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RNAi分子活性抑制用核酸の阻害剤 コモンズ

国内特許コード P130009253
整理番号 S2013-0057-N0
掲載日 2013年5月13日
出願番号 特願2012-259056
公開番号 特開2014-105183
出願日 平成24年11月27日(2012.11.27)
公開日 平成26年6月9日(2014.6.9)
発明者
  • 立花 亮
  • 田辺 利住
出願人
  • 公立大学法人大阪市立大学
発明の名称 RNAi分子活性抑制用核酸の阻害剤 コモンズ
発明の概要 【課題】特定のRNAi分子活性抑制用核酸を制御できる薬剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】標的となるRNAi分子活性抑制用核酸の一本鎖核酸部分、さらに二本鎖核酸部分の塩基配列に対して完全に又は十分に相補的な塩基配列を含み、少なくともDNAを包含する核酸分子からなるRNAi分子活性抑制用核酸阻害剤を提供する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



近年、miRNA(マイクロRNA)やsiRNA(低分子干渉RNA)のようなタンパク質をコードしていない、いわゆるノンコーディングRNAが生理活性を有し、生体内で種々の機能を果たしていることが明らかになってきた。例えば、非特許文献1は、miRNAの1種でありoncomir(onco-miRNA;癌miRNA)と呼ばれるmiR-21をマウスで発現させた場合に、プレB細胞リンパ腫が誘導されることを開示している。一方で、多くの癌細胞ではmir-21が大量に発現されており、その発現を阻害するとHeLa細胞やヒトグリオーマ細胞U87等の癌細胞株では細胞死が引き起こされることが知られている(非特許文献2及び3)。miRNAをはじめとするノンコーディングRNAの活性を制御する薬剤を開発できれば、癌等の様々な疾患を治療するための医薬や診断薬の有効成分として利用することが可能となる。それ故、世界各国において、ノンコーディングRNAの活性を制御する薬剤を用いた核酸医薬品等の研究及び開発が盛んに進められており、これまでにも、miRNA阻害剤等をはじめとする様々な核酸医薬品が開発されてきた。





例えば、非特許文献4は、人工的に構築された非天然型核酸である架橋化核酸(BNA/LNA:Bridged Nucleic Acid/Locked Nucleic Acid)をmiRNA阻害剤として使用する方法を開示している。また、非特許文献5は、2’-OMeで化学修飾されたRNAを含む核酸をmiRNA阻害剤として用いる方法を開示している。一般にDNAよりも非天然型核酸や化学修飾した核酸の方がRNAに対するTm値が高いことが知られており、これらの方法は、そのRNAに対する高い結合親和性を利用して標的miRNAの活性を抑制する。しかし、非天然型核酸や化学修飾した核酸の合成には、非修飾のDNA合成の数十倍のコストを要するため、安価かつ大量に生産することができないという問題があった。また、生体内で分解されない非天然型核酸や化学修飾核酸を医薬品に使用することは、副作用等の安全面においても大きな問題が残る。





その他にも、特殊な構造を有する核酸分子からなるmiRNA阻害剤が知られている。例えば、非特許文献6は、miRNA阻害剤として、MBS(miRNA-biding site)がステムにはさまれた構造を有するRNAデコイを開示している。また、非特許文献7も、miRNA阻害剤として、バルジを含む相補的配列の両端にステムを結合させたmiRNA spongeを開示している。しかし、これらのmiRNA阻害剤は、プラスミドベクターからの発現によって生じるRNAによって構成されている。RNAは、生体内でヌクレアーゼ等の核酸分解酵素による分解を受けやすく、非常に不安定であることから、核酸医薬品の薬理効果を効率的に、かつ継続的に作用させる上で問題が残る。





特許文献1、非特許文献8及び非特許文献9では、miRNAの標的配列を含むステム構造を有し、2’-OMeで化学修飾されたRNAから構成されるmiRNA阻害剤が開示されている。これらのmiRNA阻害剤は、2’-OMe修飾によってRNAのヌクレアーゼに対する分解耐性を向上させている。しかし、RNAを化学修飾させる点においては、前述の化学修飾した核酸と変わらず、合成に要するコスト面の問題や、副作用の問題が依然として残されている。





