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ジアリールエテン化合物を含むフォトクロミック材料および光機能素子 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P130009302
整理番号 2012-002
掲載日 2013年6月7日
出願番号 特願2012-154749
公開番号 特開2014-015552
登録番号 特許第5920780号
出願日 平成24年7月10日(2012.7.10)
公開日 平成26年1月30日(2014.1.30)
登録日 平成28年4月22日(2016.4.22)
発明者
  • 小畠 誠也
出願人
  • 公立大学法人大阪市立大学
発明の名称 ジアリールエテン化合物を含むフォトクロミック材料および光機能素子 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】スイッチング機能、特定温度での加熱による再生不可能な消色および着色状態の可視光下での安定性などを備えたジアリールエテン化合物を含むフォトクロミック材料およびそれを含む光機能素子の提供。
【解決手段】下式(I):



[式中、Xは硫黄原子(S)またはスルホニル基(SO2)であり、Zは水素原子(H)またはフッ素原子(F)であり、RおよびR’は同一または異なって炭素数1~6のアルキル基または炭素数3~7のシクロアルキル基でありかつ少なくともいずれか一方が炭素数3~7の第二級アルキル基である]で表わされるジアリールエテン化合物。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



冷凍技術や冷蔵技術の発達により、多くの食品や医薬品などの物品が長期間にわたり、品質や安全性を保つことができるようになった。また、低温輸送技術の発達と普及により、市場にも様々な冷凍食品や冷蔵食品が出回るようになってきている。このため、流通過程や貯蔵過程における物品の温度管理が重要になる。特に物品が食品である場合、停電などの不慮の出来事で、所定の温度に管理ができなくなると、食品に細菌が繁殖し、腐敗・変質などの原因となる。また、物品が国際的に流通されるようになっている現在、食品物流業界では、赤道下の船舶輸送時における商品の温度管理(安全性)が問題となっている。





物品が一度でも管理温度以上の条件下に曝されたか否かは、物品を見ただけでは容易に判別し難い。このため、低温保存食品などの個々の物品に、温度インジケータや感温色材などを貼付する物品の温度管理が試みられている。

温度インジケータや感温色材は、物品が管理温度以上の条件下に曝されたときに変色し、その変色状態がその後長期間にわたって保持されること、すなわちその変色が不可逆型であることが望ましい。





そして、様々な材料や応用技術が提案されている。

例えば、特開平10-287863号公報(特許文献1)では、発色剤層、検温剤層および顕色剤層を備えた、低温で不可逆に変色(「着色」または「発色」ともいう)する温度履歴表示体が提案されている。

また、例えば、特開2004-184920号公報(特許文献2)では、支持体上に染料前駆体および、該染料前駆体と加熱時反応して着色体を形成する顕色剤を主成分として含有する感熱記録層、顔料とバインダーを主成分とする浸透層、融点が0℃以上の感温物質を内包したマイクロカプセル含有層、保護層を順次積層した示温ラベルが提案されている。





しかし、特許文献1および2に記載の温度履歴表示体や示温ラベルは、特定の融点を有する検温剤や感温物質を用いているために、温度履歴表示体や示温ラベルの製造後、使用状態に至るまでの輸送・保管時に、所定の温度以下に保つことが必要である。また、材料が不可逆型であるために、それが一旦変色すると、実用できなくなる。このため、これらの材料は、温度変化機構を作動可能にするスイッチオン機構を備えていることが望ましい。





このようなスイッチオン機構を備えた材料(温度履歴表示材)として、紫外線照射により着色し、温度履歴がスタートするフォトクロミック化合物を利用したものがある。

例えば、国際公開第WO2007/105699号(特許文献3)に記載されている着色状態の光安定性が従来のものより10倍高く、着色状態で温度を感知し、不可逆的に消色するフォトクロミック化合物がある。

しかし、このような機能を発現させるためには、トリフルオロメタンスルホン酸のような強い酸を必要とし、かつ固体状態で所定の機能を発現させるためには、均一に酸を添加する必要があり、この酸の添加は製造工程上、大きな問題となる。





一般に、フォトクロミック化合物を用いた温度履歴表示材としては、次のような条件(機能)が考えられ、それらの組み合わせにより、異なる特徴を有する温度履歴表示材を作成できる。

(1)スイッチオン機構を備えること(例えば、紫外線照射による着色)

(2)加熱により、再生不可能な消色が起こること

(3)着色状態が可視光下で安定であること

(4)加熱により、色が元に戻り、再生可能であること





これまでにフォトクロミック化合物、特にジアリールエテン化合物として、様々な化合物が合成され、その温度履歴表示材としての応用が提案されている。以下にそれらの化合物の有する機能およびそれらを記載する文献を例示する。

(1)および(2):上記の特許文献3

(1)および(3):特許第4025920号公報(特許文献4)

(1)および(4):S. Kobatake, K. Uchida, E. Tsuchida, M. Irie, 「Photochromism of Diarylethenes Having Isopropyl Groups at the Reactive Carbons. Thermal Cycloreversioin of the Closed-Ring Isomers」, Chem. Lett., 2000年, 29, 1340-1341(非特許文献1)

(1)、(3)および(4):特許第3964231号公報(特許文献5)

また、上記の特許文献3には、(1)、(2)および(3)の機能を有するジアリールエテン化合物が記載されているが、この化合物はこれらの機能を発現させるために、上記のように酸添加を必要とする。

産業上の利用分野



本発明は、ジアリールエテン化合物を含むフォトクロミック材料および光機能素子に関する。さらに詳しくは、本発明は、材料化学、印刷分野、インク分野、温度管理テープなどに利用し得るジアリールエテン化合物を含むフォトクロミック材料およびそれを含む光機能素子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(I):
【化1】


[式中、Xは硫黄原子(S)またはスルホニル基(SO2)であり、Zは水素原子(H)またはフッ素原子(F)であり、RおよびR’は同一または異なって炭素数1~6のアルキル基または炭素数3~7のシクロアルキル基でありかつ少なくともいずれか一方が炭素数3~7の第二級アルキル基である]
で表わされるジアリールエテン化合物を含むことを特徴とするフォトクロミック材料。

【請求項2】
前記一般式(I)におけるXがSであり、ZがFであり、かつRおよびR’がイソプロピル基、sec-ブチル基またはシクロヘキシル基である請求項1に記載のフォトクロミック材料。

【請求項3】
請求項1または2に記載のフォトクロミック材料を含むことを特徴とする光機能素子。

【請求項4】
前記光機能素子が、温度センサーである請求項3に記載の光機能素子。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2012154749thum.jpg
出願権利状態 登録


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