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乳酸エステルの合成方法

国内特許コード P130009134
掲載日 2013年4月18日
出願番号 特願2011-099962
公開番号 特開2012-229189
登録番号 特許第5780513号
出願日 平成23年4月27日(2011.4.27)
公開日 平成24年11月22日(2012.11.22)
登録日 平成27年7月24日(2015.7.24)
発明者
  • 八嶋 建明
  • 日秋 俊彦
  • 星 琢麿
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 乳酸エステルの合成方法
発明の概要 【課題】バイオディーゼル燃料の製造の際に副生するグリセリンを始めとし、各種の油脂から分離・生成されるグリセリンを用いて、乳酸エステルを反応装置の腐食や廃液処理の問題なく製造する方法を提供。
【解決手段】グリセリンを固体塩基触媒の存在下で、高温高圧状態のアルコールを反応媒体として用いて乳酸エステルを合成する方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


近年、植物油を原料としたディーゼル燃料(バイオディーゼル燃料:BDF)が盛んに製造されている。これは、グリセリンのトリエステル体である油脂とアルコールとをエステル交換させることにより油脂から脂肪酸エステルを取り出し、これをディーゼル燃料とするものである。しかし、この技術によれば油脂から取り出される脂肪酸エステルをバイオディーゼル燃料として有効利用できる反面、その製造に際して副生物としてグリセリンが原料の約10%程度の重量で生成する。副生物としてのグリセリンには、触媒や未変換の脂肪酸などが混入されているため、これを有効に活用する方法は見出されていない。多くは燃料として焼却されたり、そのまま廃棄されているのが現状である。



バイオディーゼル燃料の製造が増大するにつれて、副生するグリセリンの量も増大している。又グリセリンは、植物油脂、動物油脂等の油脂の構成物質であり自然界に豊富に含まれており、食品工業、油脂工業分野等において、各種の油脂から分離・生成され、大量に安価に入手することができる。したがって、副生物としてのグリセリンのみならず、安価に入手可能な材料であるグリセリンを有効利用することが求められている。



従来、グリセリンの活用方法として次のような方法が提案されている。酸性油脂類及び劣化油脂類等を原料とするバイオディーゼル燃料の製造方法として、副生するグリセリン及びグリセリン誘導体を酸で中和し更に蒸留、比重分離操作等により精製する方法(特許文献1)が提案されている。



油脂からアルカリ触媒の存在下にエステル交換してバイオディーゼル燃料を製造する際に副生するグリセリン、又は植物油脂、動物油脂から化学的に合成されたグリセリンを、アルカリ性条件下で、水熱反応させて乳酸を製造する方法(特許文献2、非特許文献1)が提案されている。



更に、動植物油脂廃棄物からアルカリ触媒を用いてバイオディーゼル燃料を製造する際に副生するグリセリンを、酸を用いて酸性としたのち超臨界水を作用させ、グリセリンを脱水反応させアクロレインを製造する方法(特許文献3)も検討されている。



しかし、特許文献1のグリセンリンの精製方法では、精製するのに費用がかかり、又得られるグリセリンの純度が必ずしも高くできないため商用に適さないという問題があった。特許文献2、非特許文献1のアルカリ水熱法では過剰量のアルカリを必要とするため、反応装置の腐食や廃液処理などの問題があった。更に、特許文献3の方法は、原料グリセリンを酸性下で超臨界水を媒体として反応を行うもので、反応装置の腐食や廃液処理などの問題があった。



一方、乳酸は、カーボンニュートラルな生分解性プラスチック材料であるポリ乳酸の原料モノマーとして使用されている。ポリ乳酸は、生分解性プラスチック材料であるため、廃棄物処理問題の解決策の一つとして、又生物由来であるため、石油資源の節約およびCO2発生量の削減等の効果が注目され、使用量も増大しており今後も需要の増大が見込まれる。ここで、ポリ乳酸の原料モノマーとなる乳酸の形態でなく乳酸エステルの形態であっても、乳酸エステルを加水分解反応により簡単に乳酸へと転化できるので、乳酸エステルが製造できても、実質的に乳酸の製造と同等であるので有意義である。



このため、バイオディーゼル燃料の製造の際に副生するグリセリンを始めとし、各種の油脂から分離・生成されるグリセリンから、ポリ乳酸の原料モノマーとなる乳酸エステルを反応装置の腐食や廃液処理の問題なく簡便に製造することができれば、バイオディーゼル燃料の製造プロセスを評価する上でも、副生グリセリンの有効活用策として有用であり、製造技術の確立が望まれている。

産業上の利用分野


本発明は、グリセリンを原料とする乳酸エステルの合成方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
グリセリンを固体塩基触媒の存在下で、温度150~600℃、圧力2.0~200MPaの高温高圧状態のアルコールを反応媒体として乳酸エステルを合成する方法。

【請求項2】
前記グリセリンが、バイオディーゼル燃料の製造の際に副生するグリセリンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記固体塩基触媒が、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化ストロンチウムおよび酸化バリウムからなる群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
前記アルコールが、メタノール、エタノール、イソプロパノールのうちいずれかであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の方法。

【請求項5】
前記高温高圧状態が、超臨界状態又は亜臨界状態であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の方法。
産業区分
  • 処理操作
  • その他無機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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