TOP > 国内特許検索 > 新規高等植物の作出方法、及び高等植物の生長促進方法

新規高等植物の作出方法、及び高等植物の生長促進方法

国内特許コード P130009147
掲載日 2013年4月18日
出願番号 特願2011-284942
公開番号 特開2012-110330
登録番号 特許第5441074号
出願日 平成23年12月27日(2011.12.27)
公開日 平成24年6月14日(2012.6.14)
登録日 平成25年12月27日(2013.12.27)
優先権データ
  • 特願2005-027012 (2005.2.2) JP
発明者
  • 奥 忠武
  • 西尾 俊幸
  • 河内 隆
  • 千田 浩隆
  • 中沢 愛子
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 新規高等植物の作出方法、及び高等植物の生長促進方法
発明の概要

【課題】葉緑体のチラコイド内腔にシトクロムc6を有する新規な高等植物の作出方法を提供する。
【解決手段】葉緑体のチラコイド内腔にシトクロムc6を有する高等植物の作出方法であって、シトクロムc6タンパク質に50~80アミノ酸残基のシグナルペプチドが付加された融合タンパク質をコードする遺伝子を高等植物のゲノム中に導入することを特徴とする。さらに、高等植物の生長促進方法、ATP、NADPH、デンプン及びタンパク質からなる群から選ばれる少なくとも1つの合成促進方法並びに炭素固定促進方法。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


従来、陸上植物等のいわゆる高等植物の生長促進に関する技術としては、リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ等の酵素の活性を高めるなど、光合成暗反応(カルビン・ベンソンサイクル)に関する報告例、具体的には、関連酵素遺伝子の導入により葉を大きくした報告例(Shigeoka et al., Nature biotechnology, 19, 965-969(2001))等がある。しかしこのような技術は、様々な高等植物への適用の面で、汎用性に非常に乏しいものであった。
シトクロムc6は、光合成明反応における電子伝達タンパク質であって、本来、一部の藻類(ラン藻類等)にのみ存在するものであり、その電子伝達能力が極めて優れている(すなわち酸化還元電位が高電位である)ことが知られている(図1)。このため、様々な高等植物において、その葉緑体中に(詳しくはチラコイド内腔に)シトクロムc6を発現及び機能させ、光合成能を向上させる、汎用性に優れた技術の開発が強く望まれている。
ところで、シトクロムc6を細胞内で発現させるようにする技術としては、例えば、F. P. Molina-Heredia et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 243, 302-306(1998);T. Satoh et al., FEBS lett., 531, 543-547(2002);R. Gupta et al., Nature, 417, 567-571(2002);D. R. Hickey et al., Gene, 105, 73-81(1991) 等の文献に記載の技術が知られている。しかし、これら技術はいずれも、大腸菌、酵母あるいはラン藻といった高等植物ではない宿主細胞を用い、単に、上記シトクロムc6又はそれに類するタンパク質の大量生産や機能解析を目的としてなされたものであり、従来より当業者において通常行われている遺伝子発現法に含まれるものである。
そして、高等植物において光合成明反応の電子伝達体としてシトクロムc6を機能させること、つまり、高等植物細胞内の葉緑体中にあるチラコイドの内腔にシトクロムc6を存在させることに成功した報告例は全く無く、極めて困難であると考えられていた。

産業上の利用分野


本発明は、葉緑体のチラコイド内腔にシトクロムc6を有する新規な高等植物の作出方法、及び、上記チラコイド内腔にシトクロムc6を存在させ高等植物の生長を促進させる方法又は高等植物の炭素固定能を促進させる方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
シトクロムc6タンパク質に50~80アミノ酸残基のシグナルペプチドが付加されてなる融合タンパク質又はその変異型タンパク質であって、以下の(a)、(b)、(c)若しくは(d)のタンパク質であることを特徴とする、前記融合タンパク質又はその変異型タンパク質。
(a) 配列番号6に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質
(b) 配列番号6に示されるアミノ酸配列のうちの前記シグナルペプチドに相当するアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ高等植物の葉緑体包膜及びチラコイド膜の通過能を有するタンパク質
(c) 配列番号6に示されるアミノ酸配列のうちの前記シトクロムc6タンパク質に相当するアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ電子伝達能を有するタンパク質
(d) 配列番号6に示されるアミノ酸配列のうちの前記シグナルペプチドに相当するアミノ酸配列及び前記シトクロムc6タンパク質に相当するアミノ酸配列においてそれぞれ1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ高等植物の葉緑体包膜及びチラコイド膜の通過能、並びに電子伝達能を有するタンパク質
【請求項2】
請求項1に記載の融合タンパク質又はその変異型タンパク質をコードする遺伝子であって、以下の(a)、(b)又は(c)のDNAを含むことを特徴とする、前記遺伝子。
(a) 配列番号5に示される塩基配列を含むDNA
(b) 配列番号5に示される塩基配列を含むDNAと相補的な塩基配列を含むDNAと、ハイブリダイゼーション後の洗浄時の条件が2×SSC、0.5%SDS及び80℃であるストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、かつ高等植物の葉緑体包膜及びチラコイド膜の通過能、並びに電子伝達能を有するタンパク質をコードするDNA
(c) 配列番号5に示される塩基配列を含むDNAと90%以上の相同性を有する塩基配列を含むDNAであって、かつ高等植物の葉緑体包膜及びチラコイド膜の通過能、並びに電子伝達能を有するタンパク質をコードするDNA
【請求項3】
請求項2に記載の遺伝子を含む組換えベクター。
【請求項4】
請求項3に記載の組換えベクターを宿主に導入してなる形質転換体。
【請求項5】
宿主がアグロバクテリウム属に属する微生物である、請求項4に記載の形質転換体。
【請求項6】
請求項2に記載の遺伝子が植物ゲノム中に導入されている、形質転換高等植物。
【請求項7】
植物細胞中の葉緑体のチラコイド内腔にシトクロムc6を有するものである、請求項6に記載の形質転換高等植物。
産業区分
  • 微生物工業
  • 有機化合物
  • 農林
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
日本大学産官学連携知財センター(通称NUBIC,ニュービック)は,技術移転機関と知的財産本部の機能を兼ね備えた日本大学の産学連携の窓口です。
NUBICは,日本大学全教職員や大学院生・学部学生の豊富なアイデアや研究成果を,知的財産として戦略的に創出・保護・管理し,産業界のニーズとのマッチングを図り,企業の研究開発,新製品開発,新規事業の立上げが円滑に行われるようサポートいたします。
お気軽にご相談ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close