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熱エネルギー搬送システム、熱融通システム及び熱エネルギー搬送方法 コモンズ

国内特許コード P130009307
整理番号 2012-032
掲載日 2013年6月7日
出願番号 特願2012-253544
公開番号 特開2014-102025
登録番号 特許第5994130号
出願日 平成24年11月19日(2012.11.19)
公開日 平成26年6月5日(2014.6.5)
登録日 平成28年9月2日(2016.9.2)
発明者
  • 中尾 正喜
  • 西岡 真稔
  • ファーナム クレイグ
  • 長廣 剛
出願人
  • 公立大学法人大阪市立大学
  • 長廣 剛
発明の名称 熱エネルギー搬送システム、熱融通システム及び熱エネルギー搬送方法 コモンズ
発明の概要 【課題】地域において生成された熱エネルギーを極めて有効に利用することができ、既存建物への適用も容易である、熱エネルギー搬送システム、熱融通システム及び熱エネルギー搬送方法を提供する。
【解決手段】熱媒輸送路110、120は、第1の建物102と第2の建物101との間に配置され、熱エネルギーを搬送する熱媒を輸送する。温度分布取得手段は、熱媒輸送路110、120内において、互いに異なる温度を有し、熱媒輸送路で輸送方向に所定の長さを有する状態で順次輸送される熱媒の温度分布を取得する。制御手段5は、第1の建物102における空調機器の負荷要求を受け付けるとともに、温度分布取得手段により取得された温度分布に基づいて、受け付けた負荷要求を満足できる熱エネルギーを有する熱媒が第1の建物102に到達したときに、到達した熱媒から第1の建物102の空調機器に熱エネルギーを取り出させる。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要



従来、1箇所又は数箇所の熱供給設備(地域冷暖房プラント)で集中的に製造された、冷水、温水、蒸気等の熱媒を、地域導管を用いて複数の建物へ供給する地域熱供給システムが実用化されている。この種の熱供給システムは、例えば、熱供給設備Aが地域Aに熱媒を供給する場合、地域A内の建物に供給される熱媒の温度と、該建物で空調等に利用されて熱供給設備Aへ帰還する熱媒との温度差が所定の範囲内に保たれるように設計・運用される(温度差が所定範囲外となった場合、熱供給設備Aは地域A内の建物に所定温度の熱媒を供給することができなくなる。)。これにより、熱供給設備Aから地域A内の各建物に対し、各建物において必要な熱エネルギーを安定して供給することが可能になる。





しかしながら、このような構成では、地域Aに熱媒を供給する熱供給設備Aと、地域Bに熱媒を供給する熱供給設備Bとが隣接している場合でも、熱供給設備Aと熱供給設備Bとを一体運用して地域Aと地域Bとの熱供給を効率的に行うことができない。これは、一般に、地域Aと地域Bとで熱需要量が同一であることはなく、結果として、熱供給設備Aから供給される熱媒の温度と熱供給設備Bから供給される熱媒の温度とが異なることに起因する。各熱供給設備から供給される熱媒の温度が異なる場合、単純に各地域熱供給システムの地域導管を相互に接続すると、異なる温度の熱媒が混ざり合って接続点における熱媒の温度が変動してしまう。そして、熱供給設備から供給される熱媒の温度と熱供給設備へ帰還する熱媒との温度差を所定の範囲内に保つことができなくなり、結果として、各地域の建物が必要とする熱量を供給することができなくなる。





このような熱媒の混合の問題を回避するため、例えば、特許文献1は、地域Aに熱媒を供給する地域熱供給システムと、地域Bに熱媒を供給する地域熱供給システムとを、蓄熱槽を介して接続する構成を開示している。このような構成では、例えば、地域Aに供給される熱媒の温度よりも地域Bに供給される熱媒の温度の方が高い場合、地域Aの地域導管を流れる熱媒は蓄熱槽に導入される。蓄熱槽では、戻り配管を流れる熱媒の熱を利用して熱媒が昇温され、当該昇温された熱媒が地域Bの地域導管に供給される。また、特許文献2は、熱媒の混合の問題を回避するため、複数の帰還管路を設け、熱媒体の温度に応じて使用する帰還管路を変更する構成を開示している。





一方、非特許文献1は、上述のような、特定の熱供給設備から地域内の建物に熱媒を供給する方式ではなく、各住宅やビル毎に熱源を設置して近傍の住宅やビルとの間で熱を融通し合う「ベストエフォート型熱融通ネットワーク」を提唱している。

