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相互作用エネルギー算出システム、相互作用エネルギー算出方法、及び相互作用エネルギー算出プログラム

国内特許コード P130009238
整理番号 S2011-0933-N0
掲載日 2013年5月9日
出願番号 特願2011-245411
公開番号 特開2013-101533
登録番号 特許第5067682号
出願日 平成23年11月9日(2011.11.9)
公開日 平成25年5月23日(2013.5.23)
登録日 平成24年8月24日(2012.8.24)
発明者
  • 中野 達也
  • 望月 祐志
  • 福澤 薫
出願人
  • 国立医薬品食品衛生研究所長
  • 学校法人立教学院
  • みずほ情報総研株式会社
発明の名称 相互作用エネルギー算出システム、相互作用エネルギー算出方法、及び相互作用エネルギー算出プログラム
発明の概要


【課題】FMO法を用いて算出されるフラグメント間の相互作用エネルギーの計算の精度を高めることのできる相互作用エネルギー算出システム、相互作用エネルギー算出方法、及び相互作用エネルギー算出プログラムを提供する。
【解決手段】IFIE計算手段12Dは、三体相互作用エネルギーのうちで特定のダイマーの寄与する分を二体相互作用エネルギーに加えることによって該二体相互作用エネルギーを補正し、当該補正された二体相互作用エネルギーを特定のダイマーにおけるフラグメント間の相互作用エネルギーとして出力する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


従来から、高分子の電子状態を計算する方法としてフラグメント分子軌道法(Fragment Molecular Orbital method :FMO法)が広く用いられている。例えば、非特許文献1及び2に記載のFMO法では、まず、高分子が複数のフラグメントに分割され、次いで、フラグメントのモノマーにおける電子状態とフラグメントのダイマーにおける電子状態とが計算され、これらに基づき分子全体の電子状態が計算される。こうしたFMO法によれば、非経験的分子軌道法のように、分子全体の構造から該分子全体の電子状態が計算される方法と比べ、計算コストが大幅に削減される。そのうえ、上記FMO法によれば、フラグメント間の相互作用エネルギー(Inter-Fragment Interaction Energy : IFIE)を計算することが可能であるため、フラグメント間の相互作用の種別やその度合いをIFIEに基づいて解析することも可能である。なお、FMO法で用いられるPIE(Pair Interaction Energy )とは、上述したIFIEと同義である。



近年、上述したFMO法は、疾病との関わりを有する生体高分子であるレセプターと、該レセプターに結合するリガンドの候補化合物との相互作用の解析にも応用されている。この際、まず、レセプターがアミノ酸残基単位からなるフラグメントに分割され、次いで、レセプターを構成する各フラグメントと他のフラグメントであるリガンドとのIFIEが計算される。こうしたIFIEの比較によれば、レセプターとリガンドとの結合メカニズムを推定することが可能になるため、該IFIEに基づく相互作用の解析は、新薬としてのリガンドの候補化合物を分子設計する上で、非常に有用である。

産業上の利用分野


本発明は、フラグメント分子軌道法を用いてフラグメント間の相互作用エネルギーを算出する相互作用エネルギー算出システム、相互作用エネルギー算出方法、及び相互作用エネルギー算出プログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
計算対象物質における複数のフラグメント間の相互作用エネルギーをフラグメント分子軌道法によって算出する制御部を備えた相互作用エネルギー算出システムであって、
前記制御部は、
前記フラグメントの各々のエネルギーを計算する第1計算手段と、
任意の2つのフラグメントをダイマーとし、1つの特定のダイマーにおける二体相互作用エネルギーを計算する第2計算手段と、
任意の3つのフラグメントをトリマーとし、前記1つの特定のダイマーを含むトリマーにおける三体相互作用エネルギーを計算する第3計算手段と、
前記二体相互作用エネルギーを補正する補正手段とを備え、
前記補正手段は、
前記三体相互作用エネルギーのうちで前記1つの特定のダイマーの寄与する分を前記二体相互作用エネルギーに加えることによって該二体相互作用エネルギーを補正し、当該補正された二体相互作用エネルギーを前記1つの特定のダイマーにおけるフラグメント間の相互作用エネルギーとする
ことを特徴とする相互作用エネルギー算出システム。

【請求項2】
前記補正手段は、
前記三体相互作用エネルギーのうちで前記1つの特定のダイマーの寄与する分を前記三体相互作用エネルギーの1/3とする
ことを特徴とする請求項1に記載の相互作用エネルギー算出システム。

