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新規PIポリアミド 新技術説明会

国内特許コード P130009177
掲載日 2013年4月19日
出願番号 特願2012-106382
公開番号 特開2013-234135
登録番号 特許第6044923号
出願日 平成24年5月8日(2012.5.8)
公開日 平成25年11月21日(2013.11.21)
登録日 平成28年11月25日(2016.11.25)
発明者
  • 大日方 大亮
  • 高橋 悟
  • 福田 昇
  • 藤原 恭子
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 新規PIポリアミド 新技術説明会
発明の概要 【課題】前立腺癌の予防、治療に有用な化合物、及び該化合物を含有する薬剤の提供。
【解決手段】アンドロゲン応答遺伝子であるTMPRSS2遺伝子と、転写制御因子であるETS familyに属するERG遺伝子との融合を抑制する、下記式を代表例とする新規なピロール-イミダゾール含有ポリアミド、及び該化合物を含有する薬剤。



【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


ステロイドホルモンのひとつとであるアンドロゲンと、この受容体であるアンドロゲンレセプター(Androgen Receptor;AR(以下、ARと示す場合がある))は、前立腺細胞において、その増殖、さらには癌化に密接に関与していることが知られている。
そこで、前立腺癌の治療法のひとつとして、アンドロゲン除去療法が行われてきた。アンドロゲン除去療法は、ARの作用を抑制することにより、前立腺癌の進行を抑制させる方法である。しかし、この治療法では、治療が進むに従って、癌化した前立腺細胞の形質が変化するため効果がなくなり、その後の治療が困難であるという問題があった。



近年、正常な前立腺細胞において発現しているアンドロゲン応答遺伝子のTMPRSS2遺伝子が、細胞増殖・分化に関与するとともに、細胞の癌化に重要な役割を果たしているETS familyの遺伝子と融合することによって、前立腺細胞におけるアンドロゲン感受性を変化させ、細胞の癌化や癌の悪性度の進行等に影響を与えていることが報告されている(非特許文献1)。ETS familyの遺伝子としては、ERG遺伝子、ETV1遺伝子、ETV4遺伝子またはETV5遺伝子等が知られており、これらの遺伝子によってコードされるタンパク質は細胞の増殖、細胞周期、アポトーシス等の調節に作用する。



また、前立腺細胞において、ARがTMPRSS2遺伝子およびERG遺伝子の塩基配列上に存在するAR結合配列(AR responsive elements;ARE(以下、AREと示す場合がある))と結合する際に、AREに隣接する共通の塩基配列(Break fusion sites)で切断が起こり、互いに結合することで、遺伝子転座が起こることも近年報告されている(非特許文献2)。
すなわち、ARは、TMPRSS2遺伝子とERG遺伝子との融合遺伝子の発現をアンドロゲン依存的に促進させるだけでなく、前立腺癌細胞の発生、増殖に有利な環境を作っている可能性が考えられる。



そこで、これらの融合遺伝子や、融合遺伝子の発現によって起こる、ERG遺伝子の過剰発現の有無を調べることにより、前立腺癌を検出する方法や、干渉性RNAやアンチセンス核酸を投与して、これらの遺伝子の発現を不安定化することによって前立腺癌を治療する方法、癌化した細胞に細胞毒性遺伝子産物をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを投与することによって前立腺癌を治療する方法等が開示されている(特許文献1~4)。
しかし、干渉性RNAやアンチセンス核酸は生体内で分解され易く、安定性が低い。また、生体内において細胞毒性遺伝子産物を発現させる方法は、必ずしも安全とはいえず、これらの治療方法は前立腺癌の治療において十分な方法とはいえなかった。



本発明者らは、本発明において、前立腺癌の治療に有効であり、かつ、安定で安全な物質を得るためにPIポリアミドに着目した。
PIポリアミドとは、芳香族アミノ酸であるN-methylpyrrole(N-メチルピロール(以下、Pyと示す場合がある))、N-methylimidazole(N-メチルイミダゾール(以下、Imと示す場合がある))で構成される、DNAに配列特異的に結合する物質のことである(非特許文献3)。
このうちIm/PyペアはDNAにおけるG・Cを認識し、Py/PyペアはT・AおよびA・Tを認識する。PIポリアミドはDNAに高い親和性を有し、Im/PyとPy/Pyの組み合わせ次第で、多様な配列のDNAに結合させることができる。また、生体内において分解されず、干渉性RNA等と比べて安定性が高いという利点もある。



そこで、腫瘍で高発現している遺伝子を標的とした様々なPIポリアミドが開発されており、抗腫瘍効果を示すことが確認されている(非特許文献4)。
例えば、ヒトの悪性腫瘍において過剰発現が報告されているオーロラキナーゼAおよびオーロラキナーゼBの遺伝子を標的として、これらの発現量を制御することを目的とした、PIポリアミドを含む薬剤等も開示されている(特許文献5)。この文献において、この薬剤の対象となり得る悪性腫瘍のひとつとして前立腺癌を挙げている。しかし、ここで示されている薬剤は、前立腺癌に特異的な遺伝子の発現を制御することを目的とするものではない。従って、前立腺癌の予防、治療等において、より有効かつ安全で安定した薬剤の提供が望まれている。

産業上の利用分野


本発明は、新規のピロール-イミダゾール ポリアミド(以下、PIポリアミドと示す場合がある)に関する。さらに詳しくは、アンドロゲン応答遺伝子であるTMPRSS2遺伝子と、転写制御因子であるETS familyに属するERG遺伝子との融合遺伝子の発現を抑制する新規のPIポリアミドに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
次の式1~4のいずれかに示されるピロール-イミダゾール ポリアミド。
[式1]


[式2]


[式3]


[式4]



【請求項2】
請求項1に記載のピロール-イミダゾール ポリアミドを有効成分として含む、TMPRSS2遺伝子とERG遺伝子との融合遺伝子の発現抑制剤。

【請求項3】
請求項1に記載のピロール-イミダゾール ポリアミドを有効成分として含むEZH2遺伝子の発現抑制剤。

【請求項4】
請求項1に記載のピロール-イミダゾール ポリアミドを有効成分として含む前立腺癌の予防または治療剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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