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不斉反応触媒及びそれを用いた不斉合成方法

国内特許コード P130009296
整理番号 2009-011
掲載日 2013年6月3日
出願番号 特願2009-240020
公開番号 特開2011-083736
登録番号 特許第5392614号
出願日 平成21年10月19日(2009.10.19)
公開日 平成23年4月28日(2011.4.28)
登録日 平成25年10月25日(2013.10.25)
発明者
  • 小槻 日吉三
  • 猪子石 洋吾
出願人
  • 国立大学法人高知大学
発明の名称 不斉反応触媒及びそれを用いた不斉合成方法
発明の概要

【課題】入手容易で安価な低分子有機化合物からなり、高い立体選択性と位置選択性とを発揮し、優れた不斉誘起能を有し、高い光学収率と反応収率とを発現でき、不斉マイケル反応やそれに引き続くアルドール環化反応に用いられる不斉反応触媒、及びそれを用いた不斉合成方法を提供する。
【解決手段】不斉反応触媒は、光学活性脂環式ジアミン誘導体と、脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸から選ばれるカルボン酸誘導体とを含有するものであって、電子吸引基共役-α,β位-不飽和化合物とそのβ位に付加する活性メチレン基含有化合物又は活性メチン基含有化合物との不斉反応を誘起するものである。不斉合成方法は、この触媒の存在下で、電子吸引基共役-α,β位-不飽和化合物のβ位に、活性メチレン基含有化合物又は活性メチン基含有化合物の活性基を、マイケル反応させて、そこに不斉誘導して、光学活性マイケル反応付加化合物にするというものである。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


活性メチレン基又は活性メチン基含有化合物である1,3-シクロアルカンジオン類とメチルビニルケトン類とのマイケル(Michael)反応、それに引き続く分子内アルドール環化反応を行うような所謂ロビンソン(Robinson)環化反応は、しばしばステロイドやテルペン類の基本骨格合成に利用されている。



ロビンソン環化反応の中でも、光学活性プロリン存在下で光学活性の2環性-α,β-不飽和エノン化合物を不斉合成するという不斉ロビンソン環化反応(Hajos-Parrish-Eder-Sauer-Wiechert反応)は、下記化学反応式(1)に示す通り、高い光学収率で進行することが知られている。



【化1】



この化学反応式(1)の不斉ロビンソン環化反応は、反応遷移状態において、カルボニル基へ結合している不斉反応触媒である光学活性プロリンが、分子内アルドール環化反応する際に形成される立体障害のある2環性縮合環の橋頭炭素原子を不斉制御する結果、比較的容易に不斉誘起を起こすものである。



一方、非特許文献1に、下記化学反応式(2)で示すように立体障害の大きな光学活性プロリン誘導体を触媒に用い、反応遷移状態で触媒と相互作用し易いβ位で、不斉誘起した単環性の不飽和エノン化合物を、高い光学収率で合成する発明が、開示されている。



【化2】



しかし、公知の不斉触媒を用いても、鎖状のメチルビニルケトン化合物のβ位へのマイケル反応によって、新たに形成されるγ位に不斉を誘起するのは、その化合物のβ位の立体障害が小さい所為で、極めて困難である。ましてや光学活性プロリン誘導体を触媒に用いてそのマイケル反応とアルドール反応とを行って不飽和エノン化合物のγ位炭素原子上、とりわけ単環性のシクロヘキセノン化合物のγ位炭素原子上でロビンソン環化反応を行っても、反応遷移状態でカルボニル基に相互作用する触媒までの距離が遠過ぎる所為で、γ位での不斉誘起を起こし難い。



また、面倒な多工程を要して調製しなければならない立体障害の大きな光学活性プロリン誘導体のような複雑な構造を有する化合物を用いなくとも、安価に入手容易な低分子有機化合物を用いて、立体選択的・位置選択的に、不斉誘起でき、有毒な重金属を含まず安全であって、簡易な構造の不斉合成触媒が、求められている。

産業上の利用分野


本発明は、α,β位-不飽和化合物のβ位にマイケル反応して新たに形成されるγ位を不斉誘起する不斉反応触媒、及びそれを用いた不斉合成方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
光学活性脂環式ジアミン誘導体と、脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸から選ばれるカルボン酸誘導体とを含有するものであって、電子吸引基共役-α,β位-不飽和化合物とそのβ位に付加する活性メチレン基含有化合物又は活性メチン基含有化合物との不斉反応を誘起することを特徴とする不斉反応触媒。
【請求項2】
前記光学活性脂環式ジアミン誘導体が、trans-1,2-ジアミノシクロアルカンであり、前記カルボン酸誘導体が、鎖状若しくは環状で脂肪族モノカルボン酸若しくは脂肪族ポリカルボン酸からなる前記脂肪族カルボン酸であり、又は炭化水素芳香環含有でモノカルボン酸若しくはポリカルボン酸からなる前記芳香族カルボン酸であることを特徴とする請求項1に記載の不斉反応触媒。
【請求項3】
前記光学活性脂環式ジアミン誘導体と前記カルボン酸誘導体とが、モル比で、1:3~2:1であることを特徴とする請求項1に記載の不斉反応触媒。
【請求項4】
光学活性脂環式ジアミン誘導体と、脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸から選ばれるカルボン酸誘導体とを含有する触媒の存在下で、電子吸引基共役-α,β位-不飽和化合物のβ位に、活性メチレン基含有化合物又は活性メチン基含有化合物の活性基を、マイケル反応させて、そこに不斉誘導して、光学活性マイケル反応付加化合物にすることを特徴とする不斉合成方法。
【請求項5】
前記電子吸引基共役-α,β位-不飽和化合物がα'位-活性水素基含有ケトン化合物であり、前記活性メチレン基含有化合物又は前記活性メチン基含有化合物がカルボニル化合物であり、前記付加化合物を、前記ケトン化合物に由来のα'位-活性水素基と前記カルボニル化合物のカルボニル基との分子内アルドール反応により、環化させて、γ位-不斉シクロヘキセノン化合物にすることを特徴とする請求項4に記載の不斉合成方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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