構造。

【請求項4】
前記対象物は、内部を液体ナトリウムが流通する高クロム鋼製の高温配管であり、前記固体カプラントは銀製であって、前記高温配管の外壁に流量計測用の超音波プローブが取り付けられる請求項2又は3記載の超音波プローブの取付構造。
産業区分
  • 測定
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2011102927thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記問合せ先にご相談下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close