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通電処理による発酵温度の制御並びに食品微生物の増殖・代謝の促進方法 コモンズ

国内特許コード P130009183
整理番号 2011-011
掲載日 2013年4月23日
出願番号 特願2011-269462
公開番号 特開2013-118860
登録番号 特許第5920767号
出願日 平成23年12月8日(2011.12.8)
公開日 平成25年6月17日(2013.6.17)
登録日 平成28年4月22日(2016.4.22)
発明者
  • 野口 明徳
  • 胡 宏海
出願人
  • 石川県公立大学法人
発明の名称 通電処理による発酵温度の制御並びに食品微生物の増殖・代謝の促進方法 コモンズ
発明の概要 【課題】通電処理による発酵温度の制御並びに食品微生物の増殖・代謝の促進方法を提供する。
【解決手段】食品微生物による発酵過程において、通電加熱により発酵温度を所定の温度範囲に制御し及び/又は前記食品微生物による培養液に交流電圧を印加する通電処理により微生物の増殖・代謝を促進することを特徴とする発酵温度及び/又は発酵微生物の増殖・代謝制御方法。
【効果】発酵過程の発酵温度の精密制御、並びに清酒酵母や耐塩性酵母などの食品微生物の増殖・代謝の促進に有用な通電加熱又は通電処理を利用した新しい発酵技術を提供することができる。
【選択図】図9
従来技術、競合技術の概要


食品への通電加熱は、食品自体を電気導電体とみなし、食品に交流電流を流すことにより食品自体を直接発熱させる技術であり、例えば、均一迅速加熱が可能なこと、加熱効率が高いことなどの特徴を有している。また、最近、微生物に対する電気的な刺激は微生物の増殖に影響を与えることを示す事例が幾つか報告されているが(非特許文献1及び非特許文献2)、その効果については不明な点がまだ多いのが実情である。



従来、発酵食品の製造過程において、通電しながら製造する方法が幾つか提案されており、先行技術として、例えば、マストに酵母(=酒母)を添加し発酵させるワインの製造方法がある。該方法においては、マストに微弱電流(=3~50mAの直流電流あるいは10~120mAの交流電流)を通電しながら発酵させ、香気性成分の含有量の多いワインを製造すること、酵母の香気性成分の生成を高めること、などが記載されている(特許文献1)。しかし、この文献には、微弱電流(交流電流)を通電しながら発酵させるとの記載があるが、成分の生成強化を狙いとしており、周波数の影響、交流波形の影響や、交流通電による酵母自体の増殖促進や、発酵の促進については言及がなく、ワインの香気性成分の生成以外については何も示されていない。



また、他の先行技術として、例えば、醤油醸造用酵母の培養方法において、培養液中に交流電流(=周波数100~2000Hz、0.05~0.5アンペア)を通電しながら前記酵母を培養すること、諸味発酵が旺盛で、アルコール含量の高い、優れた品質の醤油を製造すること、酵母生菌数が従来の方法よりも多い酵母培養液を容易に製造すること、などが記載されている(特許文献2)。しかし、この文献には、醤油醸造用酵母について記載されているのみであり、醤油醸造用酵母以外の酵母については何も示されていない。



また、他の先行技術として、例えば、所定の容器に味噌を収納し、味噌への通電加熱による加熱処理後、容器収納状態のまま真空冷却炉内に収容して所定温度まで真空冷却する方法、が提案されている(特許文献3)。しかし、この方法は、加熱処理によって、味噌中の酵母並びに一般細菌数を基準値(再発酵不可能な数値)以下として細菌処理が終了されるようにするものであり、殺菌処理を目的としたものである。



また、他の先行技術として、例えば、甲殻類、魚類、菌類などからの抽出分離工程と、濃縮液を生成する濃縮工程とを備えている鮮度保持剤の製造方法において、前記濃縮液に通電する方法、が提案されている(特許文献4)。しかし、この方法は、濃縮液に通電し陰極還元することを目的とするものである。



更に、他の先行技術として、セルロース系バイオマスとして雑草を使用し、前記雑草を緩衝液に浸漬し、次いで、当該緩衝液に電圧(直流電圧5~30V)を印加することにより雑草の通電処理物を得て、この通電処理物を酵素により糖化し、該糖化物を原料として発酵を行うこと、が提案されている(特許文献5)。しかし、上記通電処理は、セルロース系バイオマスを糖化するための前処理を簡易化することを目的としたものである。



このように、先行技術として、通電処理による加工技術が幾つか提案されているが、その利用は未だごく一部の基礎的又は応用技術が報告されているだけであり、基本原理の理論的解明を含めて、実用化のレベルに到達していないのが実情であった。そこで、発酵関連分野において、通電処理による効果について更に解明するとともに、通電による新しい通電加工技術を確立することが当技術分野における重要課題として求められていた。

産業上の利用分野


本発明は、通電処理による食品の発酵温度の制御及び/又は食品微生物の増殖・代謝の制御方法に関するものであり、更に詳しくは、食品の発酵過程において、バースト波を印加するバースト通電加熱により発酵温度を所定の温度条件に制御すること及び/又は培養液に微弱な交流電圧のバースト波を印加することにより食品微生物の増殖・代謝を促進することを特徴とする、発酵の温度条件の制御並びに食品微生物の増殖・代謝の促進方法に関するものである。本発明は、バースト通電処理による発酵温度の制御並びに食品微生物の増殖・代謝の促進方法に関する新技術を提供するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
食品微生物による発酵過程において、交流電圧を印加する通電処理における基本的波形である連続波、バースト波、及び方形波による通電のうち、バースト波を印加するバースト通電加熱により発酵温度を所定の温度範囲に制御し及び/又は前記食品微生物による培養液にバースト波を印加するバースト通電処理により微生物の増殖・代謝を促進することを特徴とする発酵温度及び/又は発酵微生物の増殖・代謝制御方法。

【請求項2】
上記食品微生物が、清酒酵母又は耐塩性酵母である、請求項1に記載の発酵温度及び/又は発酵微生物の増殖・代謝制御方法。

【請求項3】
清酒酵母による発酵過程において、バースト波を印加するバースト通電加熱により発酵温度を所定の温度範囲に制御する、請求項1又は2に記載の発酵温度の制御方法。

【請求項4】
耐塩性酵母による発酵過程において、バースト波を印加するバースト通電加熱により発酵温度を所定の温度範囲に制御する、請求項1又は2に記載の発酵温度の制御方法。

【請求項5】
清酒酵母による発酵過程において、その培養液にバースト波を印加するバースト通電処理により清酒酵母の増殖・代謝を促進する、請求項1に記載の発酵微生物の増殖・代謝制御方法。

【請求項6】
耐塩性酵母による発酵過程において、その培養液にバースト波を印加するバースト通電処理により耐塩性酵母の増殖・代謝を促進する、請求項1に記載の発酵微生物の増殖・代謝制御方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011269462thum.jpg
出願権利状態 登録


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