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目的遺伝子を発現させるための光学スイッチ用コンストラクト コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P130009265
整理番号 141
掲載日 2013年5月15日
出願番号 特願2013-050728
公開番号 特開2014-176309
出願日 平成25年3月13日(2013.3.13)
公開日 平成26年9月25日(2014.9.25)
発明者
  • 小林 裕和
  • 山本 峻資
  • 清水 正則
出願人
  • 静岡県公立大学法人
発明の名称 目的遺伝子を発現させるための光学スイッチ用コンストラクト コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】植物体の生育後に、外来遺伝子を発現させることができるシステムを提供する。
【解決手段】以下に記載のポリヌクレオチドを含む、目的遺伝子を発現させるための光学スイッチ用コンストラクト;(a)光化学系(PS)I反応中心タンパク質遺伝子プロモーター(PpsaA)、(b)前記光化学系(PS)I反応中心タンパク質遺伝子プロモーターの制御下に作動可能に連結されるポリヌクレオチド配列であって、前記目的遺伝子の発現を阻害する転写産物をコードするポリヌクレオチド配列を用いる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



植物細胞には、核、葉緑体、およびミトコンドリアに遺伝情報(DNA)が存在する。これらのうち、核ゲノムへの外来遺伝子導入技術が先行し、現在日本に輸入が認可されているすべての遺伝子組換え農作物は、核ゲノムの遺伝子操作により作出されたものである(非特許文献1)。





遺伝子組換えにおいては、植物に新たな形質あるいはタンパク質生産能を付与する「目的遺伝子」に加えて、遺伝子導入植物体(形質転換体)の選抜に「選択マーカー遺伝子」が不可欠となる。これには、土壌細菌や腸内細菌由来の抗生物質耐性や除草剤耐性遺伝子が用いられて来た(非特許文献2)。これらに代わり、消費者の遺伝子組換え農作物への忌避意識回避には、「植物由来選択マーカー遺伝子」の開発が望まれる(非特許文献2)。





葉緑体は、通常の栽培植物では花粉に取り込まれないため、外来遺伝子の花粉を介しての飛散が防止できる。さらに葉緑体には、植物の可溶性タンパク質の半分にも及ぶ含量のタンパク質[fraction-1 protein: 後にribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxygenase (Rubisco)と判明]が存在するため、外来タンパク質の蓄積にも適すると考えられてきた。このように、葉緑体ゲノムの遺伝子操作は、核ゲノムのそれよりも利点を有するが、技術的には核ゲノムの遺伝子操作ほど容易ではない。なお、ミトコンドリア・ゲノム遺伝子操作の成功例は未だ報告されていない。葉緑体形質転換および外来遺伝子維持の技術が研究されている(非特許文献3)。





これまでの葉緑体ゲノム遺伝子操作では、以下の文献に述べられている通り、有用タンパク質の葉緑体での生産が植物の生育を阻害する場合が多い。具体的には、破傷風毒素(用途:ワクチン)(非特許文献4)、バクテリオファージ溶原化タンパク質(用途:タンパク質性抗生物質)(非特許文献5)、マルトース結合タンパク質(用途:融合タンパク質として発現させた外来タンパク質の回収)(非特許文献6)、プラスチド/プラストキノール末端酸化酵素(用途:光合成機能の向上)(非特許文献7)等が挙げられる。したがって、植物が生育した後、「光化学系スイッチ」により外来タンパク質の生産を始め蓄積させることが望ましい。





従来の植物の遺伝子発現誘導系としては、(1)ヒートショックタンパク質誘導系(非特許文献8)、(2)光受容体(フィトクロムあるいはクリプトクロム)を介した誘導系(非特許文献9)、あるいは(3)動物ステロイドホルモン誘導系(非特許文献10)の導入が知られている。





(1)と(2)は、目的遺伝子以外の多くの内在遺伝子の発現が影響を受ける。したがって、処理中に植物体の受けるダメージが大きい。一方、(3)において圃場におけるステロイドホルモンの散布は、そのコストが高くまた環境汚染が懸念される。

産業上の利用分野



本発明は、植物物質生産のための光化学系スイッチに関するものであり、その遺伝子の光化学系スイッチを導入した形質転換植物、目的遺伝子のみの発現を光により制御し、さらに目的遺伝子を葉緑体に蓄積させる方法に関する。なお、本技術は、induction of gene via photosystem(iGPS)と呼ぶことにする。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下に記載のポリヌクレオチドを含む、目的遺伝子を発現させるための光学スイッチ用コンストラクト;
(a)光化学系(PS)I反応中心タンパク質遺伝子プロモーター(PpsaA)、
(b)前記光化学系(PS)I反応中心タンパク質遺伝子プロモーターの制御下に作動可能に連結されるポリヌクレオチド配列であって、前記目的遺伝子の発現を阻害する転写産物をコードするポリヌクレオチド配列。

【請求項2】
前記光化学系(PS)I反応中心タンパク質遺伝子プロモーターが、配列番号1で示されるヌクレオチド配列を有する、請求項1に記載のコンストラクト。

【請求項3】
前記コンストラクトが一過性遺伝子発現用コンストラクトである、請求項1または2に記載のコンストラクト。

【請求項4】
前記DNA組み換えタンパク質の発現を阻害するポリヌクレオチド配列が、RNAi(RNA interference)、あるいはリプレッサーによって、目的遺伝子の発現を阻害する、請求項1~3に記載のコンストラクト。

【請求項5】
更に、植物由来の変異型アセト乳酸合成酵素遺伝子(mALS)をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項1~4に記載のコンストラクト。

【請求項6】
請求項1~5に記載のコンストラクトを含有するベクター。

【請求項7】
前記請求項6に記載のベクターが導入された植物由来の形質転換体。

【請求項8】
近赤外光照射により、目的遺伝子の発現量を変化させる方法であって、請求項6に記載のコンストラクトを導入した形質転換体に、440nm~450nmまたは、690nm~710nmの波長領域内の波長成分を含む光を照射する方法。

【請求項9】
前記波長領域内の波長成分の光量子束密度が、70μmol m-2-1~300μmol m-2-1の範囲内である、請求項8に記載の方法。

【請求項10】
前記近赤外光照射を1日間~2日間行うことを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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