産業上の利用分野



本発明は、熱エネルギーを有効に利用することができる熱エネルギー搬送システム、熱融通システム及び熱エネルギー搬送方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
熱エネルギーを搬送する熱媒が輸送される熱媒輸送路と、
前記熱媒輸送路に接続され、当該熱媒輸送路に熱エネルギーを供給する熱源と、
前記熱媒輸送路に接続され、当該熱媒輸送路から熱エネルギーを取り出す熱需要端と、
前記熱媒輸送路内において、互いに異なる温度を有し、前記熱媒輸送路で輸送方向に所定の長さを有する状態で順次輸送される熱媒の温度分布を取得する温度分布取得手段と、
前記熱需要端の負荷要求を受け付けるとともに、前記温度分布取得手段により取得された温度分布に基づいて、受け付けた負荷要求を満足できる熱エネルギーを有する熱媒が当該負荷要求を発した前記熱需要端に到達したときに、到達した熱媒から前記熱需要端に熱エネルギーを取り出させる制御手段と、
を備える、熱エネルギー搬送システム。

【請求項2】
前記制御手段は、前記受け付けた負荷要求を満足できる熱エネルギーを有する熱媒を前記熱源に供給させる、請求項1記載の熱エネルギー搬送システム。

【請求項3】
前記熱媒輸送路には複数の熱源が接続され、前記制御手段は、各熱源の運転状態に基づいて、前記熱エネルギーを供給させる熱源を特定する、請求項2記載の熱エネルギー搬送システム。

【請求項4】
前記熱媒輸送路は環状であるとともに、前記熱源及び前記熱需要端において、前記熱媒は前記熱媒輸送路から取り出されることなく、熱エネルギーのみが前記熱媒との間で授受される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱エネルギー搬送システム。

【請求項5】
前記熱媒輸送路は、環状の第1の輸送路と環状の第2の輸送路とを有するとともに、前記熱源及び前記熱需要端は、前記第1の輸送路又は前記第2の輸送路から抜き出した前記熱媒を蓄積するバッファタンクを備え、前記バッファタンクに蓄積された前記熱媒との間で熱エネルギーが授受される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱エネルギー搬送システム。

【請求項6】
少なくとも1の空調機器を備える第1の建物と、
少なくとも1の熱源を備える第2の建物と、
前記第1の建物と前記第2の建物との間に配置され、熱エネルギーを搬送する熱媒が輸送される熱媒輸送路と、
前記熱媒輸送路内において、互いに異なる温度を有し、前記熱媒輸送路で輸送方向に所定の長さを有する状態で順次輸送される熱媒の温度分布を取得する温度分布取得手段と、
前記第1の建物における前記空調機器の負荷要求を受け付けるとともに、前記温度分布取得手段により取得された温度分布に基づいて、受け付けた負荷要求を満足できる熱エネルギーを有する熱媒が前記第1の建物に到達したときに、到達した熱媒から前記第1の建物に熱エネルギーを取り出させ、当該取り出した熱エネルギーを前記空調機器に使用させる制御手段と、
を備える、熱融通システム。

【請求項7】
前記制御手段は、前記受け付けた負荷要求を満足できる熱エネルギーを有する熱媒を前記第2の建物が備える前記熱源に供給させる、請求項6記載の熱融通システム。

【請求項8】
前記熱媒輸送路には、それぞれが熱源を備える複数の建物が接続され、前記制御手段は、各建物における熱源の運転状態に基づいて、当該複数の建物の中から前記第2の建物を特定する、請求項7記載の熱融通システム。

【請求項9】
前記熱媒輸送路は、環状の第1の輸送路と環状の第2の輸送路とを有するとともに、前記第1の建物及び前記第2の建物は、前記第1の輸送路又は前記第2の輸送路から抜き出した前記熱媒を蓄積するバッファタンクを備え、前記バッファタンクに蓄積された前記熱媒との間で熱エネルギーが授受される、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の熱融通システム。

【請求項10】
前記熱媒輸送路には、それぞれが前記第1の輸送路又は前記第2の輸送路から抜き出した前記熱媒を蓄積するバッファタンクを備える複数の建物が接続され、
前記制御手段は、前記受け付けた負荷要求を満足できる熱エネルギーを有する熱媒が前記複数の建物のいずれかが備える前記バッファタンクに蓄積され、かつ当該バッファタンク内の熱媒の用途が確定されていない場合、当該建物及び当該バッファタンクを前記第2の建物及び前記熱源として特定する、請求項9記載の熱融通システム。

【請求項11】
前記バッファタンクは、異なる温度を有する熱媒又は建物から排出される残余の熱エネルギーにより、単一の温度を有する熱媒を生成する均熱槽として機能する、請求項9又は10記載の熱融通システム。

【請求項12】
前記第2の建物の前記熱源が、熱エネルギーを付与した熱媒を前記第1の輸送路又は前記第2の輸送路に注入する場合、当該注入と同時に、当該注入位置の下流側において、注入対象の輸送路から注入量と同量の熱媒を抜き出す、請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の熱融通システム。

