TOP > 国内特許検索 > 摩擦圧接による突起部の形成

摩擦圧接による突起部の形成

国内特許コード P130009156
掲載日 2013年4月18日
出願番号 特願2012-105082
公開番号 特開2012-139734
登録番号 特許第5429760号
出願日 平成24年5月2日(2012.5.2)
公開日 平成24年7月26日(2012.7.26)
登録日 平成25年12月13日(2013.12.13)
発明者
  • 加藤 数良
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 摩擦圧接による突起部の形成
発明の概要

【課題】 摩擦圧接により得られる新規な形状の突起部及び新規な形状の突起部の新規な製造方法の提供
【解決手段】マグネシウム合金板、アルミニウム合金板又は銅板から選ばれる一枚板の表面を高速回転する中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具により摩擦し、中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具を前記板内に侵入させることにより、前記工具の中空円筒部内側の前記板を溶融状態で中空円筒部内側に盛り上がった状態とし、前記工具を板の底面に達したところで、その回転を止めて、中空円筒部内側の盛り上がった部分を、これら工具から引き離して冷却することにより、マグネシウム合金板、アルミニウム合金板及び銅板から選ばれる板が盛り上げられて側壁部及び頂部が形成され、中空円柱状である突起部を得ることができる。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


ノートパソコンや携帯電話などのモバイル機器の軽量化を目的にアルミニウム合金やマグネシウム合金薄板が筐体などに用いられている。この筐体にはその組立や筺体に基板、モータなどの取付けるために突起部を設ける必要がある。従来、これらの突起部を形成する際には鍛造法が専ら採用されてきた。この方法は大型の機械を用いて材料の塑性加工の特性を利用するものであり、複雑な操作が必要とされる。例えば、特許文献1(特開平2-6034号公報)に記載されている凸部の形成では、ダイの凹部に対向する位置から偏心したパンチ側凸部により長さ方向及び板厚方向に塑性流動を与えて、素板材に所定形状の凸部を形成する。この方法によると、凸部の形成と同様に、凸部の反対側に必要としない凹部が必然的に形成されるという問題点があり、日経BP社刊「日経メカニカル」第2000.10.no.553号の第70~71頁(非特許文献1)に記載によると、マグネシウム合金を押し出し鍛造すると、流れ模様が発生するなど、表面の外観品質に課題が残り、特に、高いボスを形成した場合、ボスの反対側がくぼんでしまうなどの問題点が指摘されている。
これらのことから形成すべき凸部の周囲の板材を押圧、又は更に形成すべき凸部の裏面に設けた突出部を押圧することにより、形成すべき凸部に向けて素板材の一部が塑性流動させて凸部を形成する(特許文献2、特開2002-273540号)、マグネシウム合金板材に、その厚さ方向の荷重を印加して、凸部を形成する工程を有するマグネシウム合金部品の製造方法において、前記板材表面の凸部を形成しようとする領域近傍における合金材料の流動性Aを、その裏面近傍における合金材料の流動性Bよりも、大きくなるように制御する(特許文献3 特開2004-337935)などの種々の操作が必要であることが指摘されている。
以上の方法では、塑性流動性を利用していることが理解できるが、塑性流動を利用するために種々の煩雑な細かい操作を必要とし、細かい操作をほどこしても、依然として問題点を完全に解決することが困難な状況にあり、従来の方法とは相違する突起部及び突起部の形成方法が必要とされている。



前記の材料を用いる突起部の形成に際し材料の塑性流動性を利用して突起部を形成するうえで、鍛造法以外の方法としては以下の方法が候補として考えられる。
スタッド溶接を用いる場合については、筐体表面への凹みや熱影響などの問題があり、これを排除することが困難であると考えられ、現段階では有効な手段ではない。
摩擦圧接による方法では、摩擦圧接自体摩擦面の温度と回転速度の調節が必要とされ(特許文献5、特公昭52-11294号など)、板状態にフインなどを摩擦圧接により取付けようとすると、位置決めなどを考慮して振動手段を採用する(特許文献6 特開11-340392)、圧入の際の圧力調整が必要である(特許文献7 特開2006-255749号公報、特許文献8 特開2006-187778号公報、特許文献9 特開2007-105735号公報)など煩雑な操作が必要とされ、突起部の摩擦圧接により接合された部分の強度が単に一つの材料により形成されている突起部と同じレベルの強度を維持できるかどうかが問題となる。この点では有効な手段ではないと考えられる。
摩擦圧接処理は、通常、回転する中実円柱状体を板材に接触させて板材に凹み部分を形成し、凹み部分の周辺部の材料を溶融軟化させることを利用するために用いるものであり、突起部の形成に利用された事例はない。回転する中実円柱状体による凹みの周辺を溶融軟化させ、その結果により起こる塑性流動は、凹み部分の形成には有効に作用するが、この方法が直ちに突起部を形成するという適用例は考えられない。摩擦圧接処理は、回転するプローブを、板材表面を移動させることによる変形加工を行うものであり(特許文献10 特開2004-74255号公報、特許文献11 特開2005-118877号公報)、移動しない場合には単に材料中の特定部分を溶融状態に保つことにとどまる(特許文献12 特開2005-305480号公報)。
従来の方法では、単に金属板の摩擦圧接処理によって突起部を形成することは期待することはできない。

産業上の利用分野


本発明は、摩擦圧接による突起部の形成に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
マグネシウム合金板、アルミニウム合金板及び銅板から選ばれる板が溶融後、盛り上げられた状態で、頂部の外側部にそって環状部分を有する頂部及び側壁部を有する中空円柱状に形成されていることを特徴とする突起部。
【請求項2】
マグネシウム合金板、アルミニウム合金板又は銅板から選ばれる板の表面を、高速回転する中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具により摩擦し、前記工具を板内に侵入させ、前記工具の中空円筒部内側の板を溶融し、中空円筒部内に盛り上がった状態とし、頂部及び側壁部を有する中空円柱を形成し、前記工具が底面に達したところで、前記工具の回転を止めて、中空円柱をこれら工具から引き離して冷却することにより請求項1記載の突起部を形成することを特徴とする突起部の形成方法。
【請求項3】
前記中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具の端部の形状が、ストレート型(Straight型(a))、傾斜型(Taper型(b))、環状急傾斜型(Chamfering型(c))、又は階段型(Step型(d))から選ばれることを特徴とする請求項2記載の突起部の形成方法。
【請求項4】
回転可能に且つ推進する方向に移動可能な回転駆動による摩擦圧接・移動手段の主軸の先端部に取付け手段を介して中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具を取り付け、マグネシウム合金板、アルミニウム合金板又は銅板から選ばれる板の表面を、高速回転する中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具により摩擦し、板中に侵入させ、前記工具の中空円筒部内側の板を溶融し、中空円筒部内に盛り上がった部分とし、頂部及び側壁部を有する中空円柱を形成し、前記工具が底面に達したところで、回転を止めて、中空円筒部内側の盛り上がった部分を、前記工具から引き離して請求項1記載の突起部を形成することを特徴とする突起部の形成装置。
産業区分
  • 加工
  • 圧搾
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2012105082thum.jpg
出願権利状態 登録
日本大学産官学連携知財センター(通称NUBIC,ニュービック)は,技術移転機関と知的財産本部の機能を兼ね備えた日本大学の産学連携の窓口です。
NUBICは,日本大学全教職員や大学院生・学部学生の豊富なアイデアや研究成果を,知的財産として戦略的に創出・保護・管理し,産業界のニーズとのマッチングを図り,企業の研究開発,新製品開発,新規事業の立上げが円滑に行われるようサポートいたします。
お気軽にご相談ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close