【請求項3】
前記制御部は、
任意の4つのフラグメントをテトラマーとし、前記1つの特定のダイマーを含むテトラマーにおける四体相互作用エネルギーを計算する第4計算手段を更に備え、
前記補正手段は、
前記四体相互作用エネルギーのうちで前記1つの特定のダイマーの寄与する分を前記補正された二体相互作用エネルギーに加えることによって該二体相互作用エネルギーを更に補正し、当該補正された二体相互作用エネルギーを前記1つの特定のダイマーにおけるフラグメント間の相互作用エネルギーとする
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の相互作用エネルギー算出システム。

【請求項4】
前記補正手段は、
前記四体相互作用エネルギーのうちで前記1つの特定のダイマーの寄与する分を前記四体相互作用エネルギーの1/6とする
ことを特徴とする請求項3に記載の相互作用エネルギー算出システム。

【請求項5】
前記計算対象物質は、
タンパク質からなるレセプターと、該レセプターのリガンド若しくはリガンドの候補化合物とを有する分子複合体であり、
前記制御部は、
前記計算対象物質をフラグメントに分割する分割手段を更に備え、
前記分割手段は、
前記レセプターをアミノ酸残基の少なくとも部分構造を有する複数のフラグメントに分割し、且つ前記リガンド若しくはリガンドの候補化合物を複数のフラグメントに分割する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の相互作用エネルギー算出システム。

【請求項6】
前記分割手段は、
前記レセプターを、前記アミノ酸残基の主鎖を構成するフラグメントと前記アミノ酸残基の側鎖を構成するフラグメントとに分割する
ことを特徴とする請求項5に記載の相互作用エネルギー算出システム。

【請求項7】
前記分割手段は、
前記アミノ酸残基の側鎖を1以上のフラグメントに分割する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の相互作用エネルギー算出システム。

【請求項8】
前記分割手段は、
前記レセプターを、アミノ酸残基のカルボニル基を構成する炭素原子と、該炭素原子に結合した炭素原子との間でフラグメントに分割する
ことを特徴とする請求項5~7のいずれか一項に記載の相互作用エネルギー算出システム。

【請求項9】
前記分割手段は、
前記レセプターを、アミノ酸残基間のペプチド結合を構成する窒素原子と、該ペプチド結合を構成し、且つ前記窒素原子に結合した炭素原子との間で分割する
ことを特徴とする請求項5~7のいずれか一項に記載の相互作用エネルギー算出システム。

【請求項10】
計算対象物質における複数のフラグメント間の相互作用エネルギーをフラグメント分子軌道法によって算出する制御部を備えた算出システムを用いてフラグメント間の相互作用エネルギーを算出する相互作用エネルギー算出方法であって、
前記制御部が、
前記フラグメントの各々のエネルギーを計算する第1計算段階と、
任意の2つのフラグメントをダイマーとし、1つの特定のダイマーにおけるフラグメント間の二体相互作用エネルギーを計算する第2計算段階と、
任意の3つのフラグメントをトリマーとし、前記1つの特定のダイマーを含むトリマーにおけるフラグメント間の三体相互作用エネルギーを計算する第3計算段階と、
前記二体相互作用エネルギーを補正する補正段階とを備え、
前記補正段階では、
前記三体相互作用エネルギーのうちで前記1つの特定のダイマーの寄与する分が前記二体相互作用エネルギーに加えられることによって該二体相互作用エネルギーが補正され、当該補正された二体相互作用エネルギーが前記1つの特定のダイマーにおけるフラグメント間の相互作用エネルギーとされる
ことを特徴とする相互作用エネルギー算出方法。

【請求項11】
計算対象物質における複数のフラグメント間の相互作用エネルギーをフラグメント分子軌道法によって算出する制御部を備えた算出装置を用いてフラグメント間の相互作用エネルギーを算出する相互作用エネルギー算出プログラムであって、
前記制御部を、
前記フラグメントの各々のエネルギーを計算する第1計算手段と、
任意の2つのフラグメントをダイマーとし、1つの特定のダイマーにおけるフラグメント間の二体相互作用エネルギーを計算する第2計算手段と、
任意の3つのフラグメントをトリマーとし、前記1つの特定のダイマーを含むトリマーにおけるフラグメント間の三体相互作用エネルギーを計算する第3計算手段と、
前記二体相互作用エネルギーを補正する補正手段として機能させ、
前記補正手段に、
前記三体相互作用エネルギーのうちで前記1つの特定のダイマーの寄与する分を前記二体相互作用エネルギーに加えることによって該二体相互作用エネルギーを補正させ、当該補正された二体相互作用エネルギーを前記1つの特定のダイマーにおけるフラグメント間の相互作用エネルギーとして出力させる
ことを特徴とする相互作用エネルギー算出プログラム。
産業区分
  • 演算制御装置
  • 記憶装置
  • 入出力装置
  • 計算機応用
  • その他情報処理
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2011245411thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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