核酸医薬品を開発する上で、コスト面や被検体に対する安全面を課題とした場合、非天然型核酸や化学修飾した核酸よりも生体内で分解可能な天然型核酸、すなわち、RNAやDNAで構成されていることが好ましい。RNAは、miRNAのようなノンコーディングRNAとの結合親和性が高く、それ故、阻害活性も高いが、生体内で非常に不安定である点や、化学合成効率が低く、合成コストも、非天然型核酸や化学修飾核酸ほどではないにしても、比較的高いという問題がある。一方、DNAは、RNAと比べて生体内での安定性が比較的高く、核酸の中では最も安価に合成できるが、ノンコーディングRNAに対する結合親和性が低く、特に、低濃度のときには、miRNA等に相補的な塩基配列を有していてもほとんど結合することができず、それ故、阻害活性が低いという問題があった。





そこで、本出願人は、標的とするRNAi分子の活性を特異的に、かつ効率的に抑制することができ、さらに安全かつ低廉で大量に生産することが可能なmiRNA阻害剤として、RNAi分子活性抑制用核酸を開発した(特許文献2)。このRNAi分子活性抑制用核酸は、可能な限り天然型核酸で構成されており、核酸分解酵素に対する高い分解耐性能を有し、生体内で比較的安定に維持され、かつ標的RNAi分子の活性を効率的に抑制可能で、安価で提供できるというこれまでの問題を全て解決し得る効果を有していた。





一方、RNAi分子活性抑制用核酸は、特有の構造を有し、生体内で比較的安定に維持され得るが故に一旦生体内に導入した場合、長期にわたって標的RNAi分子の活性を抑制し続ける可能性がある。しかし、例えば、RNAi分子の過剰発現に基づく疾患が治癒した後まで、その抑制効果が継続することは治療上好ましくない。





したがって、RNAi分子活性抑制用核酸の活性を制御し得る薬剤の開発が同時に必要となっていた。

産業上の利用分野



本発明は、特定の構造を有し、RNAi分子の活性を特異的に抑制することのできるRNAi分子活性抑制用核酸の機能を阻害し、そのRNAi分子の活性を回復させることのできるRNAi分子活性抑制用核酸の阻害剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
標的RNAi分子において活性を有する機能鎖の塩基配列に対して完全に又は十分に相補的な塩基配列からなる非修飾DNA領域を含む一本鎖核酸部分、及び
前記一本鎖核酸部分の5’末端及び3’末端の少なくとも一方に連結される二本鎖核酸部分を含んでなるRNAi分子の活性抑制用核酸に対して、その抑制活性を阻害するRNAi分子活性抑制用核酸の阻害剤であって、
前記RNAi分子活性抑制用核酸を構成する一本鎖核酸部分における非修飾DNA領域の塩基配列に対して完全に又は十分に相補的な塩基配列を含み、かつRNAのみで構成されない核酸分子からなる前記阻害剤。

【請求項2】
前記核酸分子が一本鎖核酸部分における非修飾DNA領域以外の塩基配列の全部又は一部に対しても相補的な塩基配列を含む、請求項1に記載の阻害剤。

【請求項3】
前記核酸分子がRNAi分子活性抑制用核酸を構成する二本鎖核酸部分の塩基配列の全部又は一部に対して相補的な塩基配列をさらに含む、請求項1又は2に記載の阻害剤。

【請求項4】
前記核酸分子がDNAのみからなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の阻害剤。

【請求項5】
RNAi分子活性抑制用核酸の非修飾DNA領域が標的RNAi分子活性を有する機能鎖の塩基配列に対して1塩基又は連続する2~10塩基のミスマッチ部位を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の阻害剤。

【請求項6】
RNAi分子活性抑制用核酸の非修飾DNA領域が18~35塩基長である、請求項1~5のいずれか一項に記載の阻害剤。

【請求項7】
RNAi分子活性抑制用核酸の一本鎖核酸部分が非修飾DNA領域と二本鎖核酸部分の連結を介在する1~10塩基長の核酸からなる連結領域を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の阻害剤。

【請求項8】
RNAi分子活性抑制用核酸の二本鎖核酸部分が5~25塩基長である、請求項1~7のいずれか一項に記載の阻害剤。

【請求項9】
RNAi分子活性抑制用核酸の二本鎖核酸部分が3~10塩基長の核酸からなるループ領域を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の阻害剤。

【請求項10】
RNAi分子活性抑制用核酸がDNAのみで構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の阻害剤。

【請求項11】
RNAi分子がmiRNA siRNA、又はshRNAである、請求項1~10のいずれか一項に記載の阻害剤。

【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の阻害剤を有効成分として含有する医薬組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


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