【請求項13】
前記第1の建物の前記バッファタンクに、前記第1の輸送路又は前記第2の輸送路から熱エネルギーが付与された熱媒を抜き出す場合、当該抜き出しと同時に、当該抜き出し位置の上流側において、注入対象の輸送路に抜き出し量と同量の熱媒を注入する、請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の熱融通システム。

【請求項14】
予め指定され範囲外の温度を有する熱媒が前記第1の輸送路又は前記第2の輸送路に注入される場合、当該熱媒は、前記第1の輸送路及び前記第2の輸送路のうち予め指定された一方の輸送路に注入される、請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の熱融通システム。

【請求項15】
前記第1の輸送路及び前記第2の輸送路と、前記バッファタンクとの接続部が、
前記第1の輸送路に介在された開閉弁と、
前記第2の輸送路に介在された開閉弁と、
一端が前記第1の輸送路の前記開閉弁の一方側に接続された第1の熱媒導入路と、
一端が前記第2の輸送路の前記開閉弁の一方側に接続された第2の熱媒導入路と、
前記第1の熱媒導入路及び前記第2の熱媒導入路の他端がともに一端に接続され、他端が前記バッファタンクに接続された共通導入路と、
一端が前記第1の輸送路の前記開閉弁の他方側に接続された第1の熱媒導出路と、
一端が前記第2の輸送路の前記開閉弁の他方側に接続された第2の熱媒導出路と、
前記第1の熱媒導出路及び前記第2の熱媒導出路の他端がともに一端に接続され、他端が前記バッファタンクに接続された共通導出路と、
前記第1の熱媒導入路に介在された開閉弁と、
前記第2の熱媒導入路に介在された開閉弁と、
前記共通導入路に介在された開閉弁と、
前記第1の熱媒導出路に介在された開閉弁と、
前記第2の熱媒導出路に介在された開閉弁と、
前記共通導入路に介在された開閉弁の上流側に設けられた、前記バッファタンク側に熱媒を送出するポンプと、
前記共通導出路に設けられた、前記バッファタンクから前記共通導出路の前記一端側に熱媒を送出するポンプと、
前記ポンプと前記共通導入路の開閉弁との間の前記共通導入路と、前記共通導出路のポンプの下流側の共通導出路とを接続するバイパス流路と、
前記パイパス流路に介在された開閉弁と、
を備える、請求項9から請求項14に記載の熱融通システム。

【請求項16】
前記空調機器は、前記第1の建物が備える熱源により生成された熱エネルギーが付与された熱媒が供給される第1の熱媒供給路と、前記熱媒輸送路により搬送された熱媒から取り出した熱エネルギーが付与された熱媒が供給される第2の熱媒供給路とを備え、
前記制御手段は、前記負荷要求と予め指定された条件とに基づいて、前記第1の熱媒供給路と前記第2の熱媒供給路とのいずれにより前記空調機器に熱媒を供給するかを決定する、請求項6から請求項15のいずれか1項に記載の熱融通システム。

【請求項17】
負荷要求を受け付けるステップと、
熱エネルギーを搬送する熱媒が輸送される熱媒輸送路内において、互いに異なる温度を有し、前記熱媒輸送路で輸送方向に所定の長さを有する状態で順次輸送される熱媒の温度分布を取得するステップと、
前記受け付けた負荷要求を満足できる熱エネルギーを有する熱媒の塊を前記温度分布に基づいて特定するステップと、
前記特定した熱媒の塊を前記熱媒輸送路により前記負荷要求の要求元に搬送するステップと、
前記特定した熱媒の塊が負荷要求の要求元に到達したときに、到達した熱媒から熱エネルギーを取り出すステップと、
を有する、熱エネルギー搬送方法。

【請求項18】
前記受け付けた負荷要求を満足できる熱エネルギーを有する熱媒の塊を前記温度分布に基づいて特定するステップにおいて、当該負荷要求を満足できる熱エネルギーを有する熱媒の塊が特定できなかった場合、前記熱媒輸送路に接続された熱源により、前記負荷要求を満足できる熱エネルギーを有する熱媒の塊を前記熱媒輸送路内に生成させるステップをさらに有する、請求項17記載の熱エネルギー搬送方法。

【請求項19】
前記受け付けた負荷要求を満足できる熱エネルギーを有する熱媒の塊を前記温度分布に基づいて特定するステップにおいて、当該負荷要求を満足できる熱エネルギーを有する熱媒の塊が特定できなかった場合、前記熱媒輸送路に接続された他の建物において一部が消費された残余の熱エネルギーにより、前記負荷要求を満足できる熱エネルギーを有する熱媒の塊を前記熱媒輸送路内に生成させるステップをさらに有する、請求項17又は請求項18記載の熱エネルギー搬送方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012253544thum.jpg
出願権利状態 登録


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